2013年(平成25年) 2月1日(金)付紙面より
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鶴岡市黒川地区の王祇祭(2月1、2日)を前に30日、同じ櫛引地域内にある山添高校(齋藤和久校長)の1年生たちが、祭りの舞台となる春日神社参道の石段などで除雪ボランティアを繰り広げた。
同校では2005年度から、1年生が総合学習で「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)をテーマに年10回ほど、黒川の役者を招いて演能の歴史を聞いたり、鑑賞したりなどの体験学習を展開。王祇祭前の除雪ボランティアはその一環で毎年行っている。今回は1年生25人が、地域住民約30人と一緒に約1時間にわたり取り組んだ。
神社西側の斜面にある長さ150メートルほどの参道周辺は、積雪が1メートルほど。生徒たちがシャベルで雪をブロック状に割り、「よいしょ」「えいっ」と声を発しながら放っていくと、瞬く間に石段が現れた。
佐々木もえみさん(16)は「とても疲れるが、祭り客が転んでけがなどしないようにと頑張っている。たくさんの祭り客が通ると思うと、やりがいがある」と話した。
王祇祭では、この参道を通り、御神体の王祇様が行き来する。また、春日神社では2月2日午前、黒川能が奉納上演される。
2013年(平成25年) 2月1日(金)付紙面より
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農産物の生産、加工、販売の米シスト庄内(庄内町、佐藤彰一社長)が開発した米粉100%かりんとう「かりんと百米」が、財団法人食品産業センター(本部・東京)主催の本年度優良ふるさと食品中央コンクールで、全国2位となる農林水産省食料産業局長賞に決まった。「農家の6次産業化への取り組みとしての成功事例」と高く評価された。
かりんと百米は、「プロの米農家が作る、米の魅力たっぷりのかりんとう」をコンセプトに、同社が2011年から開発に乗り出し、昨年4月に発売。自社産特別栽培米の「はえぬき」の米粉を原料にした小麦粉不使用のかりんとうで、揚げ油も米ぬか油を使い、パッケージも米袋をイメージしてデザインするなど「米」にこだわって開発した。小麦粉を使わない、米粉と米油によるヘルシーなかりんとうとして人気で、全国各地で販売されている。
同コンクールは、地域色豊かな「ふるさと食品」の中で、新技術による品質の向上などに特に優れた成果を挙げた食品を表彰するもので、農水省が後援している。かりんと百米は新製品開発や国産農林産品利用など4部門のうち、新技術開発部門に出品。審査で「独自の技術を開発し、従来困難とされていた小麦粉不使用の新しい米粉商品の開発を実現し、原料調達で地域の活性化に貢献するとともに、6次産業化の取り組みの成功例」と評価され、農水大臣賞に次ぐ賞に決まった。昨年9月に県のコンクールで優秀賞を受賞し、県の推薦を受け中央コンクールに出品された。
表彰式は3月1日に都内で行われる。開発に携わり、販売を担当する米シスト庄内の佐藤優人さんは、今回の受賞に「全国の多くの食品会社や製菓会社に交じり、わが社のような農業法人が全国的な賞を受けることは、とても名誉なこと。これからもボーダーレスな農業法人を目指し、さまざまな分野にチャレンジしていきたい」と話した。