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荘内日報ニュース


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2013年(平成25年) 2月10日(日)付紙面より

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世界で役立てて 朝暘三小 ペットのふた2万個贈る

 鶴岡市立朝暘第三小学校(渡會晃校長、児童659人)の児童らが、約1年かけて集めたペットボトルのふた約2万個を、トヨタカローラ山形(鈴木重行社長)へ引き渡した。ふたはNPO法人を通じ、発展途上国の子どもたちへのポリオワクチンの費用に還元される。

 同校では、わかば委員会が中心となってキャップのほか空き缶、プルタブの回収などに取り組んでいる。社会貢献の一環として2010年1月から「エコキャップ推進運動」を展開する同社へふたを渡し、ワクチンの購入費に充ててもらう。

 この日は、同社の粕谷隆一鶴岡店店長と経営品質推進室の古熊美恵子チーフが同校を訪問。委員らが見守る中、齋藤沙也佳委員長(6年)と佐藤叶穂副委員長(同)が「世界中の子どもたちのために役立ててください」と、粕谷店長と古熊チーフにふたを手渡した。ふたは860個で1人分のワクチンになるという。今回、同校が引き渡したふたは約23人分に相当する。

朝三小の児童たちがペットボトルのふたを引き渡した
朝三小の児童たちがペットボトルのふたを引き渡した


2013年(平成25年) 2月10日(日)付紙面より

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小学生の交流深く 今帰仁村から4校来酒

 酒田市と交流を続けている沖縄県今帰仁村(なきじんそん)の小学生たちが8日、同市の泉小学校(大川英一校長、児童447人)を訪れ、お互いに地元の太鼓を演奏するなどして触れ合いを深めた。

 交流は1978年、同市が「リゾート大学沖縄・酒田村」事業をスタートさせ、市民らが同村の家庭に民泊したことがきっかけでスタート。93年には、小学生同士が相互訪問し、文化の違いを学ぶ「ふれあい少年の翼」事業も始まった。

 今回は、団長の上間賢治今帰仁村立兼次(かねし)小校長ら引率者10人と、同校など村内4小学校の6年生36人が羽田空港を経由し6日夕、庄内空港に到着。7日は鶴岡市の羽黒山スキー場でスキー教室を開催し、ほとんどの児童が初めての経験という雪の感触を楽しんだ。天底(あめそこ)小の宮里乃絵瑠(のえる)さん(12)は「楽しかった。また滑りたい」と感想。

 8日は酒田市の山王くらぶや旧鐙屋、本間家旧本邸などを見学した後、泉小を訪問。「出会いの会」に続き、いずれも地元の食材を使った「給食交流会」に臨み、泉小の児童らに人気というキムチご飯や鶏の空揚げ、ラ・フランスゼリーなどを一緒に味わった。

 午後からは体育館で交歓会。泉小側は5、6年生による「泉太鼓」と4?6年生のマーチングバンド演奏、全校児童による合唱「トゥモロー」を披露した。

 一方、今帰仁村の子供たちは、沖縄が発祥の地とされる空手の形、ダイナミックなダンス演技に続き、カラフルな衣装をまとい小太鼓を打ち鳴らしながら沖縄の伝統芸能「エイサー」を元気いっぱい披露し、大きな拍手を受けた。その後、山居倉庫で庄内米歴史資料館を見学。「酒田夢の倶楽(くら)」で買い物を楽しみ、同夜はホームステイ。

 9日は市勤労者福祉センターで「お別れの会」に出席した後、JR酒田駅から新潟経由で東京に向かった。都内を見学し10日夜、帰村する。

今帰仁村の子供たちが沖縄の伝統芸能「エイサー」を元気いっぱいに披露した=8日午後、酒田市の泉小
今帰仁村の子供たちが沖縄の伝統芸能「エイサー」を元気いっぱいに披露した=8日午後、酒田市の泉小


2013年(平成25年) 2月10日(日)付紙面より

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森の時間61 ―山形大学農学部からみなさんへ―

○○につける薬 小山 浩正

 AKB48の人気はまだ続くのでしょうか。芸のない小娘たちのタワムレの何が面白いのかしらん…と思いながらも、妙な華やかさに圧倒されてチャンネルを変えずにいたことも。考えてみれば、日本人は似たような顔をたくさん並べて愛でるのが伝統的に好きです。例えば、いつの時代も子供に人気なのが戦隊ヒーロー。その系譜を遡れば「七人の侍」や歌舞伎の「白浪五人男」、そして室町時代に起源する七福神に行き着くのでしょう。元禄の時代から人気のグループといえば赤穂の四十七人。遊佐の十六羅漢像もまたしかり。AKBもその伝統の延長にあるように思えます。彼女らのファンは自分のお気に入りのメンバーを「推しメン」と呼ぶらしいので、この際、私の推しメンも紹介しましょう。

 その名も三十三観音の筆頭『楊柳観音』(爺くさい?)。楊柳、つまりヤナギの枝を右手に人々を病苦から救います。三十三体の中で唯一樹木の名が入る観音ですが、それがなぜヤナギなのかについては根拠がないわけではありません。この樹には殺菌・鎮痛能力があるのです。爪楊枝にヤナギが使われたのは歯痛が和らぐからです。インドや中国の民間療法でも鎮痛薬としてこの樹が使われました。唐の時代にはその枝を巻いて旅人を見送ったそうですが、この樹の薬効にあやかって無事の帰還を祈ったのでしょう。西洋も同様で、医学の父ヒポクラテスはヤナギの皮が解熱や鎮痛に効き、葉は分娩の痛みを緩和すると述べています。中世ヨーロッパでは樹液の煎じ湯が痛み止めとして振る舞われたそうです。そして、解熱・鎮痛・消炎薬として世界的なベストセラーとなったアスピリンもまたヤナギのサリチル酸が原料です。

 ただし、薬になるのはヤナギだけではありません。キハダやホオノキは胃薬、クリの葉はかぶれ、クズの根は解熱に効くとされます。古老を訊ね、古文書にも当たれば、忘れられた木々の効能がもっと見つかるのではないでしょうか。近代以前の人々は薬を主に周囲の自然から調達したので、里山はずいぶんと頼りにされたはずです。日光の山々はそうした草花を捜して江戸に供給する本草学(ほんぞうがく)のメッカでした。宗教もこうした植物と無関係ではないのでは。野山の薬草に詳しい山岳信仰の修験者が病苦退散を見せつけたなら、民衆から無条件の信奉を引き出せたでしょう。苦痛から逃れたい人々の願いが楊柳観音をして三十三観音の筆頭(現代で言うセンター)に置いたのだと思います。

 自然由来の薬は今も私たちの生活の意外と近い所にあります。医者の8割が漢方薬を処方しているとのこと。ところが、わが国の生薬自給率はわずか12%。「健康の自給自足」のためにも周囲の里山にもう一度目を向けるべきではないでしょうか。ヤナギ、キハダ、ホオ、クリ…里山でYYJ48(薬用樹48種)の選抜をしてみますか。お○○なあの娘(こ)たち、いや、それを影で操るロリコン・オヤジにつける薬も見つかると良いのだけれど。

(山形大学農学部教授 専門はブナ林をはじめとする生態学)

ミヤマヤナギ/鳥海山 康新道にて=自然写真家・斎藤政広撮影
ミヤマヤナギ/鳥海山 康新道にて=自然写真家・斎藤政広撮影



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