2013年(平成25年) 2月16日(土)付紙面より
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鶴岡市の大網保育園(難波きみ園長、園児9人)の園児たちが15日、同園近くのブナ林でメープルシロップのもととなるイタヤカエデの樹液採取を行った。樹皮に電動ドリルで穴を開け、差し込んだホースから透明な樹液が流れ出すと、園児たちが歓声を上げた。
同園は行政や民間、市立保育園などで組織する「つるおか森の保育研究会」の交流保育事業の拠点施設として、2010年度から四季折々の自然に親しむ保育活動に取り組んでいる。
イタヤカエデの樹液採取は、同研究会の自然体験活動の一環。冬にも森の恵みがあることを子供たちに知ってもらい、メープルシロップ作りなどを通して食育につなげることを目的とする。
今回は3―5歳児6人と保育士、地域のお年寄り、自然体験活動のコーディネーターを務める上山剛司さん(環境教育工房LinX)が参加。ブナ林に自生しているイタヤカエデのうち3本に電動ドリルで大人の親指ほどの穴を開け、ホースを挿入。透明な樹液が流れ出ると園児たちが「出てきた!」と歓声を上げた。上山さんの勧めで穴付近に指を伸ばし、樹液を少しだけすくってなめた園児たちは「少し甘い」と顔を見合わせていた。
井上春乃ちゃん(5)は「水みたいで、ちょっとだけ甘かった。みんなと一緒に炊き込みご飯にして食べたい」と話していた。樹液は来月末ごろまで採取を続け、その後煮沸消毒してメープルシロップにし、炊き込みご飯などにして食べるという。
難波園長は「今春には朝日地域の4保育園が統合される。自然の生命力を学ぶこの活動が続いてほしい」と話していた。
2013年(平成25年) 2月16日(土)付紙面より
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3月3日のひな祭りを前に、鶴岡市の老舗菓子店「木村屋」(吉野隆一社長)で15日、鶴岡伝統の「雛(ひな)菓子作り」がスタートした。
庄内の雛菓子は、白あんに求肥(ぎゅうひ)などを混ぜて練った生菓子の「練り切り」が伝統的に用いられる。練り切りでさまざまな形の菓子を作るのは全国でも珍しく、北前船で京都から技術が伝わり独自に発展していったとされる。
鶴岡市覚岸寺にある木村屋の菓子工場「ファクトリーガーデン」では、従業員たちが手分けしてイチゴやミカン、サクランボなど21種類の雛菓子作りや箱詰め作業に追われていた。
従業員たちは手作業で食紅などで雛菓子に色を付け、寒天で光沢を出し、さらにエアブラシや竹べらなどを使って細部まで本物そっくりに仕上げていた。
吉野社長は「雛菓子作りは手間もかかり採算を取ることは難しい。現在も作り続けられているのは庄内特有のこだわりがあるからだと思う」と話していた。
雛菓子の販売は16日から、直営の17店舗で行われる。