2013年(平成25年) 2月7日(木)付紙面より
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実写版としては初となる映画「おしん」の製作発表会見が5日、東京・千代田区の東京會館で行われた。主演のおしん役となる宮崎県出身の小学3年生、濱田ここねちゃん(8)をはじめ、母親ふじ役の上戸彩さん、奉公先・加賀家の大奥様くに役の泉ピン子さん、鶴岡市出身の冨樫森監督らが「新しいおしんを見てほしい」など抱負を語った。今月中旬から来月にかけ、鶴岡市の庄内映画村や酒田市など県内各地でオールロケで撮影し、今年10月に公開される。
「おしん」は脚本家の橋田壽賀子さんが原作・脚本を担当し、1983―84年にNHKの連続テレビ小説で放映された。明治―昭和期に、山形県の寒村に生まれたおしんが幾多の困難を乗り越え、スーパーの経営者となっていく人生を描いた。最高視聴率62・9%はテレビドラマとしては歴代最高で、放映時間には水道使用量が激減するなど「おしんブーム」が起こった。世界86の国・地域で放映され、大きな感動を与え続けている。
映画は、放映開始から30年を機に、待ち望まれていた実写版を世界に届けたいと製作される。脚本は橋田さんが担当。おしんの少女時代に焦点を当て、日本の原風景が残る本県の厳しくも雄大な自然の中で、数々の困難にぶつかりながらも、家族を思い、ひたむきに生き成長していく姿を描く。
おしん役のここねちゃんは、約2500人のオーディションで選ばれた。演技の可能性や芯の強さ、笑顔が決め手となり、現在、県内で雪の上を歩くリハーサルなどをしているという。NHKドラマでおしん役を務めた小林綾子さんが加賀家の若奥様みの役で出演するほか、岸本加代子さん、ガッツ石松さん、乃木涼介さん、吉村実子さん、満島真之介さんらが出演。
この日の製作発表会見には、ここねちゃん、上戸さん、泉さんの主要キャスト3人と、冨樫監督、橋田さんが出席。ここねちゃんは「おしん役を一生懸命頑張る。(上戸)彩さんには衣装合わせの時から優しくしてもらっている。ずっと親子の感じ」と元気に話した。
上戸さんは「ものすごくプレッシャーを感じている。ピン子さんから、命を懸ければ大丈夫だよとアドバイスをもらった。生きる力、家族の絆、今の社会が必要とされていることを伝えたい」、NHKドラマでふじ役を務めた泉さんは「(違う役なので)方言はBSでやっている再放送を見て覚える。(ここねちゃんは)衣装の浴衣を着た時、ぴったりだと思った」、橋田さんは「先祖にこんな人がいたことを知ってもらいたい」と映画に寄せる思いを語った。
冨樫監督は「新しい『おしん』を皆さんに見てもらいたい。こんな時代なので、泣いて泣いて元気になる『おしん』を作りたい。座って温かいご飯を食べられる幸せ、字を書くことの喜び、働いてお金をもらえる喜びを描きたい」と抱負。ここねちゃんについては「都会の色に染まった子が多い中で、今もって野性児はここねだけだった」と決め手を語った。
2013年(平成25年) 2月7日(木)付紙面より
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鶴岡市立東栄小学校(澤川来全校長、児童110人)で6日、地域の伝統芸能「獅子踊り」の引き継ぎ発表会が行われ、卒業間近の6年生から下級生へ獅子頭が引き継がれた。
同校は学区内の添川と東堀越地区にそれぞれ伝わる獅子踊りを、地域の保存会メンバーから習い、伝統芸能として継承する活動に1992年から取り組んでいる。引き継ぎ発表会は伝統と誇りを継承・発展させていくことを目的に毎年この時期に行っている。
同校体育館で行われた発表会では、はじめに6年生12人が「今日で獅子踊りを行うのは最後。みんなで心を一つにして踊りたい」と決意を述べ、小学生最後の獅子踊りを披露。添川と東堀越の2地区に分かれ、それぞれ獅子頭を振りながら力強く太鼓を打ち鳴らし、迫力ある踊りを発表した。
続いて、6年生たちはかぶっていた獅子頭を4、5年生の頭にかぶせ引き継ぎした。下級生を代表して5年生たちが「地区の方や6年生に教わったことをしっかり受け継ぎ、大きく力強く踊りたい」と決意を述べ、4、5年生が先月から練習を積んできた獅子踊りを披露。1―3年生までは踊りに合わせてばちを打ち鳴らした。発表会には大勢の地域住民も訪れ、6年生と下級生の踊りに大きな拍手を送っていた。