2013年(平成25年) 3月13日(水)付紙面より
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東日本大震災から丸2年となった11日、犠牲者の追悼と復興への願いを込めた行事「2年目のキャンドルナイト」が庄内各地で行われた。午後7時に各家庭などで一斉にろうそくの火をともし、犠牲者の冥福を祈るとともに、あの日のこと、今の幸福のこと、被災地のことを思い、それぞれ何ができるかなどを考えてもらった。
被災者に希望を 鶴岡
仙台市で被災した鶴岡市出身の女性が昨年3月、「震災を風化させてはいけない。被災者と思いを共有しよう」と呼び掛け、鶴岡市の市民や山形大農学部の学生らが同市で始めた。今年も実行委員会をつくり、事前に同市や酒田市、三川町でワークショップを開き、紙コップにろうを入れたキャンドルを計約3000個製作、一部は各家庭に持ち帰ってもらうなど、取り組みは庄内全域に広がった。
この日は午後7時、賛同者が各家庭や飲食店などで、実行委スタッフらが鶴岡市の山形大農学部、酒田市の中町モールの2会場で、一斉に火をともした。
このうち山形大農学部には市民や福島県からの避難者らが訪れ、体育館入り口階段に紙コップのキャンドル約700個で「2013 HOPE」の文字を浮かび上がらせた。強風で炎が一斉に消え、「あー」とため息が漏れることもしばしば。それでも負けまいと点火し、全体が浮かび上がると、「やったー」「きれい」と見入る家族連れや、静かに手を合わせる人もいた。
実行委世話人の菊池俊一山形大農学部准教授は参加者に「昨年も『HOPE』の文字を浮かび上がらせた。被災者に希望を伝えたいという庄内の人の心。明日から3年目になる。一緒に思い、できることをしていこう」と呼び掛けた。
炎で「絆」 酒田
一方、酒田市の中心市街地でもキャンドル約1300個に火をともし、犠牲者の冥福と被災地の一日も早い復興を祈った。
同市字新屋敷の生涯学習施設「里仁館」(冨士直志館長)と、いずれも同市の中通り、中町中和会両商店街振興組合が中心になって行った。里仁館は昨年から今年にかけ、被災地の復興を支援する連続講座「庄内じもとで応援隊」を計3回開催。先月3日の最終講では、参加者32人が約800個のキャンドルを作った。
今月9日から11日までは市街なかPR館で、広く市民を対象にしたキャンドル製作のワークショップを行ったほか、近隣の琢成、浜田両小学校児童も協力して計約500個が集まった。
キャンドルは中町モールから中通りにかけての約200メートル区間に並べられた。午後7時ごろにスタッフが点火すると、柔らかな炎が周囲を包み、さらに「3・11絆」の文字を浮かび上がらせた。訪れた市民は静かに手を合わせ、「あの日を忘れない」「一日も早い復興をお祈りします」「がんばろう東北」などと表面に書かれたキャンドルに見入っていた。
冨士館長は「多くの人の協力でキャンドルをともすことができた。哀悼の意を表すとともに、被災地の一日も早い復興を祈る気持ちをつないでいきたい」と話していた。
実行委では同日夜に各家庭などでろうそくをともした写真を、メッセージとともに電子メールで投稿してもらっており、後日、公開することであらためて「思い」を共有するという。
2013年(平成25年) 3月13日(水)付紙面より
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鶴岡市のボランティアグループ「さわやかの会」(北館みや子代表、会員11人)の会員たちがボランティア活動で集めたアルミ缶で車椅子4台を購入し11日、同市熊出の社会福祉法人・朝日ぶなの木会の「デイサービスセンターであい」に寄贈した。
同会は、同市東岩本地区の女性たちが中心となり、2002年からアルミ缶回収ボランティアを行っている。これまで、朝日ぶなの木会に車椅子8台、朝日地域4保育園に絵本114冊を寄贈。今回は地区内にある柿選果場に回収ボックスを設置し、地域住民に協力を呼び掛けた。2010年11月から13年2月までの間にアルミ缶約1・6トンが集まり、その収益金で車椅子4台を購入した。
この日はデイサービスセンターであいで贈呈式が行われ、北館代表が「会員の皆さんや地域の方々のおかげで車椅子を贈ることができた。どうぞ皆さんで大事に使ってください」とあいさつし、伊藤貫正所長に車椅子を手渡した。伊藤所長は「継続して寄贈していただき感謝します。今後も地域の高齢者福祉に協力をお願いします」とお礼を述べた。