2014年(平成26年) 7月6日(日)付紙面より
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酒田市名誉市民で東北エプソンの相談役を務める中村恒也さん(長野県諏訪市)による寄付金を活用した「チャレンジものづくり塾」が5日、市総合文化センターで開講した。節目の10期生となる児童・生徒は来年1月までの約8カ月間、「ものづくり」を通して科学の楽しさを体感する。
クオーツ腕時計の開発に世界で初めて成功し、セイコーグループの礎を築いた中村さんの功績を顕彰しようと、市は中村さんから受けた寄付金5000万円を基に2004年8月、「中村ものづくり基金」を創設。基金を活用した「中村ものづくり事業」の一環として、市教育委員会は市内の小・中学生を対象にした「―ものづくり塾」を05年度から開講している。
10期生は市内に住む小学5年―中学2年の男女34人。本年度は、黒線を認知し自走する自動車型ロボット「ライントレースカー」を作るAコース、3つのモーターで作動するロボットを製作するBコースの2つの講座を用意した。
この日は合同で開講式に臨んだ後、コース別に分かれて早速講義。13人が受講したAコースでは、県立産業技術短期大学校庄内校制御技術科の工藤誠教授(ロボット工学)の指導で、最初の段階として車の模型製作を行った。
若浜小6年の菅原直也君(11)は「ものを作るのはとても楽しい。将来はこういう道に進み、人間と一緒に生活するロボットを作りたい」と夢を膨らませていた。
来年1月に予定している最終講義では、受講生は自ら製作した作品を使用して「ロボットコンテスト」に挑む。