2014年(平成26年) 2月1日(土)付紙面より
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山形大学のオリジナル純米大吟醸酒「燦樹(きらめき)」の新酒試飲会が30日、同大農学部(西澤隆学部長)で開かれた。同学部付属やまがたフィールド科学センターエコ農業部門(高坂農場、鶴岡市高坂)で栽培した酒造好適米「出羽燦々(さんさん)」を使い、地元の蔵元で醸したもの。試飲した人たちから「ふくよかな味わいなのに飲みやすい」と声が上がった。同大の鶴岡、小白川、飯田、米沢の各キャンパス内生協で販売され、売り上げの一部は学生支援基金に寄付される。
同学部の酒造りは大学のPRやイメージアップを狙いに2007年から始まった。高坂農場で栽培された出羽燦々を100%使い、地元の蔵元に醸造を依頼。11年から4年連続で鯉川酒造(庄内町余目、佐藤一良社長)が担当している。米は11年から特別栽培の認証を受け、農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下に抑えている。
8年目の今季は精米歩合50%の純米大吟醸酒として生酒650本、熱処理した火入れ酒1100本(いずれも720ミリリットル)の計1750本を限定販売する。
試飲会には大学の教職員や大学生協の関係者など約30人が出席。西澤学部長が「売り上げの一部は学生の支援基金に回る。ぜひ多くの方に買い求めてもらいたい」、鯉川酒造の佐藤社長が「農学部から寄せられた出羽燦々は高い品質で驚いた。皆さんの熱意と努力の結果、ほ場の土が醸成してきたのでは」とあいさつした。
続いて乾杯し、生酒と火入れ酒の両方を飲み比べ。「フルーティーな香り」「すっきりした味わいでおいしい」との声が広がった。高坂農場で水稲全般の栽培を担当している技術専門職員(農場耕種係)の佐久間拓也さん(34)は「肥料や水管理など試行錯誤と工夫を重ね、今回は自己採点でも満点の米ができた。喜んでもらえてとてもうれしい」と話していた。
「燦樹」は生酒、火入れ酒とも3日から同大各キャンパス内で販売を開始する。ともに価格は1本1700円(税込み、3月31日までの価格)。問い合わせは同学部企画広報室=電0235(28)2803=へ。
2014年(平成26年) 2月1日(土)付紙面より
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鶴岡市黒川地区の王祇祭(2月1、2日)を前に30日、山添高校(御舩明彦校長)の1年生たちが祭りの舞台となる同地区の春日神社で、除雪や境内清掃のボランティアを行った。
同校では2005年度から、1年生が総合学習で同じ櫛引地域内の黒川能(国指定重要無形民俗文化財)をテーマに年間を通じて体験学習を行っている。除雪ボランティアはその一環で毎年この時期に実施。今回は1年生22人が住民と一緒に作業に取り組んだ。
例年は神社西側の参道の石段が深さ50センチ前後の雪で覆われるが、今年は暖冬のため、ほとんど雪がない状態。生徒たちは、王祇祭で上、下両座の青年たちがご神体の「王祇様」を神社に運び入れる際、スムーズに入れるように、参道脇に雪を積み上げて土手状の道を作ったり、境内をほうきで掃き、落ち葉をかき集めるなどした。
1年生は昨春から、黒川能の役者から能の歴史の講話を聞いたのをはじめ、能面の見学、演能の鑑賞など、多角的に学習してきた。長堀孝道さん(15)は「同じ櫛引地域に住んでいるが、こんな大掛かりな祭りだとは知らなかった。誇りにできると思う」、小林恭葉さん(16)は「こういう歴史ある祭りを守り伝えていくのはとても良いことだと思う。特に能面についての学習は面白かった」とそれぞれ年間の学びを振り返り、感想を語った。