2015年(平成27年) 7月2日(木)付紙面より
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出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が1日、開山した。登山口の月山8合目付近では朝方、横殴りの雨であいにくの天気となったが、県内外から白装束などの参拝者が山頂を目指し、夏山シーズンに入った。
月山は、古くから祖霊が集まる信仰の山、また修験の山として信仰を集めた。月読命(つくよみのみこと)を祭る山頂の月山神社は昨年、20年に1度本殿を造り変える「月山神社式年遷座」が行われ、屋根部分を中心に修復。今シーズンからは新しくなった社殿で参拝客を迎える。
月山9合目の山小屋「仏生池小屋」主人の工藤純平さん(38)=鶴岡市羽黒町手向=によると、今年は例年より雪解けが早く、9合目と山頂近くの一部に雪渓が残るだけで、「7月中旬ぐらいの山の状況」。9合目付近は黄色のニッコウキスゲやミヤマガラシが見頃を迎え、ピンクのハクサンフウロも咲き始めたという。
この日は午前7時すぎから、白装束に身を包んだ信者や登山客、地元自治体の職員らが山頂を目指した。茨城県大子町から10人のグループで訪れた綿引久男さん(70)は「開山の日には毎年、『講』で町民たちが参加している。今年は風が強い。シラネアオイが見られて良かった」と話していた。
午前11時からは山頂の月山神社本宮で開山祭が行われ、祖先の冥福や五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などに祈りを込めた。