2015年(平成27年) 7月5日(日)付紙面より
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海岸沿いに森を育てることで良好な漁場環境を支えようと、鶴岡市油戸地区に設置されている「魚の森」で4日、地元住民や漁業者らのボランティアによる下草刈りと植樹作業が行われた。
魚の森は、油戸漁港南側の丘陵地約1・6ヘクタールに設定され、県の「魚の森づくりモデル事業」の指定を受け1997年度から3年かけて造成。住民たちがこれまでにクロマツやカシワ、ネムノキなど計約3000本を植樹し、ボランティア活動で下草刈りなどの作業を続けている。
この日の活動は、来年秋に庄内地域で開催される「第36回全国豊かな海づくり大会」の協賛事業として行われ、地元住民や県漁協女性部、漁業者、加茂水産高の生徒ら約90人が参加。ロープを張って12枚の大漁旗を飾った魚の森で、参加者が手分けして下草刈りとネムノキ、アキグミ、カシワの苗木計120本の植樹に汗を流した。
毎年参加している地元の漁協女性部の吉岡英さん(65)は「植えた木が成長してようやく緑が濃くなってきた。油戸の住民が一丸となって取り組んできた結果で、うれしく思う。海を豊かにしていくため今後も森づくり活動を続けていければ」と話していた。
約1時間の作業に引き続き、油戸海岸の砂浜では、ヒラメの稚魚1500匹を放流。同市三瀬の県栽培漁業センターで生産された稚魚で、地元の小学生たちも加わり、森と海の連環を学んだ。