2015年(平成27年) 7月9日(木)付紙面より
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庄内の夏の風物詩として親しまれている「なんぜんじ豆腐」作りが、庄内の各豆腐店で盛んに行われている。
なんぜんじ豆腐は半球状の形をしているのが特徴で、酒田市の南禅寺屋が元祖といわれている。南禅寺屋の祖先がお伊勢参りの途中で病気になり、路銀を使い果たしたため京都の南禅寺で住み込みで働いた。そこで丸く軟らかい豆腐に出合い、作り方を学んで庄内で「南禅寺豆腐」として売り始めたとされる。
鶴岡市泉町の「難波とうふ店」では、今年は孟宗(もうそう)シーズンが長かったため厚揚げの出荷で忙しく、例年より遅めの5月20日ごろから作り始めた。庄内独特の豆腐であるため庄内産大豆で作っているのがこだわり。現在は1日600個ほどを製造、梅雨明けのピーク時には1000個を出荷するという。
毎朝午前5時すぎから仕込みを始め、ベテラン従業員が直径7センチほどの専用の型枠に寄せ豆腐を入れていき、重しを載せて型枠から外す作業を繰り返す。創業85年を数える同店3代目の難波亨代表(58)は「地元産大豆を使ったこくや味のまろやかさ、つるっとした喉越しが自慢。これから暑くなる日にぜひ食べてほしい」と話していた。
同店のなんぜんじ豆腐は1個80円。店頭販売もしており、販売は午前10時から午後5時ごろまで。