2015年(平成27年) 12月27日(日)付紙面より
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日本政策金融公庫が全国の高校生を対象に募集した「第3回高校生ビジネスプラン・グランプリ」で、県立酒田光陵高校商業科2年生有志7人によるプラン「酒田光陵高校の力で“共生のまち”酒田をつくる!」がベスト100に入選。表彰式が25日、同校で行われ、同公庫酒田支店の武士俣友生支店長が賞状を手渡し、「コンセプトが素晴らしい」とたたえた。
活力ある日本づくりにつなげるため、高校生の起業教育推進を目的に同公庫が一昨年から実施しているコンテスト。3回目の今年は、全国各地の264校から、昨年より約600件多い2333件がエントリー。審査の結果、同校商業科有志によるプランは、最終選考に進出する10プランを含めたベスト100に選ばれた。本県からは今回、唯一のベスト100入りで、同支店管内(庄内地域)では2年連続の受賞。
今回構築したプラン「―“共生のまち”酒田をつくる!」は、授産施設で製造される、菓子を中心とした商品に生徒たちが付加価値を付けるなど販売をサポートし、障害者の賃金アップを図るというもの。具体的には、工業科の生徒から市公認キャラクター「あののん」「もしぇのん」の焼き型を製作してもらい、施設で製造したクッキー、マドレーヌ、シフォンケーキといった菓子に押す。「ご当地」「地域限定」というプレミアム感を前面に出して販売することで、3年後に売上高1億4600万円、純利益1960万円を目指す。
今年4月から放課後などを利用して練ってきたほか、締め切り前の同10月上旬には同支店の大友憲政融資課長らが同校を訪問して助言。それを受け、手直しをするなどして構築した。この間、同校工業科2年の青塚達也君(17)がCAD(コンピューター利用設計システム)を用い、約1カ月かけて真ちゅう製焼き型を製作。商業科有志代表を務める齋藤望美さん(17)は「計画を立てるのは簡単だったが、このプランが実現した場合の収支を出すところに苦労した。考えれば、考えるほど収拾がつかなくなった」と笑う。
この日は、武士俣支店長、大友課長が同校を訪問。同校の阿部進校長、庄司豊教頭らが見守る中、武士俣支店長が齋藤さんに賞状を手渡し、「地域貢献、障害者の賃金アップというコンセプトがよくできている。科を横断してやるというのも評価の一つ。これを機にさらに勉学に励んで」と激励。齋藤さんは「誰かのためになるということにうれしさを感じる。実際に活動を展開し、地域活性化にひと役買いたい」と述べた。
同校によると、今回のプランには今後、同校情報科も「パッケージデザイン」製作で参加する。キャラクター使用に関して市の承諾を受けた段階で、実際に商品展開する予定という。