2016年(平成28年) 10月18日(火)付紙面より
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学校は閉校するけど、私たちのふるさとはずっと加茂です―。来春に大山小と統合する鶴岡市立加茂小学校(樋坂聡校長、児童41人)の閉校式と思い出を語る会が16日、同校で行われた。在校生や地域住民ら約400人が出席し、思い出がたくさん詰まった学びやに感謝を込め、オリジナルの歌を披露した。
加茂小は1874(明治7)年創立の明文、勧善両学校が前身。昭和30年代前半には1000人を超す児童が在席したものの、年々減少。複式学級解消を目指す市教育委員会の計画に伴い来年3月に閉校し、142年にわたる歴史に幕を下ろすことになった。
閉校式では、加藤忍市教育長が閉校を宣言し、山本益生副市長が榎本政規市長の式辞を代読し、「加茂小の歴史と伝統は地域の人々の心にしっかり残り、市の歴史にもしっかりと刻まれる」と述べた。
樋坂校長はあいさつで、遠泳やヨット教室、竹馬運動会など地域の協力で進められた特色ある伝統の学校行事を紹介しながら「人を人として育て上げるのが加茂小の一貫した教育方針。地域の力強い支援は、教師冥利(みょうり)に尽き、加茂小でなければできない教育を体験している。残り5カ月、輝く未来につなげる統合となるよう努める」、児童代表の田澤健太郎さん(6年)は「この地に生まれ、加茂小で学べて本当に良かった。閉校しても加茂小は僕たちの心の中でずっと輝き続けます」と述べた。
引き続き、児童たちが歌声でつづる「思い出を語る会」を開催。1972(昭和47)年に作られ、当時歌われた「われらの加茂小」など4つのオリジナル曲を披露した。各学年やPTA、地域代表らの思い出の発表に感極まって涙を流す出席者が相次ぎ、最後は、閉校を前に子どもたちの詞に樋坂校長が曲を付けた「大好きな加茂」を、児童と卒業生、保護者らで大合唱した。