2018年(平成30年) 8月29日(水)付紙面より
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県が土地改良事業の一環として遊佐町小原田で整備を進めていた「平津小水力発電所」が完成し27日、竣工(しゅんこう)式が現地で行われた。月光川土地改良区(同町遊佐、石垣敏勝理事長)の申請に基づいて県が整備、完成した施設を県から譲与された同土地改良区が管理・運営を担っており、先月30日から稼働している。最大出力は60・1キロワットで、全量を東北電力に売電する。
東日本大震災を踏まえて県が2012年に策定した県エネルギー戦略に基づき、再生可能エネルギーの普及を図る一環で14年度から建設を進めてきた。県営土地改良事業として農業用水路を使用する小水力発電所を県が整備、完成後は譲与を受けた同土地改良区が維持管理を担う事業スキーム。
今回は、月光川の頭首工から取水する「月光川左岸幹線用水路」の流下水を利用し、年間発電量は一般家庭110戸分に相当する363メガワット時を見込んでいる。総事業費は3億900万円で、国と県、町が計85%、同土地改良区が15%負担する。
同土地改良区では10年ほどで負担金を返済。その後は売電分を農業用水路の維持・管理費などに充当し、農業者の負担軽減を図る方針。この日は神事に続き石垣理事長、時田博機遊佐町長ら5人が通電スイッチを押して竣工を祝った。石垣理事長は「年間1300万円ほどの売電を見込んでいる。農業者負担の軽減を図っていきたい」と話した。
一方、同様の事業スキームで酒田市福山に完成し、日向川土地改良区が管理・運営する「日向川小水力発電所」は今月31日(金)に竣工式が行われる。県庄内総合支庁農村整備課によると、同発電所も既に稼働中という。