2018年(平成30年) 5月9日(水)付紙面より
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国内唯一のユネスコ食文化創造都市に認定されている鶴岡市は本年度、新たに料理人などの人材育成制度を創設した。市内の料理人らが自発的に取り組む技術・技能の高度化に関する研修への補助金交付や、ユネスコ創造都市ネットワークなどからの要請に応じた料理人の海外研修派遣を通じ、鶴岡の食の魅力を高め国内外に広く発信していく。地元の料理人を対象に自治体が独自で人材育成に乗り出すケースは全国的にも極めて珍しいという。
食事を提供する側の地元料理人の技術向上、人材のレベルアップを図り、観光誘客や食関連産業の振興につなげる目的で制度化。
研修に関する補助金交付は、資格取得や国内外のコンクール参加、国内外で先進的な取り組みを行っているレストランでの研修やセミナー参加、料理人の招聘(しょうへい)などを対象とし、実施内容によって補助対象の2分の1から3分の2、上限5万円―30万円を補助する。本年度分として150万円を予算化している。
料理人派遣は、鶴岡食文化創造都市推進協議会の事業として実施し205万円を措置した。市がユネスコ創造都市ネットワークに加盟後、食文化分野にとどまらず世界各地の多様な分野の加盟都市からイベントなどへの料理人の派遣要請があるため、世界の料理人との交流促進も目的に制度を創設した。
具体的には地元の料理人から人材バンクの「料理人ネットワーク」に登録してもらった上で、派遣要請に応じて登録者に情報提供し、希望者を募り派遣する。現地までの移動経費や宿泊費、食材費と輸送費、通訳の費用など同協議会が必要と認めた経費について、協議会が負担する。市によると、昨年度は海外から10件程度の派遣要請があり、本年度も既にイタリアやスウェーデンの食文化分野の加盟都市のほか、ポーランドの文学分野の加盟都市など5件の派遣要請があるという。
市は、こうした人材育成制度を活用した料理人から、研修や派遣で得た知識や経験を市民に還元してもらう取り組みも計画。料理人らが自らの飲食店などで、成果を市民に披露する活動を行う場合の広告宣伝費の支援も制度の中に盛り込んでいる。市食文化創造都市推進課の担当者は「自治体が料理人を直接支援する制度は全国的に珍しく、国内唯一の食文化創造都市の鶴岡ならではの取り組みとして制度化した。こうした取り組みが、各地の料理人や料理を学びたいという人が鶴岡に集うきっかけにもなれば」と話している。
2018年(平成30年) 5月9日(水)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)で今年3月に生まれたゴマフアザラシの雄の赤ちゃんの名前が7日、「しょうへい」に決まった。来館者の応募などから、今季から米プロ野球大リーグで活躍している大谷翔平選手にちなんだ名前が選ばれた。
しょうへいは3月21日生まれ。同水族館で生まれた久しぶりの男の子で、4月中旬までには離乳して体を覆っていた産毛も抜け落ち、5月に入ると魚を食べるようになり順調に育っているという。名前の応募は5月6日まで1カ月間行い、2512通が寄せられた。12通が「翔平」「しょうへい」「ショウヘイ」で、「大谷翔平選手のようにたくましく育ってほしい」などの命名理由だったという。
奥泉館長は「日本を飛び出し世界で活躍する大谷選手にあやかり、応援とこれからの大活躍に期待を込めて」とコメントしている。