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2019年(令和1年) 12月20日(金)付紙面より

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きやり保存会 創立25周年祝い「采配」振る

 酒田市に400年近く前から伝わる「きやり唄」の保存伝承を担っている「酒田きやり保存会」=会長・上林直樹上林鉄工所社長(71)=の創立25周年記念祝賀会が18日、同市のベルナール酒田で開かれ、会員たちが港町・酒田を象徴する文化として継承していく決意を新たにした。

 きやり唄(木遣り、木やり)はもともと、木材など重いものを運ぶときに歌う歌で、家の地固めや祭礼の山車を引くときにも歌われるようになった。伊勢神宮式年遷宮でご神木を引くときに歌われた「木曳唄」の流れをくみ、約1300年の歴史があるともいわれる。

酒田では、江戸初期の慶長14(1609)年から一度も欠かさず続けられている山王祭(現・酒田まつり)で山車を引くときに歌われ、現在は山車行列の先頭に立って要所で歌い、同まつりを象徴する存在となっている。上林会長によると、最古の文献としては、寛永14(1637)年に歌われた記録があるという。

 山王祭できやりを歌う団体は約30年前まで、豪商・本間光丘が寄進した山車「亀笠鉾」を引く酒田青年会議所と、清酒「初孫」の東北銘醸の2団体があり、歌詞の内容や節回しも微妙に違っていた。しかし、酒田大火(1976年)の復興を祝う78年の同祭の時、一つに統合しようという機運が盛り上がり、酒田青年会議所のメンバーが、東北銘醸社員で同社のきやりのリーダーだった故・戸田富蔵さんから習う形で、現在に伝わるきやりを歌うようになった。同社のきやりの方が正調を受け継ぐとみられたため。その後、保存・継承の基盤を安定化させようと1994年、保存会を設立、上林さんが会長に就任した。現会員は21人。

 祝賀会には、衆院議員の加藤鮎子環境大臣政務官や丸山至市長、市議らの来賓、酒田まつりに関わる関係者ら約90人が出席。上林会長はあいさつで、酒田のきやりの歴史を紹介した上で、「山王祭が続く限り、一生懸命に歌い続ける」と新たな決意を述べた。

 その後、上林会長をはじめ保存会のメンバー16人がそろいの浴衣に法被姿で、房に柄が付いた「采配」を手に登壇。「ドードコ ドー ホエー」と勇ましい掛け声で始まる「きやり音頭」と「祝い唄」の2曲を披露した。要所で全員が采配を振って上げる姿に、出席者は港町・酒田の歴史に思いをはせるように見入っていた。上林会長は「港町酒田を象徴する文化の一つ。全国に同じようなきやりが伝わっており、そうしたまちとの友好を広げながら、酒田の発展を願い、廃れないように歌い続けていく」とあらためてきやりへの思いを語った。

祝賀会できやり唄を歌った保存会メンバーたち
祝賀会できやり唄を歌った保存会メンバーたち


2019年(令和1年) 12月20日(金)付紙面より

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地震からの復興 温海を元気に

 旬の食材をふんだんに盛り込んだメニューや、温泉入浴などで冬の温海をお得に楽しむ恒例企画「温海旬御膳?冬のごっつぉめぐり」の予約が始まった。来月17日(金)から約1カ月半のキャンペーン期間中、温泉旅館や飲食店が客を呼び込み、6月の本県沖地震被害から立ち上がろうとする温海を活気づける。予約先着500人に、パックライス「あつみの米」プレゼントもある。

 同企画は、温海地域の特色ある山海の食を提供して冬季の誘客を図り、温海地域をPRしようと、あつみ観光協会(若松邦彦会長)などの呼び掛けで2009年から毎年この時期に実施。今回はあつみ温泉、鼠ケ関の各地区から旅館などの宿泊施設、すし屋、カフェといった計12施設が参加。料金は各施設で異なり、3000―5000円。温泉旅館は日帰り入浴もセットとなる。

 提供御膳の内容は各施設が創意工夫を凝らしたものばかり。こだわりの刺し身とマタギ鍋でもてなすたちばなや(5000円)、カニ尽くしの鮨処朝日屋(同)、アンコウ鍋とフグ刺しの寿司割烹雅(3000円)などバリエーション豊かだ。

 このうち、かしわや旅館では、寒鱈のあら汁にスズキの柚庵焼き、お刺し身3点盛りといった海の幸をはじめ、一霞産の自家製赤カブ漬け、庄内産ひとめぼれのみそ弁慶おにぎり、ポテトコロッケ、アサツキの小鉢、あつみ牛乳を使った嶺岡豆腐や同旅館名物のシフォンケーキも付く。温泉入浴付きで3000円。同旅館を営む齋藤武大さん(38)は、「どの施設もお得。温海の知られざる名店を気軽に利用してもらいたい」。

 温海旬御膳は参加施設によって利用時間が異なる。利用の3日前までの予約が必要。あつみ観光協会のHPで各施設のお品書きを順次更新する。問い合わせは同観光協会=電0235(43)3547=へ。

かしわや旅館で提供される旬御膳
かしわや旅館で提供される旬御膳



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