2019年(令和1年) 8月1日(木)付紙面より
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学校教職員の負担軽減が社会的な課題となる中、鶴岡地区医師会と鶴岡市教育委員会は30日、市内の小中学校教職員の心身の健康管理に関する連携協定を締結した。教職員が心理的負担を過度に蓄積しないよう、資格を有する産業医の面接指導を受けられるようにし、心身の健康の保持・増進につなげていく。
労働安全衛生法では、50人以上の事業所には産業医を配置することが義務付けられているが、全国の公立学校の教職員は50人未満が多く、産業医の配置はほとんどない状況。教職員の健康管理が手薄な上、課外活動など業務量が多く、長時間労働が常態化。保護者との対応などストレスも多いため、うつ病など精神疾患で休職する人が増え、負担軽減が全国的な課題となっている。
今回の協定は、昨秋から県医師会(中目千之会長)が主導し、県内の各地区医師会を通じ、各市町村に呼び掛ける中で実現した。今年3月の酒田市、5月の米沢市に次いで、鶴岡市が3件目の協定締結となる。公立の小中学校に産業医を配置する取り組みは、全国的にも先進的な事例という。
鶴岡市教委は昨年度から約750人の教職員のストレスチェックの取り組みをスタート。昨年度は624人が厚生労働省基準の項目を使ってチェックを受け、このうち30人(4・8%)が高ストレスと判定され、希望者が医師の面接指導を受けるなどしたという。
本年度も9月にストレスチェックを実施。高ストレスと判定された教職員の希望に基づき産業医が面接指導を行い、必要があれば専門医の受診につなげる。2020年度以降は、産業医による面接指導を長時間勤務者も受けられるよう体制を整えていく。
協定締結式が市櫛引庁舎で行われ、鶴岡地区医師会の土田兼史会長と市教委の布川敦教育長が協定書に署名した。土田会長は「協定締結がゴールでなくスタート。血の通ったサポート体制を構築する」、布川教育長は「先月の市招集校長会で、中目県医師会長から講話を頂き、教職員のメンタルヘルス支援体制の重要性について、共通認識を深めた。地区医師会の協力で、教職員が心理的負担を過度に蓄積せずに自信と誇りを持って教育活動を行うことで、子どもたちの健全育成につながることを期待する」とあいさつした。
2019年(令和1年) 8月1日(木)付紙面より
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米国マサチューセッツ州ケープコッドの中学生たちが29日―8月4日の6泊7日の日程で酒田市に滞在し、市内の中高校生宅へのホームステイや日本の伝統文化の体験を通じ交流している。31日には市役所を表敬訪問し、丸山至市長と懇談した。
ケープコッドとの関わりは、1995年度に旧松山中(現東部中)に赴任していたALT(外国語指導助手)の紹介で松山中の生徒がケープコッドのハーウィッチ町にあるケープコッド・ライトハウス・チャータースクール(CCLCS)を訪問したのがきっかけ。99年に両校は姉妹校の盟約を締結。両校の生徒はほぼ隔年で相互に行き来し、昨年度から酒田側の交流対象は市内全域の中学生に拡大して継続している。
今回訪れたのは、CCLCS内で選抜された13、14歳の生徒8人と教師2人の計10人。米国側からの訪問は2017年以来で、訪問した生徒の累計は今回を含め97人となった。
一行は31日、昨年度に酒田側から米国を訪問し、今回ホームステイの受け入れ先になっている中高校生たちと一緒に市役所を訪問。丸山市長は「酒田は、海の港と空の港があり、外国に開かれたまち。地元の子どもたちとさまざまな文化体験などを通じ、交流を深めることに期待している」と歓迎のあいさつ。引率教員で、17年に続き2回目の酒田訪問というチャリス・クレマさんは「20年以上にわたり友情が深まっていることをうれしく思う」とあいさつ。生徒たちも「会った人たちみんなが優しくしてくれる」「美しいまちで、温かい歓迎に感謝」「すし作りが楽しみ」「浴衣で花火大会に行くのが楽しみ」など、酒田の印象や楽しみにしている滞在中の企画を語った。
一行は同日午後に箏演奏、8月1日は最上川舟下り、生菓子作り、2日は東部中での交流、甲冑(かっちゅう)着付けなどの体験を予定している。