2020年(令和2年) 10月20日(火)付紙面より
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酒田市の県立酒田東高校(五十嵐文彦校長、生徒555人)の創立100周年記念式典・講演会が17日、同市の希望ホールで行われ、これまで培ってきた歴史を踏まえ、新たな一歩を踏み出す決意を新たにした。
同校の前身、酒田中学琢成校は1879(明治12)年に開校したが、4年後に災禍で校舎が焼失して休校。1920(大正9)年に県立酒田中学として現在まで続く歴史が始まった。県内屈指の進学校として名をはせ、生徒たちは教育目標「質実剛健」「文武両道」の実現に向けて主体的な学び「知」、豊かで深い心「情」、強い意志「意」、体力気力の充実「力」の4つの要素の習得に励んでいる。
式典は3密を配慮しながら行われた。100周年記念事業実行委員長を務める山岸文章同窓会長が「ボーイズ・ビー・アンビシャスの校風を受け継ぎ、文武両道、質実剛健、社会に貢献できる有為な人物になるよう人間力を養ってほしい」とあいさつ、五十嵐校長は「皆さんは歴史と伝統の一番新しいところにいる。今できることをやることで新しい酒田東高校の伝統を未来につないでほしい」と式辞を述べた。前生徒会長の齋藤汰朗さん(3年)は「蕉風俳諧の理念である不易流行の精神で、本質的なものを忘れない中にも新しい変化を取り入れていきたい」と語った。
式典に続いて、バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリストの有森裕子さんが「喜びを力に」と題して記念講演。自身の生い立ちや陸上競技への取り組みを話し、「自分は何を求めているのか、どうなりたいのかを行動に移し、発信し続ければ道は拓(ひら)ける」と生徒に語り掛け、創立100周年に花を添えた。