2020年(令和2年) 6月6日(土)付紙面より
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販売方法を応募による抽選方式に切り替えた鶴岡市発行のプレミアム付き飲食券は、今週末に予定する第1回抽選を前に購入希望の応募人数が全市民の4割相当となる約4万9000人に上っていることが分かった。1回目の抽選に割り当てられる飲食券は8000セットで、1人3セットまで購入できることから当選者は2800人程度と見込まれ、1回目の当選倍率は約18倍と実際の購入には極めて“狭き門”となっている。
1セット6000円分の飲食券(500円券12枚つづり)を半額の3000円で、計3万1333セット販売する事業。ドライブスルー方式で5月23日、市小真木原公園駐車場で販売を行ったが大渋滞となり、対面販売を中止し、応募方式に変更した。
今後の販売セット数は、ドライブスルーによる販売分7154セットを除いた2万4179セット。これを約8000セットずつ3回に分けて抽選し、当選者を決める。抽選は6月2、16、30日までにそれぞれ受け付けた分を対象に行い、当選しない場合は自動的に次の抽選対象となる。全体でも当選者は8500人程度と想定され、1回目抽選分の応募人数だけで見ても倍率は6倍ほどの高倍率といえる。
1回目の抽選は今週末に予定され、応募者全員のリストを基にコンピューターによる無作為抽選で当選者を決定。週明けに当選者に通知はがきを郵送し、「当選はがき」を持参の上、指定の場所で飲食券を購入してもらう。購入時には本人の身分証(運転免許証など)が必要で、当選はがきにある委任状による代理人の購入もできる。
抽選は2回目が今月20日ごろ、3回目が7月4日ごろを見込み、応募は今月30日まで受け付ける。ドライブスルー方式で購入した人は応募できない。
飲食券が使用できる店舗は市内の約480店舗に上っている。使用期間は9月末まで。問い合わせは市商工課=電0235(25)2111=へ。
2020年(令和2年) 6月6日(土)付紙面より
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「無印良品」の良品計画(東京都、松崎暁社長)と酒田市が締結した「地域発展を目指すパートナーシップ協定」に基づく、地域活性化に向けた同社の取り組み「酒田プロジェクト」が4日、同市八幡地域でスタートした。第1弾は少子高齢化が急激に進行する中山間地域における同社商品の移動販売。日用品を積んだ軽トラックが日向、大沢両地区を巡回し大勢の市民が買い求めた。同社にとって移動販売は初の試みという。
市によると、良品計画との関係は4年ほど前、市が企業誘致の一環で出店を働き掛けたのがきっかけ。昨年7月、連携・協働して▽住民の暮らしに役立ち、地域を活性化するためのプランニング▽地域の潜在的な公共空間を地域コミュニティーの場に再生するプロジェクト▽子育てや次世代育成支援▽地域資源を活用して産業を振興するプロジェクト―などに取り組むため協定を締結。翌8月にかけ社員約20人が市内で社内研修を行い、地域資源や連携の在り方などを調査した上で、今回の移動販売を含め、さまざまなアイデアを市に提案した。
市は本年度、中山間地域活力向上事業を展開。「感じ良いくらし」の実現を目指し人と人、人と自然、人と社会をつなぐ取り組みを繰り広げている同社が事業委託を受けて「酒田プロジェクト」を立ち上げた。
移動販売用軽トラックのハンドルを握るのは、昨年の社内研修でアイデアを出した若手社員の松本菜乃花さん。今年3月末に八幡地域に移住し、これまで日向コミュニティセンター内に同社が開設した「くらしラボ酒田」を拠点に準備を進めてきた。
初日は午前9時半に大台野集落で店開きした後、升田公民館、日向コミュニティセンター、青沢克雪管理センター、大沢コミセンなど計12カ所で化粧品や洗面用品、文房具といった同社が扱う日用品約150品目を販売した。松本さんは「昨年の研修中に酒田の自然や温かい人柄に触れ、プロジェクトへの参加を希望した。買い物に来てくれた人たちと話せるのが楽しい。移動販売が集いの場になれば」と話した。
移動販売車の運行は原則木、金曜の週2回で、木曜は日向、大沢地区、金曜は観音寺、一條地区の公民館やコミセン、児童公園などで「店開き」。滞在時間は各所とも20―30分ほど。回り切れなかったり、多くの人が来たため購入できなかった場合、土曜に訪問することもある。現在は日用品のみの取り扱いだが、農産物や総菜などの食料品も検討するという。
市によると、同社アプリ「MUJI passport」で、くらしラボ酒田の活動、酒田の魅力を広く発信するという。