2022年(令和4年) 3月26日(土)付紙面より
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24日に酒田市内で開催された酒田商工会議所(弦巻伸会頭)の通常議員総会の席上、常議員・議員から今月末で事務局長はじめ管理職が定年を待たずに退職することを含め事務局の体制・運営について疑問視する声が相次いだ。正職員10人のうち休職を含め半数が離職する形となり新年度以降、通常の体制を構築できるかは不透明だ。
酒田商議所が同日発表した4月1日付の人事異動内示によると、事務局長と経営相談課長、主事の計3人が今月末で退職。これに加えて現在、2人が休職している。うち1人は心労が原因で、「医師の指導による休業。本人は『早い時期に勤務に復帰したい』と言っている」(弦巻会頭)という。
これらの退職・休職は、商工会議所法で「置く」と規定されている専務理事が約2年にわたって空席だった上、新産業会館建設、コロナ禍における支援など大規模事業を抱え、事務方の負担が増えたことが要因とみられる。総会では、常議員・議員が「事務局の業務量を把握しているのか」「管理職の残業が多くなっているのでは」「心の病を抱える人が出るのは異常」などと指摘。状況について弦巻会頭は「ITの活用で省力化を進めてきた。管理職に業務が偏らないよう、合理的な人員配置をする」と改善する意向を示した。
異動内示では、役員の刷新を図り、専務理事に元理事・事務局長、事務局長に酒田観光物産協会出向中の元経営相談課長の就任も合わせ発表された。退職する管理職の1人は「成長させてもらった商議所の仕事にはやりがいがあった。新産業会館建設、コロナ禍における支援で業務のボリュームが増していった。専務理事不在の2年間、参与やアドバイザーからは事務方に寄り添っていただいた。心の支えになってもらい感謝。迷惑を掛けるが、理解をお願いしたい」と述べた。
酒田商工会議所の通常議員総会が24日、酒田市中町二丁目の酒田産業会館まちなかホールで開かれ、2022年度関係予算など5議案を原案通り承認した。前任者の辞任に伴う新副会頭に加藤聡氏(59)=加藤総業代表取締役社長=を選任。同じく前任者の辞任で2020年6月から空席となっていた専務理事に、理事・事務局長などを歴任した加藤俊一氏(66)が就いた。
22年度事業計画では▽意見活動▽産業振興対策▽基盤整備対策▽観光振興対策▽会員サービス事業の充実―の5項目を重点事業として掲げ、具体的には▽新型コロナウイルスへの対応▽昨年に閉店したマリーン5清水屋への対応を含む中心市街地の振興▽新庄酒田道路の整備促進・石巻新庄道路の早期整備着手に向けた要望活動の展開▽新しくなった産業会館の利活用の推進・維持管理運営▽インバウンド・アウトバウンドの取り組みへの協力―などを行う。
総会の席上、永年在任の役員、議員を表彰した。
受賞者は次の通り。
▽日本商工会議所会頭表彰(在任20年以上)=加藤聡(常議員)中山一(議員)▽酒田商工会議所会頭表彰(在任25年以上)=菅原靖(常議員)▽同(同10年以上)=渡部佐界(常議員)青山武(同)齋藤博紀(同)井上義裕(同)林浩一郎(同)酒井学(議員)日向信之(同)齋藤英輔(同)
▽同(勤続20年以上)=阿部智(係長)