2022年(令和4年) 3月27日(日)付紙面より
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スポーツ用品大手のゴールドウイン(東京、渡辺貴生社長)は24日、東京都内で事業戦略発表会を開き、鶴岡市のバイオベンチャー・スパイバー(関山和秀代表執行役)が開発した構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を使ったデニムやフリースの新製品を披露した。環境に配慮した新プロジェクト「Goldwin0(ゼロ)」の展開の一環で、9月の市販開始を予定している。
プロジェクトは、地球環境への配慮を打ち出したゴールドウインの中期経営計画に基づくもので、化石資源や動物素材に依存しない植物由来の糖類を主原料に、微生物による発酵過程で生産されるブリュード・プロテイン素材を、同プロジェクトの製品に多く使用する。アウトドアジャケットなども含め秋冬物20種類を全国のゴールドウイン直営店などで販売する計画。
発表会では渡辺社長、関山代表執行役らによるパネルディスカッションも行われた。ブリュード・プロテイン素材を使った製品について、渡辺社長は「化石資源に頼らない植物由来の素材は海洋・土壌分解性もあり、新しい素材として世界に伝える意義がある。製品は満足できるレベルであり、素晴らしい出来だ。ファー(毛皮)製品にも今後活用したい」と評価。関山代表執行役は「持続可能な社会に向け、植物由来の糖類だけでなく、廃棄や焼却されているコットンなどの天然素材の既製品も回収して糖に分解して微生物の発酵に活用したい。時間を掛けて世の中に循環型の流れを普及させていきたい」と展望した。
両社はブリュード・プロテイン素材を使った製品としてこれまで、Tシャツ、アウトドアジャケット、セーターを販売しており、今回が第4弾となる。
各製品の価格は未定だが、ゴールドウインが展開するブランド「ザ・ノース・フェイス」と同程度を予定。ジャケットは1着15万円程度を想定しているという。