2022年(令和4年) 12月6日(火)付紙面より
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酒田市の歴史・文化について若者・外国人から学んでもらうきっかけづくりに向け、同市の観光地域づくり法人・酒田DMO(荒井朋之理事長)は、平田牧場(同市みずほ二丁目、新田嘉七社長)が手掛ける「サステナブルポーク」などを用いて新たに開発したハンバーガー「サステナブルバーガー」を市内の観光施設で提供するツアーの造成に着手。モニターツアーが3、4の両日、「舞娘(まいこ)茶屋 相馬樓」と「山王くらぶ」で行われ、参加した市民が施設に関する知識を深めるとともに、ハンバーガーなどに舌鼓を打った。
市中期観光戦略アクションプログラムに基づき今年6月に設立した酒田DMOは、観光関連団体・観光事業者と連携体制を構築して観光ニーズに対応するとともに、新たな観光誘客の推進による地域経済の循環に取り組むもので、観光動向調査、観光客の特性など収集したデータに基づく観光コンテンツの構築、観光プロモーションの実施、情報発信を展開。同8月には観光庁の候補DMOに登録された。
酒田の歴史・文化を若い世代から引き継いでもらうとともに、インバウンド誘客に向けて酒田DMOは今回、観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品創出事業」を活用し、相馬樓、山王くらぶ、平田牧場と共に、北前船の往来で栄えた酒田の料亭文化を積極的にアピールしようと、若者や外国人に人気が高いハンバーガーを両施設で提供するツアーの造成を企画した。
持続可能を意味する「サステナブル」を冠したハンバーガーは、飼料用米で育てられた「平牧金華豚」のパティとベーコン、田村牛乳(同市)のモッツァレラチーズ、地元産野菜を、しょうゆの実を練り込んだバンズで挟んだもの。付け合わせとしてズイキイモ、サトイモ、サツマイモのフライ、藤沢カブなどのピクルス、飲み物として緑茶をベースにオレンジやイチゴなどを入れたフルーツグリーンティーをセットにしている。
モニターツアーは両日とも午前・午後の計4回実施し、市民約20人が参加。参加者は館内見学、サステナブルバーガーの動画視聴の後、実食。口々に「『おいしい』としか言葉が出てこない」「全ての食材が重なり合い、おいしさを醸し出している」などと話しながら、じっくりと味わっていた。
酒田DMO総務企画グループの殿塚悠平さんは「ハンバーガーをきっかけとし、若者・外国人から酒田の歴史や文化について理解を深めてもらえたら」と。今回のモニターツアー参加者の意見を踏まえた上、来年4月以降のツアー販売開始を見込んでいる。