2022年(令和4年) 12月27日(火)付紙面より
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9月から12月まで約3カ月にわたり行われた第17回鶴岡市芸術祭の「閉幕のつどい」が24日、東京第一ホテル鶴岡で開かれた。各受賞団体を表彰するとともに、記念公演や祝宴で本年度の芸術祭の成功を関係者が祝った。
市芸術祭は新市発足を機に、2006年度に旧6市町村の各芸術文化団体と市教委の主催で新たにスタートした。17回目の本年度は9月4日に開幕。今月3日まで44団体による35公演・展示が行われた。
受賞公演のうち最高賞の芸術祭大賞には鶴岡放送児童合唱団(伴和香子代表)の定期演奏会「みんなの音楽会」が輝いた。また、準大賞は鶴岡市合同短歌会実行委員会の「第60回鶴岡市合同短歌会」、優秀賞は▽如月会水墨画展(如月会)▽ステンドグラス“光彩”作品展(ステンドグラス“光彩”)▽宝生流観世流合同謡曲大会(宝生流鶴岡五雲会、庄内謡曲愛好会)―の3公演がそれぞれ選ばれた。
閉幕のつどいには市芸術文化協会の役員や会員、来賓など100人余りが出席。初めに芸術祭賞授賞式が行われ、布川敦市教育長が各団体の代表者へ表彰状などを手渡した。続いて市芸文協の東山昭子会長が「今年も各団体の公演や展示が、鶴岡市の広い空間の中にさまざまな素晴らしい芸術文化の花を開かせてくれた。地域住民と温かな、そして確かな絆を結んでくれたことに感謝したい」とあいさつした。
来賓祝辞に続き、受賞者を代表して大賞を受賞した鶴岡放送児童合唱団の伴代表が「コロナ禍で子どもたちの活動は何度も中断された。歌えない、集まれないというジレンマの中、団員と指導者、保護者は『やれる時にやれることを』を合言葉に活動を進めてきた。いろいろな制限に苦しんだ子どもたちの演奏を高く評価して頂いたことに深く感謝する」と謝辞を述べた。
その後の記念公演では、鶴岡放送児童合唱団の団員がステージ上であまんきみこさんの絵本を題材にした「ちいちゃんのかげおくり」(ダイジェスト版)と、信長貴富さん作曲「夕焼け」の2曲を披露し、出席者から大きな拍手が送られた
2022年(令和4年) 12月27日(火)付紙面より
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バスケットボールのウインターカップ(第75回全国高校選手権)は25日、2回戦が行われ、男子の羽黒(5年連続6回目出場)は八王子学園八王子(東京第1代表)に86―84で勝った。スコアは小差だが、激戦の東京(出場3チーム)をトップ通過してきた相手に一度もリードを許さない快勝だった。同校としては2018年以来4年ぶり2度目の大会2勝(16強入り)となった。3回戦(26日)は優勝候補の一角、洛南(京都第1代表)と対戦した。
▽2回戦
22―16 八王子
羽 黒86 24―20 84学園八
23―18 王子
17―30 (東京)
高橋、山岸 立ち向かう
長身の留学生エースを徹底マーク
堂々の戦いぶりだった。試合終了直後、羽黒ベンチは抱き合って沸き立ち、加藤律輝主将(3年)は2階スタンド席の部員・父母らマスク越しの歓呼と拍手に力強いガッツポーズで応えた。
スタートダッシュを利かせた。初戦(23日)の四日市メリノール学院(三重)戦は出だし、もたついた。これを反省するように相手エースでセネガル人留学生ンジャイ・ムハマドゥ・ムスタファ(3年)を最初から徹底マークした。長身2メートル05のムスタファ選手の前に後ろにさらに脇から体を入れ、思うようなプレーをさせなかった。パスが回らないことで相手は次第に焦ってきた。
「今日の殊勲賞ですよ。本当に粘り強く対応してくれた」と齋藤仁監督(49)に称賛されたのはマークした高橋燦璃(きらり)(3年)だ。1メートル83で22センチ差あったが体幹の強さで立ち向かった。「競り合いでは絶対負けない。強い気持ちでやり抜けた」と顔を紅潮させた。第1クオーター(Q)早々に3ポイントシュート(3P)を2回続けて成功させ、自らもチームも勢いづけた。遊佐中出身で「県の一番強いチームで、全国レベルのバスケを体験したい」と羽黒に入学。最終学年で超高校級の相手エースを抑えたことは大きな自信になる。
36点は記録したが、しつこいほどのマークにムスタファは露骨に不機嫌な表情を見せた。試合後の問い掛けにも「ノー」と言ったきり首を横に振った。高橋との交代で1メートル88の1年生・山岸大夢にも食い下がられた。
近藤 小気味良く3P7本
羽黒では近藤蒼(3年)も乗ってきた。チームが怪しいムードになった時に、交代出場し、流れを変える存在だが、この日はフル出場した。実際、相手が点差を詰め寄ってきた時に、小気味良く3Pを決めた。最終的には合計7本。「自分の役割は分かっている。いつも意識している」と心強い。初戦でも延長後、効果的な3Pを放つなど2試合続けての仕事人ぶりだ。
4年ぶりに先輩に並んだ。加藤主将は「みんなが自分の持ち場をきっちり果たしてくれたのが良かった」と喜んだ。それでもこの日の戦いを10点満点で「5」とした。「後半追い上げられましたから。全国8強の目標は全員で共有してきた。満点への残り5点はこの先に取っておきたい」と浮かれムードを引き締めた。
(富樫 嘉美)