2022年(令和4年) 12月31日(土)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺(水口道雄住職)で29日、年末恒例の餅つきが行われた。今春、第43世住職に就任した水口住職(75)と僧侶が読経の中、新年が良い年になるよう願いを込め、きねを振るった。
正式には「餅つき諷経(ふぎん)」と呼び、お供え用の餅をつく行事。一般に29日の餅つきは「苦持ちになる」などと避けられるが、同寺では「福」に通じるとして毎年この日に行っている。
この日は僧侶約20人が参列。午後1時から本堂脇の祭壇に向かい「般若心経」を唱えた。その後、災いをなくす「消災妙吉祥陀羅尼(しょうさいみょうきちじょうだらに)」、歳神をたたえる「南無当年星本命元辰(なむとうねんじょうほんみょうがんしん)」が朗々と響く中、水口住職を皮切りに僧侶たちが交代で長さ約1メートルのきねで5升分の餅をついた。大みそかまでに丸餅にして寺院内に供える。
水口住職は「住職として初めての餅つき。皆さんの幸せと健康、災害のない平和な世界へと願いを込めた」と話した。
31日は午後4時から除夜の鐘を突く先着108人(一打200円)を受け付け、同10時半から鐘を突く。元旦は午前0時から元朝祈祷、同7時から午後4時まで1時間おき、2、3日は午前8時から午後4時まで1時間おきにそれぞれ一般祈祷を行う。4日以降は2時間おきとなる。
2022年(令和4年) 12月31日(土)付紙面より
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第101回全国高校サッカー選手権は29日1回戦が行われた。NACK5スタジアム大宮(さいたま市、大宮公園サッカー場)では羽黒(2年連続9回目出場)が四国学院大香川西(香川)と戦い、2―3で敗れた。前半4分、コーナーキック(CK)から先制したが逆転負け。後半終盤、猛攻したが2回目出場の2006(平成18年)年以来の初戦勝利は成らなかった。これで山形代表は16年連続初戦敗退となった。
四学大 2―1
香川西 3 1―1 2羽 黒
▽得点 香川西=前32、35、後18、羽黒=前4・小西、後25・稲葉
「全力出し切ったが…」「すごく悔しい」
またしても初戦の壁は厚かった。「山形のいろいろな方に“応援しているぞ”と言われ、心強かったし、頑張れる気持ちにつながった。全力は出し切った。でも勝てなかった。紙一重であっても全国大会の厳しさを感じた」と瀬戸主将は唇をかんだ。
陣形はDFから4―1―4―1。守備的MFに田中を置き、1トップにポストプレーを託し、成田を据えた。
先制点はもぎ取った。前半4分、佐藤の左からのCKをゴール前混戦から小西がヘッドで押し込んだ。丸刈りの小西は自らの胸を右拳で何度もたたき、雄たけびを上げた。ムードはいきなり最高潮だ。だがいずれも相手CKから今度は逆転を許してしまう。後半はGK梅野が弾いたこぼれ球を決められ1―3となった。
しかし、ここから反撃ののろしを上げた。左から佐藤がクロスを上げ小西のシュートは右ポスト直撃。跳ね返ったボールを稲葉が右足でゲット、1点差に迫った。バー直撃もあるなど攻撃を重ね、後半だけでシュート9本と攻めたがゴールは遠かった。稲葉は「1点差にした後も何度もチャンスがあったのに攻め切れなかった」。先制点の小西は「早い時間に先制した分、みんなで“落ち着こう”と声を掛け合った。すごく悔しい」と目を真っ赤にした。
県勢16連敗「何とか打開したい」
「なかなか1勝が遠い。県勢のためにもと思ったが…。残念でならない」と本街直樹監督(54)も無念の表情だ。東北勢は青森山田が昨年3度目の優勝を果たすなど台頭が目立つ。6県参加の上位チーム同士が競い合う東北プリンスリーグの存在が背景にある。この日そろって初戦突破した尚志(福島)、聖和学園(宮城)、盛岡商(岩手)はいずれも参加している。Jリーグのユースチームも交えた戦いでレベルが高く、モンテディオ山形ユースは参戦しているが県内の高校勢の参加はない。羽黒は昨年入れ替え戦で敗れ、昇格が成らなかった。「県内の高校だけで勢力争いが終始している面がある。何とか打開したい」と本街監督は続けた。北国のハンデを乗り越えつつある東北勢の中、山形だけは取り残された状況だ。県外の高校では冬に利用できる広々とした室内練習場が設置されている所もある。
高校世代の強化策はいまや羽黒だけでなく県全体で取り組むべきことを感じさせる県勢16連敗となった。