2022年(令和4年) 5月31日(火)付紙面より
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観光庁が実施する「訪日観光実証事業」の参加者が28日、鶴岡市の出羽三山神社(宮野直生宮司)を訪れた。国は来月から訪日観光客の受け入れ再開を表明しており、本事業で観光地の新型コロナウイルス感染対策などを検証する。同神社の職員は「コロナ禍の2年間、感染対策の準備をしてきた。受け入れ再開に対する期待は大きい」と話した。
事業は、3回目のコロナワクチン接種済みの人を対象に4カ国の旅行関係者など約50人が参加。15組が12県を訪問する。本県では、米国在住の3人が28―30日の3日間、戸沢村の最上峡芭蕉ライン観光や寒河江市観光いちご園などを訪問した。
この日参加者は、羽黒山伏の案内の下、出羽三山の開祖・蜂子皇子の墓や合祭殿などを参拝。山伏の衣装や合祭殿の茅葺(ぶ)き屋根について質問するなど、関心を示していた。
3年ぶりに来日したというハワイのヘンリー・オウさん(52)は「山々の景色がきれいで歴史も学べた。特に五重塔が心に響いた」と感想を語り、コロナ感染対策については「消毒液の設置や合祭殿内の椅子の間隔を空けていたりしたので、外国人は安心して来れると思った。ハワイでは半数の人がマスクを着けておらず、着用を嫌がる外国人もいると思うが、国の決まりなので特に問題はないと思う」と話した。
県によると、2019年の本県への訪日観光客は約38万8000人に対し、2020年は約12万人と、コロナ禍に入ってから半数以下に落ち込んでいる。来月からの受け入れ再開について、出羽三山神社の吉住登志喜参事は「以前は多くの外国人観光客に来てもらっていたが、今はほとんど姿が見られない。ウィズコロナの時代、多くの人に対策を取って来てもらいたい」と期待をのぞかせていた。
2022年(令和4年) 5月31日(火)付紙面より
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酒田市出身のシャンソン歌手・故岸洋子さん(1934―92年)の楽曲を歌い継いでいくことを目的に活動している「岸洋子を歌いつぐ会」(櫻田常夫会長)主催の「岸洋子希望コンサート&メモリアルうたごえ」が28日、同市の市総合文化センターで開かれた。
歌いつぐ会は、岸さんの没後25年の節目に合わせ2017年5月、元音楽教師の佐藤喜和子さんが中心となって設立。市内の児童・生徒に岸さんの功績を紹介している他、岸さんの誕生日(5月23日)に合わせて「希望コンサート」、命日(12月11日)ごろには市民が岸さんの楽曲を歌う「メモリアルうたごえ」の2イベントを開催。昨年からはコロナ禍のリスク軽減のため、2つを統合して開催している。統合イベントは今回で2回目。
この日は市民ら約400人が参加。イベントは2部構成。第1部は「希望コンサート」で、バイオリニスト・池田敏美さん、ソプラノ歌手・高橋まり子さん、チェリスト・鈴木信哉さん、ピアニスト・鈴木布美子さんの演奏家4人によるバッハ作曲「主よ、人の望みの喜びよ」で幕開け。「ウクライナ国家」やフォスター作曲「懐かしの我がケンタッキーの家」などを演奏し、会場の聴衆を魅了。アンコールでは岸さんの「愛の讃歌」を披露し、会場から大きな拍手が送られた。
第2部は「メモリアルうたごえ」と題し、市民らが佐藤さんのリードで「愛の讃歌」「青い山脈」「こいのぼり」「浜辺の歌」など童謡や歌謡曲を会場一体となって歌い上げた。