2022年(令和4年) 6月11日(土)付紙面より
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「起業家」に必要な資質と能力
高校生が学ぶアントレプレナーシップ育成講座開講
広く酒田市内の高校生から「ゼロから事業を創(つく)り出す人=起業家」に必要な精神と資質、能力を育んでもらうことを目的にした「アントレプレナーシップ育成講座」が9日、市産業振興まちづくりセンター「サンロク」(安川智之センター長)で開講。初回はガイダンスが行われ、メイン講師の平尾清さん(市政策参与、青山学院大非常勤講師)が「自らの限界を突破して」などとエールを送った。受講した生徒たちは来年2月まで研修を重ね、自ら設定した課題に対する解決策を発表する。
アントレプレナーシップは、資金や時間、リスクといったさまざまな制約を乗り越え、社会に変革をもたらすチャンスを貪欲に追い求める「起業家精神」のこと。
今回の講座は、「データサイエンスとアントレプレナーシップで地域と世界を支える科学技術系人材を生み出す教育プログラムの開発」をテーマに2025年度までの5カ年、文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けた酒田東高校(大山慎一校長)と、サンロクが学官連携プロジェクトとして初めて企画。山積する課題の解決に向けて将来、具体的な行動を起こし、たくましく活躍できる人材を目指す生徒たちを応援するのが狙い。
同校とサンロクが市内の高校を通じて広く生徒たちに受講を呼び掛けたところ、酒田東の他、酒田西、酒田光陵から1―3年生16人が応募した。
この日は初めに平尾さんが、講座の目的を解説。ピーター・H・ディアマンディス、スティーブン・コトラー共著「BOLD―突き抜ける力」を紹介し、「現代社会は特別な時代で、情熱と熱意さえあれば誰もが挑戦できる。年齢も関係ない。世の中をもっと面白くできる可能性がある」と述べた上で、「楽しく学ぶことが大切。楽しいことを見つけて実行して」と続けた。
受講生徒たちは「大学在籍中にも新たなビジネスを起こしたい。そのための学びを積み重ねていく」「自分の中に新たな視点を持ちたい」「コロナ禍などに伴う物価上昇を抑える術を考えたい」「酒田におけるジェンダー、LGBTQ+を考察したい」など、自己紹介を兼ねて1人ずつチャレンジしたいことを発表。平尾さんは「社会が変わっていくような気がする、そんなチャレンジをしよう。この講座を通して学んだことを、先輩として後に続く小中学生に教えられる人材になって」と呼び掛けた。
受講した生徒たちは来年2月まで月1回サンロクに集まり、平尾さんやさまざまな分野で活躍する人の話に耳を傾ける他、自ら主体となってビジネスプランの構築、商品・サービスの具体化を図っていく。
次回講座は7月7日(木)の予定。
2022年(令和4年) 6月11日(土)付紙面より
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鶴岡東高OBで歌舞伎役者の中村橋吾(はしご)さん=東京都在住=を招いた講演会が10日、鶴岡市の母校で行われた。
中村さんは鶴岡二中から鶴商学園(現在・鶴岡東高)に進学。卒業後、歌舞伎役者を目指して上京した。養成所に2年間通い、プロの歌舞伎役者としてデビュー。精力的に舞台を踏んだ。今年4月には久しぶりに古里に戻り、荘内神社で自ら考案した創作歌舞伎を上演した。
講演で中村さんは「エネルギッシュな歌舞伎に心をつかまれたのが役者を目指したきっかけ。歌舞伎を通じて人に伝える素晴らしさを学んだ。皆さんには、日々精いっぱい生きることの大切さを伝えたい。そうすることで素晴らしい未来を見つけることができると思う。頑張ってください」とエールを送った。
講演の途中、創作歌舞伎が披露され、生徒たちは中村さんの迫力あふれる歌舞伎の世界に引き込まれていた。