2022年(令和4年) 7月16日(土)付紙面より
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自動車廃材を活用した車椅子用「遊佐西浜スロープ」の竣工(しゅんこう)式が15日、遊佐町の西浜海水浴場で行われ、関係者がスロープの完成を祝った。合わせて同町の西浜、釜磯両海水浴場が同日オープン。西浜海水浴場で神事が行われ、シーズン中の安全を祈願した。
体が不自由な人と健常者が共に楽しめる海岸「バリアフリービーチ」を目指すもので、西浜海水浴場では昨年、日本財団(東京都)による「海と日本プロジェクト」の一環として県内の環境関連NPO法人などで組織する市民団体「ドリームやまがた里山プロジェクト」(代表理事・小谷卓鶴岡高専名誉教授)がトラックの廃タイヤを活用したゴムマット(縦1・8メートル、横0・9メートル)を100枚製作。駐車場から波打ち際まで敷設し、車椅子やベビーカーなどでもスムーズに移動できるようにした。
車椅子用スロープは現行スロープの隣に設置。廃車200台分約1・6トンの窓ガラスを粉砕・混合したコンクリートで製作され、今年6月から工事が開始された。長さ約41メートル、幅約1・5メートル、斜度は6・7%。スロープは2020年にマリンパークねずがせきに設置されたものに続き2基目。
この日の竣工式には関係者ら約30人が出席。小谷代表理事が「鼠ケ関に続く二つ目のスロープ。海水浴場がますます発展し、地域振興につながっていくよう祈念する」、時田博機町長が「日本海に面する遊佐町は夏になればマリンスポーツで多くの人が訪れる。また、鳥海山にも全国から登山者が来る。西浜海水浴場にまた一つ発信のツールを頂戴した。全国に発信していきたい」とそれぞれあいさつ。新設された車椅子用スロープの前で関係者がテープカット。その後、車椅子ユーチューバーとしても知られる再生医療福祉支援基金・再生医療大使の渋谷真子さんを先頭に、関係者が渡り初めしスロープの完成を祝った。
同町では今夏も町内3カ所の海水浴場を開設。十里塚海水浴場は16日(土)にオープンする。いずれも開設は8月15日(月)まで。
一方、酒田市の飛島(小松浜)海水浴場も15日オープン。開設は8月18日(木)まで。
2022年(令和4年) 7月16日(土)付紙面より
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地域内循環型農業経済圏の構築に向けた「庄内スマート・テロワール事業」の一環で生産された、鶴岡市産小麦「ゆきちから」100%の中華麺が13日、同市の学校給食で提供された。湯野浜小(八渡宗一郎校長、児童100人)には同事業に関わる関係者が訪れ、5年生児童が小麦栽培や製麺方法などを学んだ。
事業は、山形大農学部が中心となって展開。湯野浜小には農学部助教の中坪あゆみさん(40)、同市羽黒地域の月山高原で小麦を栽培している叶野幸喜さん(42)と石井光明さん(43)、製麺業者の菅原成規さん(63)らが訪れ、「小麦の国内自給率は12%。可能な限り自分たちでつくることが大切。地元のものを食べることが、農業を支えることにもつながる」など、食料自給率向上とともに、地域内循環型農業の重要性を分かりやすく紹介した。
地元産小麦の中華麺給食は50%配合で実施した昨年に続き2回目で、今回は初めて100%で製麺。冷やし中華風の「リャンパンメン」で提供され、石栗柚希君(10)は「いつもの麺より甘くて風味があって食感も良くておいしい。庄内でたくさん小麦ができるといいなと思った。もっと給食で食べたい」と笑顔で話した。
同市産小麦100%の中華麺給食は14日と合わせ、市学校給食センター管轄の小中学校24校の約7600食分に「ゆきちから」約370キロを使用。9月には残る4つの給食センターでリャンパンメンが提供される。