2022年(令和4年) 7月22日(金)付紙面より
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今月22日から県下一斉に行われる「明るいやまがた夏の安全県民運動」を前に、酒田警察署で21日、一足早く出発式が行われ、浄徳幼稚園(長澤信樹園長)の年長園児らが安全宣言や元気なダンスを披露して関係者を激励した。
来月21日(日)までの期間中、庄内地域でも酒田、鶴岡、庄内の3警察署などが啓発活動を繰り広げる。県民運動の推進重点は▽青少年の健全育成といじめ・非行および犯罪被害防止▽子どもと高齢者の交通事故防止・飲酒運転の撲滅▽海・山・川での事故防止▽身近な犯罪などの防止―の4項目。
この日の出発式には管内の行政・防犯・交通安全各団体の関係者ら約70人が参加。酒田市の矢口明子副市長、遊佐町の時田博機町長らのあいさつに続き、熊坂嘉幸署長が「海開きが始まるなど本格的な夏季が到来し、県内外から多くの人が訪れる時期になった。海や山の事故だけでなく、暑さからくるぼんやり運転なども懸念される。事故のない明るい酒田市、遊佐町となるよう協力をお願いしたい」と述べた。
続いて、同幼稚園の海野梓太郎君(5)と佐々木奏ちゃん(5)が「ルールを守って楽しい夏休みにします」「ストップの約束を守って事故に遭わないようにします」などと元気いっぱい安全宣言し、熊坂署長から反射材ストラップがプレゼントされた。園児59人はおまわりさんへの感謝を込めたダンスを披露。軽快に踊る園児たちに関係者から大きな拍手が送られていた。
その後、白バイを先頭にパトカーや青パトなど約30台が同市や同町をパレードし、道行く人に安全を呼び掛けた。
2022年(令和4年) 7月22日(金)付紙面より
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元アマゾン資料館館長の山口吉彦さん(80)=鶴岡市陽光町=が、南米を中心に世界で集めた民族コレクションに新しい命を吹き込もうという展示会「TRACING THE ROOTSアマゾンコレクション『ブリコラージュ展』」が今秋、東京都内で開かれる。展示会に出品する2人の女性アーティストが19、20の2日間、山口さんの元を訪れ、集めた作品の思い入れや先住民の生活様式について聞いた。
山口さんは40年以上にわたりアマゾン流域に暮らす先住民と接しながら民族品などを集めた。その数は2万点以上。貴重なものばかりで「文化遺産級に相当する」として有識者の間で評価は高い。こうしたコレクションは鶴岡市が伊勢原町に整備した「アマゾン民族館」に展示していたが、2014年に閉館。現在、維持管理と保存が課題となっている。山口さんが倉庫を借りるなどして保管しているが、中には壊れてしまったものも多い。
そこで「ブリコラージュ展」を企画するマザーディクショナリー代表取締役の尾見紀佐子さん(51)=東京都=が中心となり、壊れた作品を芸術としてよみがえらせようと、山口さんに話を持ちかけ快諾を得た。今年4月に約200点の提供を受け、展示会に出品する各アーティストが現在制作を進めている。
今回、来鶴したのはフラワーデザイナーの木村亜津さん(36)=東京都=と、編組品作家の渡部萌さん(26)=東京都。山口さんを訪ねコレクションの数々を見学した。
木村さんは「コレクションを見ているだけで楽しかった。鳥の羽を素材に、これから展示する作品のイメージを膨らませたい」と。渡部さんは「ペルーのシピボ族が作った壺に興味が湧いた。先住民の生活様式の変化や民族品がどのように使われていたか山口さんから直接、話が聞けて良い機会になった。うまく作品に表現したい」とそれぞれ感想を語った。
2人の訪問に山口さんは「現代アートの若い人たちが、壊れてしまったコレクションに新しい命を吹き込んでくれる、ということでありがたい気持ち。とてもうれしい」と笑顔で話した。
「ブリコラージュ展」は10月11日から16日まで東京・代官山の「HILLSIDE TERRACE」で開かれる。会場では作品を展示販売し、売り上げの一部をアマゾンコレクションの維持・保存に有効活用する。尾見さんは「山口さんと私たちの共通点は自然との共生と命の営み。アーティストの作品を通して、そうした思いを多くの人に伝えたい」と話している。