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荘内日報ニュース


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2022年(令和4年) 9月10日(土)付紙面より

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“北限”の「庄内スダチ」収穫盛ん

 県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室(酒田市、冨樫政博室長)で、かんきつ類の一種「スダチ」の収穫作業が盛んに行われている。地球温暖化に伴う適応性調査のためカボスやレモン、ユズ、ミカンなどとともに試験栽培しているもの。果皮を乾燥させて搾りやすくする「予措(よそ)」を終えたものから順次、「北限のすだち」として広く庄内地域の飲食店・宿泊施設などに有償で提供する。

 東北地方では100年後の年平均気温が2―3度上昇すると予測され、庄内地域の一部が温州ミカンの栽培に適する15―18度になる可能性があるという。県は長期的な視点に立ち2010年、「地球温暖化に対応した農林水産研究開発ビジョン」を策定。これを受けて産地研究室は、温暖地型作物の栽培適応性調査の一環としてかんきつ類の試験栽培を開始した。

 これまでの調査・研究結果から、冬季の強風被害を防ぐことができれば、耐寒性のあるスダチの適応性が最も高いことが分かり現在、「地球温暖化対応プロジェクト総合戦略事業」と銘打ち酒田市浜中の産地研究室内、本県唯一の有人離島・同市飛島で計21本を育成、栽培実証に取り組んでいる。

 今季は肥大も順調。収穫作業は今月2日から本格化し8日午後は産地研究室職員が出て、青々とした果実を一つずつ丁寧にはさみを使ってもぎ取った。冨樫室長によると、地元の飲食店などに提供したところ、店主らから「品質は良い。安定的に供給してほしい」と、かなり好評を得ているという。

 スダチに関しては鶴岡市朝日地域の生産者グループが一昨年から本格栽培。JAを通じて地場で流通しており、不足分について県が供給しているという。冨樫室長は「これからも地域での積極的な活用を喚起していきたい」と話した。今季は全体で2Lサイズ(直径36―39ミリ)を中心に800キロ程度の収穫を見込んでおり、作業は9月いっぱい続くという。

収穫を待つばかりの青々としたスダチ=産地研究室
収穫を待つばかりの青々としたスダチ=産地研究室

産地研究室で行われているスダチの収穫=8日午後
産地研究室で行われているスダチの収穫=8日午後


2022年(令和4年) 9月10日(土)付紙面より

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農福ランチ提供 県庄内総合支庁1階食堂 障がい者の取り組み支援

 三川町の県庄内総合支庁1階食堂で13日から15日までの3日間、障がいのある人たちが栽培した野菜を使った「ノウフク(農福)ランチ」を提供する。農作業を通じて社会参画を目指す障がい者の取り組みをバックアップしようと同支庁地域保健福祉課が、庄内にある各障がい福祉サービス事業所や食堂に呼び掛けて企画した。農業と福祉の「農福連携」を進めるランチ提供は今回が初めて。食堂を運営する庄内給食センター(酒田市大宮町一丁目)の担当者は「障がい者の活動を応援する意味でも、多くの人に食べてほしい」と話している。

 野菜を提供するのは▽さくらが丘(鶴岡市羽黒町川代)▽就労継続支援施設もみの木(鶴岡市青龍寺)▽障害福祉サービス事業「作業所月山」(鶴岡市中野京田)▽障がい福祉サービス事業所たぶの木(酒田市宮野浦三丁目)▽障害者支援オフィス「ひので」(鶴岡市日出一丁目)―の5つ。各施設の畑で栽培したジャガイモやタマネギ、ナス、カボチャ、オクラといった野菜を同センターが仕入れて日替わりランチを作る。

 提供するメニューは初日の13日が「ノウフク野菜のキーマカレー」(税込み500円)、14日が「唐揚げ&ノウフクサラダランチ」(同550円)、最終日の15日が「ノウフク野菜もりもりサラダうどん」(同500円)。いずれも障がいのある人たちが丹精込めて育てた野菜を盛りだくさん使った内容だ。一般も利用できる。

 このうち、ミニトマトやピーマンなど10種類の野菜を納入する就労継続支援施設もみの木の佐藤繁事業部長は「新鮮でおいしい野菜を提供したい。こうしたランチ提供は障がいのある人たちの励みになるし、また頑張って作ろうという意欲にもつながる。とてもありがたいこと」と話す。

 県庄内総合支庁地域保健福祉課の担当者は「野菜に限らず卵を生産している施設もある。今後も無理をかけない中で、それぞれの施設に声掛けし『農福連携』の輪を広げていきたい」と参加を呼び掛けていく。

 「ノウフクランチ」は午前11時から午後2時まで。各日とも限定約50食。11月と来年1月も行う。提供する日数やメニューについてはこれから検討する。

「一生懸命育てました。たくさん食べてください」―。就労継続支援施設もみの木では10種類の野菜を提供する=鶴岡市青龍寺の農場
「一生懸命育てました。たくさん食べてください」―。就労継続支援施設もみの木では10種類の野菜を提供する=鶴岡市青龍寺の農場



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