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荘内日報ニュース


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2022年(令和4年) 9月2日(金)付紙面より

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移転改築 加茂コミセン開所

 鶴岡市が移転改築工事を進めていた市加茂コミュニティ防災センターが完成し、1日、同センターで開所式が行われた。住宅密集地にあった旧コミセンを加茂水族館第2駐車場だった旧加茂中学校跡地に移転し、新築した。外観は北前船の中継港として発展し、漁業の拠点ともなっている港町加茂で、網元の蔵をイメージした造りにした。観光客に開放するスペースも設け、加茂地区の歴史と文化を伝え、交流を支える新たな拠点施設として活用される。

 旧加茂コミセンは1969(昭和44)年建築の木造2階建てで、50年以上経過し老朽化が目立ち、地元の長年の要望を踏まえ、市が移転改築を進めた。加茂坂トンネルに近い移転場所は海抜23メートルで旧コミセンの約10メートルより高くなり、地震津波対策も考慮した。

 移転場所の敷地は約5700平方メートルと以前の2倍強で、駐車台数は120台分確保。建物は高齢者らも利用しやすいよう平屋建て(鉄筋コンクリート造り)とし、床面積は約1・6倍の約890平方メートル。大ホールや会議室、調理実習室、研修室、防災資機材庫、事務室などを備えるほか、加茂水族館来館者や日本遺産「北前船寄港地」に認定された町並み散策を楽しむ観光客用に、休憩などできる交流スペースや外部から出入りできるトイレも設けた。交流スペースでは、加茂地区の情報発信を行う。外壁の一部に板張りを施し、切り妻屋根の造りとともに「網元の大きな蔵」をイメージさせる。旧施設にあった地元産「加茂石」を活用し地域性もアピールした。建築事業費は約4億7300万円。

 開所式には約50人が出席。皆川治市長が「渚の交番の新たな交流施設も整備されるなど、加茂地区では交流人口の拡大が期待される。地域発展のために大いに活用してほしい」とあいさつ。指定管理者として施設を管理する加茂地区自治振興会(上林達哉会長)の田澤直也副会長が「観光客を迎えるスペースもでき、加茂地区の新たなスタートとなる。さらに協力し合い、地区の発展を目指す」と述べ、テープカットで新コミセンの完成を祝った。

「網元の大きな蔵」をイメージさせる新加茂コミセン
「網元の大きな蔵」をイメージさせる新加茂コミセン


2022年(令和4年) 9月2日(金)付紙面より

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鶴岡東ナイン 甲子園応援ありがとうございました

 「第104回全国高校野球選手権大会」に県代表として出場し、初戦の盈進(えいしん)(広島)戦で勝利を収めた鶴東野球部の報告会が31日、鶴岡市切添町の鶴岡東高体育館で行われた。

 報告会には野球部員104人、保護者、OB、代表生徒ら合わせて385人が参加。佐藤俊監督が「甲子園で2試合経験することができ、選手と共に学ぶことが多かった。このような報告会を開いていただき、感謝したい」、佐藤叶人主将(3年)が「自分たちが成し得なかったことは、これから後輩たちが頑張ってくれると思う。県大会5試合と甲子園2試合の応援、ありがとうございました」とお礼を述べた。

 齋藤哲校長は「甲子園という舞台で選手たちは一段と飛躍した。大健闘だったと思う。今度は1、2年生の番。先輩を見習って頑張って下さい」と呼び掛けた。

 生徒会長の鈴木咲朱(さあや)さん(3年)は「勇気と感動を与えてもらった。甲子園での活躍は私たちの誇り。楽しい夏になった」とねぎらいの言葉を述べた。

 報告会を終えた土屋奏人選手(3年)は報道陣の質問に「近江戦で山田投手から打ったホームランはスライダー。手応えがあったので入ると思った。甲子園は純粋に野球が楽しめるところだった」、前田夢翔選手(3年)は「チーム全体として打撃はいいところが出たが、守りにミスが重なったことは反省点。ただ甲子園はプレーするたび楽しさが増える場所だと感じた」とそれぞれ振り返った。

 仙台育英の斎藤蓉投手(3年)=鶴岡四中出=と中学硬式野球チーム「酒田リトルシニア」時代にバッテリーを組んだ前田選手は「いいピッチャーになったと思う。自分たちが2回戦の近江戦で負けた時、蓉から『今度はオレたちが頑張る』とLINEが送られてきた。優勝というすごい結果を出してびっくりした」と話した。

「応援ありがとうございました」とお礼の言葉を述べる佐藤主将
「応援ありがとうございました」とお礼の言葉を述べる佐藤主将


2022年(令和4年) 9月2日(金)付紙面より

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ひと 酒井家と鶴岡の魅力多くの人に

酒井家庄内入部400年記念 アマチュア無線局運営委員長
阿部和博(あべ かずひろ)さん

 日本アマチュア無線連盟(JARL)鶴岡クラブ会員。酒井家庄内入部400年の節目の年を盛り上げようと4月にアマチュア無線の記念局を開局した。「一人でも多く鶴岡に足を運んでもらえるきっかけになれば」と話す。

 中学生の時に同級生の無線機に物珍しさを感じ、「一生かけても行けないような所にいる人と瞬時につながれる」と夢中になった。36歳の時に第1級アマチュア無線技士を取得。農業の傍ら、世界中の数え切れない人とつながった。1988年には、鶴岡市と姉妹都市盟約を結んでいるアメリカのニューブランズウィック市の無線家とも交信を果たした。

 昨年3月、鶴岡クラブの会員7人で運営委員会を設立。市が公募する記念事業のプレ市民活動に申請し、開局の準備を進めてきた。記念局のコールサイン(呼出符号)は「8J7SS」。東北地方管内の記念局を表す「8J7」に庄内藩と酒井家の頭文字を取った「SS」を組み合わせた。メンバー7人が輪番で機材を持ち回って交信しており、「旧庄内藩主の酒井家が入部して400年の節目」「鶴岡市には加茂水族館や出羽三山などの観光スポットも多くある」などと酒井家の歴史と鶴岡市の魅力を伝えている。

 交信相手に送る記念交信証(QSLカード)は、庄内藩校致道館の写真をプリント。事前に4000枚を用意したが、予想を超えるペースでなくなり、追加で1000枚を発行した。交信は1回5―10分ほどだが、「鶴岡に来たことがある人の思い出話を聞けたり、興味を持ってくれた人から『今度鶴岡に行ってみたい』と言われることがあってうれしい」とやりがいを語る。

 これまで、東京都23区を含めた国内約800の“市”の無線家と交信してきた。育児や農業で離れた時期もあったが、「これからも目に見えない人とのワクワクする交信を続けていきたい」と目を輝かせる。

   ◇   ◇

 総務省東北総合通信局電波適正利用推進員。庄内の小学校で電波教室などを開催。自宅庭には、シンボルマークになっている高さ10メートルの電波塔が立つ。鶴岡市湯野沢。71歳。

阿部和博さん
阿部和博さん



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