2022年(令和4年) 5月20日(金)付紙面より
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庄内地域の5市町などで組織する庄内開発協議会(会長・丸山至酒田市長)は18日、吉村美栄子知事に2023年度の「庄内地方重要事業要望書」を提出した。23項目の重点要望のうち、特に東北公益文科大の早期公立化、水道事業の経営健全化に向けた県企業局の広域水道用水供給事業と市町の給水事業の「垂直・水平統合」推進、洋上風力発電施設の整備に必要な酒田港の基地港湾指定の3項目を取り上げ、説明した。
提出後の懇談で公益大の早期公立化について、吉村知事は本年度中に方向性を取りまとめる考えを示した上で、庄内地域の市町の財政負担も念頭に「将来にわたって自治体運営に影響を及ぼし、将来像などを丁寧に議論する必要がある。私立から公立への看板の掛け替えでは済まず、議論を進めながら取り組みたい」とした。
水道事業について開発協は、すでに県主催の検討会で、垂直・水平統合が経済性・持続性の観点で最も効果が期待できるとし、要望書で「県の強いリーダーシップで統合の早期実現」を求めた。遊佐町沖や酒田市沖での洋上風力発電では、酒田港の基地港湾指定と関連産業の集積による地域産業振興への期待を説明した。
2022年(令和4年) 5月20日(金)付紙面より
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鶴岡市の加茂水族館で、来館者と目を合わせて愛嬌(あいきょう)を振りまき、サービス精神たっぷりに泳ぐ巨体のアザラシが話題になっている。“ブサカワ”系の表情が愛らしいと民放キー局の報道番組で全国に紹介されるなど、人気が急上昇している。
体長2メートル、体重400キロの雌のキタゾウアザラシ「なおみ」(推定9歳)。水から上がって寝そべっていても、人が集まると気配を察するのかすぐに泳ぎだす。水槽のアクリル板に鼻をこすりつけて泳ぐ速度を落とす「鼻ブレーキ」で水槽を何度も往復し、視線も観客から外さない。職員が芸として教えたわけではなく、いつの間にか人慣れしたという。
なおみは5年前の秋、同市三瀬海岸沖で弱っているところを同水族館の職員らによって保護された。プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手にあやかって「世界一有名なアザラシに」との願いを込めて「なおみ」と命名された。「鼻ブレーキ」の“変顔”がSNS上で話題となり、すっかり観客に愛される水族館の人気者に。
岡山県から夫婦で17日に訪れた戸川淳子さん(57)は「不思議な愛嬌があって人間の顔みたい。何とも言えない親近感がある。間近で見られて良かった」と話していた。キタゾウアザラシは北太平洋の北米大陸西岸に生息し、国内で飼育展示されるのは加茂水族館だけという。