2023年(令和5年) 2月3日(金)付紙面より
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1日午後2時ごろ、鶴岡市加茂、無職、佐藤幸雄さん(69)方から出火、木造一部2階建ての住宅を全焼した。火は強風にあおられ隣接する民家や空き家、土蔵など6棟に燃え移った。佐藤さんと同居する60代の弟が病院に運ばれた。2人とも煙などを吸い込むことで引き起こす気道熱傷で治療を受け、現在入院している。ともに命への別条はないという。鶴岡署は2日、実況見分を行い出火原因と焼失面積を調べている。
同署の調べによると、佐藤さんが1階台所のガスコンロ付近から炎が上がっているのに気付いた。近くの住民が煙に気付き119番通報した。
現場は、昨年開設した加茂地区コミュニティ防災センターから西(海側)へ約600メートル入った住宅密集地。鶴岡市消防本部の消防署員と市消防団員合わせて約120人が出動、消防車両約26台で消火作業に当たった。火は約8時間後の午後10時7分に鎮火した。
鶴岡市や加茂地区自治振興会などによると、全焼したのは5棟で、ほか2棟は類焼。火元の佐藤さん方は弟と2人暮らし、西隣の住宅で1人暮らしの男性は当時、買い物に出掛け近くの人からの連絡で火事を知った。現在は親類宅に身を寄せているという。
出火当時、鶴岡市の海上には暴風警報が出されていた。消火作業を見守る住民は「火の回りが早かった。風が強くてあっという間に燃え移っていった。ただ呆然とするしかなかった」と火事ぶれで外に出た当時の様子を話した。