2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)でウミガメにピッタリと寄り添うコバンザメの姿が「かわいい」と人気を集めている。
加茂水族館では庄内沖で漁師の網に掛かったり、迷い込んだウミガメを保護している。
現在飼育しているのはアオウミガメ(2018年11月保護)とタイマイ(21年12月保護)の2匹。同じ水槽にコバンザメ1匹を入れているが、ウミガメと「大の仲良し」。日中は甲羅にくっついて泳ぎ、夜はウミガメのひれに抱かれるようにして過ごしている。
コバンザメの習性とはいえ、そんな姿が「親子みたい」「恋人同士のよう」「愛おしい」と来館者の目を和ませている。
飼育担当の広瀬南帆(みほ)さんは「コバンザメは餌の確保のほかに危険から身を守るため大きな魚にくっつく習性がある。愛らしい姿を通して保護しているウミガメと一緒に生態について関心を持ってもらえればうれしい」と話していた。
【コバンザメ】
世界の暖かい海域に広く分布する。サメの一種ではなく「スズキ目」に属する。頭の上に小判のような形をした吸盤があり、全体のシルエットがサメに似ていることから名付けられたという。クジラやジンベイザメ、マンタなど大きな魚にくっついておこぼれや寄生虫を食べる。サンゴ礁の海域では単独で泳いでエビなどを捕食する。水質をきれいにする魚としても知られる。