2023年(令和5年) 4月7日(金)付紙面より
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小児がん患者の支援を目的とした社会貢献活動「レモネードスタンド」が今月10日から庄内町の和心で始まる。同施設で働きながらヨガインストラクターや食育アドバイザーとして活動する堀井さおりさん(30)=同町南野=が運営するもので、レモネードのペットボトルを販売し、収益の一部を小児がん支援組織に寄付する仕組み。常設でのレモネードスタンド活動は庄内地域では初という。堀井さんは「活動を通して多くの人から小児がんについて知ってもらえれば」と話している。
堀井さん10日から活動庄内町「和心」に常設
レモネードスタンドは米国で始まった社会貢献活動。小児がん患者の少女が、自分と同じ病気の子どもたちのために治療費や研究費を寄付しようと自宅の庭にレモネードスタンドを開いたのが始まり。米国でレモネードは元気を与えてくれる飲み物として愛飲されている。少女が亡くなった後もその遺志は引き継がれ、全米で活動が続けられている。
国立がん研究センターなどによると、日本国内では年間約2300人の子どもが白血病や脳腫瘍などの小児がんと診断されている。
レモネードスタンドは日本でも全国的に行われているが、県内ではあまり浸透していないという。そこで県青年の家がコーディネートするボランティアサークル「nicoこえ」(天童市)が今年3月に「山形レモネードスタンドプロジェクト」を開始。同サークルでも天童市や山形市でレモネードスタンドを実施するとともに、活動に興味のある人をサポートするなどしている。
堀井さんは千葉県柏市出身で、3年前に一家で同町に移住した。ヨガインストラクターなどの活動の中で、知人や母親らから子どもの病気や健康などについて相談される機会が多かったという。このプロジェクトをSNSで知り、理念に共感。「自分も何かできることはないか」と勤務先である和心に相談し快諾を得た。
同施設内のお食事処『爽味旬風 和心』のレジ脇にペットボトルスタンドを設置。500ミリリットル1本200円で販売し、収益の一部を小児がん支援組織に寄付する。今月10日から販売を始め、時間は午前11時―午後2時。
堀井さんは「多くの人から子どもの病気などについての話を聞く機会があり、何か私もできることをしたいとずっと思っていた。小児がんについて多くの人から知ってもらいたい。私の活動を見てもらうことで、こうした活動をする人が増えてくれれば」と話していた。