2023年(令和5年) 4月7日(金)付紙面より
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鶴岡市湯田川のJA鶴岡湯田川催芽場で、温泉の廃湯に種もみを浸して発芽を促す伝統の「芽出し作業」が繁忙期を迎えた。
温泉を活用した芽出し作業は1848(嘉永元)年、地元農家が温泉を農業にも生かそうと始めたのが起源とされる。
種もみを入れた袋を32度の湯に満たされた水槽に12時間浸し、近くに敷いた木材の上に並べてむしろで覆い、さらに12時間ほど蒸す。専用機器や自宅の浴槽を使う芽出し作業に比べて農家の負担が少なく、均等に発芽するという。今年は庄内一円や新潟県など県外の農家約1000件から「はえぬき」「つや姫」「雪若丸」を中心に計241トンが運び込まれる。
作業は今月1日から始まり、連日作業員が午前5時に作業を開始。早朝と午前、午後と作業を3回に分け、一日平均約26トンを湯に浸している。作業は6日に繁忙期を迎え、約15人が分担し袋を水路に並べたり、むしろで覆ったりと作業に追われていた。
JA鶴岡の担当者は「今年は例年より気温が早く上がり、水温も高くなっているため芽が出る時間も短くなっている。湯から袋を上げる時間や蒸す時間に注意を払いながら調整している」と話していた。湯田川温泉での芽出し作業は今月26日まで行われる。