2023年(令和5年) 4月8日(土)付紙面より
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東北6県を代表するスターシェフ6人が一堂に会し、コース料理で競演する食事会が3日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開催された。このほど発刊されたレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ日本版2023」に東北地方のレストランが掲載されたのを記念した東北レセプション。東北地方の受賞者と掲載店の紹介を兼ねた食事会で、「ゴ・エ・ミヨ」発祥の地フランスと結びつきの深いユネスコ食文化創造都市・鶴岡を会場に、東北ガストロノミーの会が主催した。
受賞者と掲載店 紹介兼ね食事会
「ゴ・エ・ミヨ」は1972年にフランスで創刊され、日本はアジアで唯一の展開国。第7号となる本年版に東北地方が加わり、初の全国版となった。料理そのものを評価するガイドブックと違い、予約の電話から見送りまでを評価。さらに新しい才能の発掘やその土地ならではの食、シェフのみならずソムリエやパティシエなど食にまつわる人などを顕彰している。
レセプションには市民のほかに、全国各地の料理人やスターシェフのファンなど約90人が参加。皆川治鶴岡市長が歓迎の言葉を述べた後、本年度「ゴ・エ・ミヨ」の明日のグランシェフ賞に輝いた宮城県仙台市の黒森洋司シェフ(中華料理、楽・食・健・美―KUROMORI―)、テロワール賞を受賞した鶴岡市の奥田政行シェフ(イタリアン、アル・ケッチァーノ)に記念のプレートが授与された後、他の4県のスターシェフや食事会で料理のサポートをする掲載店のシェフやソムリエなどが紹介された。
料理はシェフがアミューズや肉料理、魚料理、デザートなどを1品ずつ担当。未利用魚とフカヒレの煮込みをはじめ、郡山産のコイ、大船渡産ホヤ、比内地鶏、金華豚などシェフたちがご当地食材を使い腕を振るった料理が続いた。また、料理に合った地酒やワインも提供された。参加者たちはシェフによる食材や調理法の解説を聞きながら、一夜限りの特別なコース料理に舌鼓を打った。
鶴岡市内でフレンチレストランを経営する遠藤和彦さん(44)は「東北の一流のシェフが集まると聞いて刺激を受けに来た。めったにない機会で、料理も楽しめた」、黒森シェフらの応援団として仙台市からグループで訪れた料理研究家の中村美紀さん(47)は「未利用魚を使って地元の漁師さんを元気にしたいというシェフの思いが伝わる一皿だった。ゴ・エ・ミヨに掲載されている他の店も応援したい気持ちが沸いた」と話していた。
奥田シェフは「これからもゴ・エ・ミヨに掲載されるよう努力していきたい。そして食で日本全体を盛り上げていきたい」と決意を語った。