2023年(令和5年) 4月12日(水)付紙面より
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鶴岡市三瀬の気比神社(石塚記夫宮司)例祭が9日、地区内で行われた。コロナ禍で中止していた、若衆が重い神輿(みこし)を担いで調子を合わせ飛び跳ねるように駆ける「跳ね神輿」が4年ぶりに披露され、地元を活気づけた。
同神社は平安末期に越前の国敦賀の気比神社の分霊を祭って創建したと伝わる。食物と農耕の神として知られる保食大神(うけもちのおおかみ)を祭り、五穀豊穣(ほうじょう)祈願で4月初めに行われる例祭は庄内に春の訪れを告げる風物詩にもなっている。
例祭の神宿は三瀬第2地区祭典実行委員会(石塚敦委員長)が担った。午前9時ごろから神社本殿で神事を行った後、神輿を担ぐ白装束と烏帽子(えぼし)を身に着けた地区の若衆や裃(かみしも)姿の氏子らの行列が地区内を練り歩き、午後3時ごろ、同神社へと続く地区内の目抜き通りに到着。沿道に詰め掛けた見物客が見守る中、若衆10人が約300キロの神輿を担ぎながら駆ける勇壮で威勢の良い「跳ね神輿」を披露。見物客の「頑張れ」「まだまだもう一回」との声援に応えるように、約50メートルを「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」と調子を取りながら何度も駆け抜けた。
同実行委員会顧問の高橋敬七さん(74)は「コロナ禍でこの3年間はできずにいたが、今年はぜひやりたいという皆の思いで準備を進めた。住民の喜ぶ顔を見て、実施できて良かったとつくづく思う」と感慨深そうに話した。