2023年(令和5年) 4月12日(水)付紙面より
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国指定史跡の指定を受けた「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」(鶴岡市藤島)の指定記念セレモニーが10日、東田川文化記念明治ホール(郡会議事堂2階)で行われた。市や地元自治会など関係者がくす玉を割るなどし、史跡としての正式な指定を喜び合った。
セレモニーには皆川治市長や布川敦市教育長、藤島地区自治振興会の齋藤昭彦会長など16人が出席。初めに皆川市長が「内外から多くの人が集まる観光拠点となることを願うとともに、かけがえのない地域の伝統文化を後世に残したい」、東田川文化記念館の遠田良弘館長が「史跡を未来に残すため、地域住民や多くの市民から心のよりどころとして身近な施設になるよう取り組みたい」とそれぞれあいさつした。
関係者がくす玉を割って史跡指定を祝った後、藤島地区の民俗芸能「六所神社獅子舞」の祝舞が披露された。
東田川郡役所は1878(明治11)年、郡区町村編成法に基づき設置された。現在の郡役所は火災消失により87年に再建された2代目。中庭回廊式の木造平屋建てで、和風建築だが一部に洋風建築様式も取り入れられている。1926(大正15)年の郡制度廃止後は旧藤島町役場などとして84年まで利用された。
旧郡会議事堂は1903(明治36)年に再建された。洋風建築の木造2階建てで、2階の大広間が郡会に使用された。1996年に「東田川文化記念館」が設立された後は、旧郡役所が藤島地域の近代史を紹介する資料館・展示施設、旧郡会議事堂はホールや図書館分館として利用されている。
郡役所と郡会議事堂は昨年12月に国の文化審議会で国指定史跡にするよう答申され、今年3月20日の文部科学省による告示で正式に史跡として指定された。鶴岡市内では旧致道館、松ケ岡開墾場、小国城に続き4件目となった。