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2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より

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致道博物館館長に酒井忠順氏

 公益財団法人・致道博物館(酒井忠久代表理事)の評議員会が22日、鶴岡市の致道博物館で開かれた。2022年度の事業と収支決算が報告されたほか、任期満了に伴う役員改選で代表理事・館長の酒井忠久氏(77)など理事3氏が退任し、副館長の酒井忠順(ただより)氏(48)など理事8人を再任した。近く開かれる理事会(書面決議)で忠順氏が代表理事・館長に就任する見通し。忠久氏は顧問・名誉館長に就く。

 評議員11人と忠久、忠順の両氏が出席。22年度事業は酒井家庄内入部400年記念として5部構成による特別展実施や、旧庄内藩主御隠殿の常設展示リニューアルなどが報告された。

 また、評議員の金井昌弥(前荘内銀行取締役・監査委員)、加藤捷男(前鶴岡信用金庫会長、前鶴岡商工会議所会頭)、生島信行(前山形県立博物館長)の3氏が退任し、皆川陽(荘内銀行取締役・監査委員)、佐藤祐司(鶴岡信用金庫理事長)、渡邉晃(山形県立博物館長)の3氏が後任に選出された。

 忠順氏は2011年度から理事を務め、16年に副館長就任。地域特産品の企画販売を行う株式会社「荘内藩」社長、酒井家墓所を保存・管理する一般社団法人荘内酒井歴史文化振興会の代表理事を務めている。


インタビュー
致道博物館館長に就任する酒井忠順さん
歴史と伝統大切に新しいことにチャレンジ

 22日の公益財団法人致道博物館評議員会で、旧庄内藩酒井家19代後嗣の酒井忠順(さかいただより)さん(48)が近く開かれる理事会(書面決議)で代表理事・館長に就任する見通しとなった。2016年の副館長就任以来、前館長の父・忠久(ただひさ)さん(77)を支えながら同館の運営に携わってきた。旧庄内藩酒井家の末裔(まつえい)として、これからさらに庄内の歴史と文化の継承に深く関わっていくことになる。館長としての抱負を聞いた。

―致道博物館の館長としての心構えは。
 自身の座右の銘は『温故創新』。歴史と伝統を大切にしながらも、新しいことにチャレンジし創造していくのは自分の役割と受け止めている。故きを守ること、新しきを創ること、そのどちらか一つをやることは比較的に容易だが、両方をバランス良くできる人はなかなかいない。致道博物館が1950年の開館以来、70年余にわたり守ってきた歴史と伝統、品格を大切にしながら、より良い博物館になるために変革していかなければならない。

―どんな博物館にしていきたいと考えているか。
 致道博物館の主な業務は美術品や古文書などの資料収集や調査・研究に加え、社会教育の普及・啓蒙(けいもう)などが挙げられる。一方、近年は観光拠点としての役割も果たしている。鶴岡市街地の観光周遊の起点となり、観光客などの入館者を増やしていくことも重要。人が行きたくなる、参加したくなるような魅力的な催しも打ち出していきたい。

―そうした取り組みの中で館長としての役割は。
 致道博物館は社会教育の普及と文化観光を担う施設であり、今後はさらにまちづくりや国際交流の役割も求められている。県や市など諸機関と連携し、地域との密接な関係を構築する中、館長として花を咲かせる土になりたい。当館の学芸員が庄内地域の代表として出前講座や講演、シンポジウム等で活躍していくのが理想的。施設でただ待っているだけではなく、こちらから出かけて庄内の魅力を発信・宣伝し人を連れてくるような、歴史や文化の専門家が育つように取り組みたい。

―致道博物館の現状の課題とこれから新たに取り組みたいことは。
 父が館長を退いたことで世代交代の影響については危機感を持っている。老若男女、世代問わず来館いただきたいが、特に20?40代の世代から、博物館に関心を持ってもらうことが急務と考える。各種SNSによる情報発信など、世代に合わせた対応を図りたい。気楽に入館でき、集いの場所、憩いの場所となるようにより良いサービスをどんどん取り入れたい。

―株式会社「荘内藩」社長、一般社団法人「荘内酒井歴史文化振興会」代表理事と致道博物館長を兼任する。
 三位一体を目指しいずれも継続していきたい。『荘内藩』は1984年に両親が立ち上げた『松岡物産』が前身で、地域の特産品や商品の企画開発をする、とてもやりがいのある仕事。生産者とのつながりも強く、地域貢献しながら顧客にも喜んでもらえている。博物館の売店でしか取り扱っていない商品も多く、企画開発は今後も続けていきたい。『荘内酒井歴史文化振興会』が取り組む酒井家墓所は一般公開に向けて整備を進めている。公開することで歴史と文化の継承、観光振興の一助になると考えている。

【プロフィール】
 獨協大経済学部卒、同大大学院経済学研究科修士課程修了。立教大学学芸員課程修了。金融機関勤務を経て2009年に松岡物産(現荘内藩)代表取締役就任。16年から致道博物館理事副館長、荘内酒井歴史文化振興会代表理事。

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