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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 8月1日(火)付紙面より

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冨田氏(先端研前所長)へ鶴岡市名誉市民の称号 「鶴岡サイエンスパーク全体の誇り」

 鶴岡市名誉市民推戴(すいたい)式が29日、同市の東京第一ホテル鶴岡で行われ、慶應義塾大先端生命科学研究所前所長の冨田勝氏(65)=東京都港区=に、名誉市民の称号が贈られた。冨田氏は記念講話で「今振り返れば、研究所の開設場所が鶴岡でよかった。名誉市民という大変な評価を頂いたが、いろんな偶然の出会いが一つでもなければ今の自分はない」と、これまでに関わった多くの人々へ感謝の言葉を述べた。

 冨田氏は東京都出身。慶應大工学部数理工学科を卒業後、米国カーネギーメロン大博士課程修了。慶應大環境情報学部教授となり、2001年4月に鶴岡市に開設された慶應先端研初代所長に就任し、今年3月まで務めた。同学部の学部長、慶應義塾評議員など歴任。

 先端研所長として生命科学に情報科学など異なる学問領域を融合させた統合システムバイオロジーという新しい分野のパイオニアとして、生体内の代謝物を網羅的に計測するメタボローム解析技術の確立に貢献。数々の賞を受賞した。先端研で地元の高校生を研究助手・特別研究生として受け入れる制度を創設するなど次代を担う人材の育成にも大きく貢献し、多くの先端研発ベンチャーの起業も支援するなど地域の活性化に尽力した。

 推戴式には関係者約70人が出席し、冨田氏は有子夫人と共に式に臨んだ。皆川治市長が名誉市民の称号を贈り、「鶴岡市の発展のために注がれた情熱に深甚なる経緯を表する」と式辞を述べ、本間新兵衛市議会議長らが功績をたたえお祝いの言葉を述べた。

 冨田氏は「AI新時代における、鶴岡市の未来」と題して講話し、慶應先端研開設までの経緯と、22年間の歩みを振り返り、「世界中のどこにもないオンリーワンを目指してきた。開設後間もなくして応援の市民団体ができ、本当にうれしく、皆の力になった」と述べ、名誉市民の称号に「研究所や鶴岡サイエンスパーク全体の誇りにもなると思う」と感謝した。

 「チャットGPT」など人工知能(AI)が話題となる現代社会に触れ、「AIはゼロから物事を創造し全く新しいものを生み出すことはできない。人間性や感性などを高める教育が求められる」と述べ、「生命科学を突き詰めると、サイエンスとは無縁と思われている精神文化に行き着く。出羽三山をはじめとする精神文化が息づく鶴岡にはこれからの時代、大きなチャンスがある」と強調した。

 同市の名誉市民の推戴は市条例に基づくもので、市町村合併前を含め冨田氏が29人目。

名誉市民の称号を受ける冨田氏(左)
名誉市民の称号を受ける冨田氏(左)


2023年(令和5年) 8月1日(火)付紙面より

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夏の夜幽玄の世界に浸る 鶴岡 水上舞台で黒川能「水焔の能」

 水上に組んだ野外ステージで黒川能(国指定重要無形民俗文化財)を上演する「水焔(すいえん)の能」が29日夜、鶴岡市櫛引総合運動公園で行われた。かがり火がともされた水上の舞台で能、狂言各一番が披露され、県内外から訪れた観客を幽玄の世界にいざなった。

 1984年に旧櫛引町が町制施行30年を迎えたことを記念して初開催され、今回で39回目。舞台は上座と下座が隔年で演じており、今年は下座が演能を担当した。

 この日は午後6時に開演。春日神社の難波玉記宮司など神職が大神に演能の許しを求め、舞台を清める「舞台まつり」などの後、地元の櫛引東小児童による舞囃子(まいばやし)「高砂(たかさご)」が披露された。

 続いて下座の狂言「梟山伏(ふくろうやまぶし)」、能「大社(おおやしろ)」が演じられた。このうち「大社」は出雲大社(島根県)を舞台にした演目で、水焔の能で演じられるのは初。10月のある日、朝廷に仕える臣下が出雲へ参詣すると、老若二人の「宮人」が現れ社の縁起を語る。宮人が姿を消した後、夜になって現れた十羅刹女や杵築大神が舞いを踊る。海底からは海龍王が現れ黄金の箱を神前に捧げ、国土安全と五穀成就を祝福する―という内容。出雲では八百万の神々が集まる10月を神在月としており、そのにぎやかな光景を能で表現した。

 日が沈むにつれて闇が深まると、水上に設けられた4基のかがり火の炎が鮮やかに浮かび上がった。舞台に響く謡いの声と笛、太鼓の音にまきのはぜる音が重なり、さらに燃え尽きたまきのかけらが水に落ちる「ジュッ」という音が“水”と“焔”の競演を演出。観客たちは舞台を見つめ、幽玄の世界に浸っていた。

火の粉が舞い散るかがり火の向こうで能が演じられ、幽玄の世界を生み出した
火の粉が舞い散るかがり火の向こうで能が演じられ、幽玄の世界を生み出した


2023年(令和5年) 8月1日(火)付紙面より

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小学生バレーボールクリニック アランマーレ選手が指導 レシーブ中心反復練習励む 酒田

 酒田市スポーツ少年団バレーボール専門部(武田正祐部長、加盟12団)が主催した「小学生バレーボールクリニック」が29日、市八幡体育館で行われ、Vリーグ女子1部に昇格した同市のプレステージ・インターナショナルアランマーレの選手・スタッフの指導で団員たちがレシーブ練習を中心に反復した。

 スポ少指導者の技術向上を図る講習会を兼ね、同専門部がアランマーレの協力、同市の日本海総合病院(橋爪英二病院長)、市の後援で2018年から毎年、夏休みに開催している。7回目のこの日は酒田、遊佐両市町の全団から団員約130人と指導者が参加した。

 アランマーレと同病院が贈ったチームカラー「オレンジ」の特製Tシャツを着た団員・指導者は体をほぐした後、レシーブを中心に練習。選手・スタッフから「レシーブは土台とタイミングが大事。足幅を広く取り、きれいなフォームを作ってタイミングを合わせるように」と指導を受けた団員は何度も繰り返していた。

 団員たちはミニゲームやサイン会で憧れの選手たちと交流。八幡スポ少の阿曽菜奈子主将(11)=八幡5年=は「分かりやすく教えてもらえたので、かなり勉強になった。アランマーレの皆さんはすごくかっこいい。これからも頑張ってほしい」と話した。

アランマーレの選手・スタッフの指導で技術習得を図る団員たち
アランマーレの選手・スタッフの指導で技術習得を図る団員たち


2023年(令和5年) 8月1日(火)付紙面より

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マリンスポーツ楽しみ「爽快!!」 車椅子でビッグサップ体験 ねずがせきバリアフリービーチフェス

 障害者とマリンスポーツを楽しむ「ねずがせきバリアフリービーチフェス」が29日、鶴岡市のマリンパークねずがせきで行われた。

 車椅子が通れるようビーチにスロープを整備(2020年)したマリンパークねずがせきで、障害者にマリンスポーツの楽しさを伝えようと一般社団法人ドリームやまがた里山プロジェクト(代表理事・小谷卓鶴岡高専名誉教授)が企画。

 この日は視覚障害者と事故で車椅子生活を送る人たちを招待。プロジェクトのスタッフのほか東北公益文科大学の学生ボランティアが大きなボード(ビッグサップ)やシーカヤックに障害者と乗りマリン体験を楽しんだ。車椅子ユーチューバーとして知られる渋谷真子さん(鶴岡市)は「とても爽快。気持ち良かった。私たち障害者がイベントの日だけでなく、いつ海に来てもマリンスポーツが楽しめる社会になることを願いたい」、全国脊髄損傷者連合会の小林光雄副代表理事(同)は「海に来たのは20年ぶり。やはり潮風はいいですね。たくさんの方に協力していただき感謝したい」と笑顔で話した。

 イベントには庄内町の小学生33人も参加。砂浜に敷いたゴムマットで、車椅子のまま波打ち際まで行ける障害者にやさしいビーチについて理解を深めた。

スタッフとビッグサップに乗って楽しむ渋谷さん
スタッフとビッグサップに乗って楽しむ渋谷さん



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