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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 1月8日(日)付紙面より

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西目土砂災害発生から1週間 ボーリング調査に2―3カ月の見通し

 鶴岡市西目字斎藤で民家を含む17棟が巻き込まれ、高齢夫婦2人の命が奪われた土砂崩れは、大みそか未明の発生から7日で1週間となった。現場となった山の西側斜面には複数の亀裂が確認され、被害拡大の可能性が指摘されている。市は6日、避難指示が出されている7世帯20人のうち、4世帯13人について状況調査に最低でも2―3カ月を要するとの見通しを示した。調査後の安全対策を踏まえて避難指示解除を検討する方針で、避難生活は長期化が避けられない見通しとなっている。

避難世帯へ公営住宅提供検討
西側斜面など亀裂部分にシート

 市は6日午後に開いた災害対策本部会議で、5日の専門家による緊急調査の結果を踏まえ、今後の避難指示の取り扱いを決めた。西側の麓にある4世帯については、背後の斜面で複数の亀裂が確認されたことから2―3カ月程度と見込まれるボーリング調査を行った上で、さらなる調査の必要性や安全対策を検討する方針で、避難は相当な期間に及ぶ見通し。このため市は、避難世帯へ公営住宅の提供も検討している。

 一方、1世帯2人の避難指示は、斜面と住宅との距離が離れていることから危険性は低いとし、この日の災害対策本部会議で解除された。建物被害がない残る1世帯は、住宅近くの斜面から湧水があるため、1―2週間の水抜きなどの安全対策を行った上で、その効果を見て避難指示の解除を判断する。

 県は今後、西側斜面などの亀裂部分をブルーシートで覆って雪解け水など雨水の侵入を防ぐほか、斜面の表層が動く兆候が見られる箇所には、12日までに地盤の動きをモニタリングする測定機器を設置する。ボーリング調査は西側斜面のある程度広い範囲で複数箇所を想定し、地質や地下水の状況を調べる。土砂崩れ現場付近の県道の交通規制は当面続けられる。

 県は6日に開いた土砂災害対策・防災会議で、被災者への支援対策を協議。生活必需品の貸与や応急仮設住宅の設置などを検討する方針を示した。避難世帯への市営・県営住宅の提供については、避難者の意向を聞きながら対応する。

 避難指示の全面解除までは時間を要することとなり、避難生活が続く世帯があることについて、市災害対策本部長の皆川治市長は「避難者にはできる限りの対応をしていきたい」と話した。

土砂災害発生箇所の西側。裏山の上部の赤土が見える付近で建設業者が樹木を伐採し、浸水防止のブルーシートを掛ける準備を進めていた。手前は避難世帯の住宅など=7日午前10時ごろ、鶴岡市西目字斎藤
土砂災害発生箇所の西側。裏山の上部の赤土が見える付近で建設業者が樹木を伐採し、浸水防止のブルーシートを掛ける準備を進めていた。手前は避難世帯の住宅など=7日午前10時ごろ、鶴岡市西目字斎藤

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2023年(令和5年) 1月8日(日)付紙面より

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纏振り心意気示す 鶴岡 消防出初め式

 鶴岡市消防出初め式が7日、市役所前の県道で行われた。消防団員たちが伝統の纏(まとい)振りや分列行進などを市民に披露し、消防人の心意気を示した。

 新年の始まりに規律的な部隊行動を公開し、市民に防火意識を高めてもらおうと市消防団(照井和団長)と市消防本部(岡部信宏消防長)が毎年実施している。今年は鶴岡第1―4、藤島、羽黒、櫛引、朝日、温海の計9方面隊と女性消防隊など団員178人、市消防本部職員33人の合わせて211人が参加した。

 この日、道路約170メートル区間に団員たちが整列。昨年12月31日未明、鶴岡市西目地区で起きた土砂災害の犠牲者に黙とうをささげた。照井団長は「避難生活を強いられている人たちが一日でも早く日常を取り戻せるよう心から願う。今後も市民の安心安全を守るため関係組織と連携を強化し、尽力していくことを誓う」と開始宣言し、皆川治市長が「亡くなられた2人に哀悼の意を表する。消防団員の皆さんには土砂災害の救助活動で尽力していただいた。災害に強いまちづくりに向け、地域防災力の中核として一層の力添えを願う」と訓示した。

 続いて市消防団纏隊13人が7本の纏を手に「神田奴(やっこ)振り」「津軽奴振り」など伝統の纏振りを披露。沿道に詰め掛けた見学の市民たちが大きな拍手を送っていた。その後、各方面隊と消防本部を含む消防車両がフィナーレの分列行進を繰り広げ、今年一年の精進へ決意を示した。

 小学1年生の息子と見学に訪れた五十嵐茜さん(29)=鶴岡市新形町=は「団員の人たちの姿に頼もしさを感じた。子どもも消防車を見て喜んでいたので来て良かった」と話していた。

旗印を操る纏振りで消防人の心意気を示す団員
旗印を操る纏振りで消防人の心意気を示す団員


2023年(令和5年) 1月8日(日)付紙面より

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ひと 酒田市副市長に就任 「第二の古里」産業振興に決意

安川智之(やすかわともゆき)さん

 今年の元日、酒田市副市長に就任。経済産業省職員として、丸山至市長と共に立ち上げた市産業振興まちづくりセンター「サンロク」のセンター長として、培ってきたこれまでの経験を生かし、産業振興を中心に酒田の活性化を目指す。

 学生時代は天文学者を志していた。その転機は東北中を旅する中、秋田県の中山間地で見た祭り。「勇壮な火祭りだったが、『この地に仕事がないからやり手・後継者がなく、文化を継承することができない』という話を聞いた。文化を残すためには生業が必要。ならば」と東北大大学院理学研究科修了後、経産省へ。中小企業の経営サポート、再生可能エネルギー・省エネルギーに関する技術の海外展開などに携わってきた。

 経産省から人事交流で酒田市に赴任したのが2017年4月。足掛け6年にわたって生活の基盤としている酒田の印象について「何といっても人がとても温かい。経済界の人たちと話をする機会が多いが、自らの事業とともに、この地域を何とかしなければという熱意を感じる」と。

 この熱意こそ、酒田の地に残りたいと思った理由として挙げる。もう一つの理由として「立ち上げから『サンロク』に携わり、地域の企業が発展に向けて少しずつでも変化していく姿を目の当たりにしてきた。この変化は喜び。地域活性化・産業振興について酒田というステージでとことんまで突き詰めたい」と続ける。

 就任早々の市職員向けあいさつで「変化し続けること」の重要さを説き、そのために必要なものとして「外の力」「内の力」の2つを挙げた。「外の人が持つ知見、そこに住む人が持つ知見を一つにまとめ上げた上で、いかに具現化していくか。これこそが酒田が発展していく一つのキーになると思う」。

 酒田と出身地の広島県尾道はいずれも北前船の寄港地。町並にどこか懐かしさを覚えるという「第二の古里」のため、強い決意でその職責を果たす。

◇   ◇

 東北大大学院理学研究科天文学専攻を修了し2005年、経済産業省東北経済産業局に入局。人事交流で17年4月に酒田市に出向しその後、市職員に転籍。昨年4月から市地域創生部産業振興調整監兼産業振興主幹。副市長就任後もサンロクセンター長は継続。座右の銘は「つながりのある地域こそ最強」「変化し続ける」。趣味はエレクトーン演奏、「酒田に来てから始めた」というゴルフ。妻と長男、長女を仙台市に残し単身赴任。43歳。

安川智之さん
安川智之さん



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