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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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「酒田のラーメン」日本一 日本ご当地ラーメン総選挙初代王座に輝く 地域活性化の起爆剤として期待

 「真のラーメン日本一を決める」をコンセプトに掲げ、日本ラーメン協会(東京、玉川正視理事長)などが実行委員会を組織し主催した「日本ご当地ラーメン総選挙」が本戦最終日の9日夜、結果が発表され、ウェブ予選を通過し本戦に駒を進めた酒田市と酒田のラーメンを考える会(齋藤直会長)による「酒田のラーメン」が見事、日本一に輝いた。市、考える会は今後、「日本一」とともに、文化庁認定「100年フード」の称号を生かした取り組みを展開していく。

 ご当地ラーメンは、その土地独自の文化や歴史、社会的背景など複合的な事象で誕生した、特色あるラーメンのこと。同協会は▽その土地で広まった実績がある▽特長、特色、定義がある▽発祥から20年以上の歴史を持つ▽知名度がある▽その土地の食文化・社会背景がある▽応援団体が存在する▽行政など公的機関が主体となり、メニュー名が認定されている―の7項目を「定義」としている。

 地域活性化の起爆剤にもなる「ご当地ラーメン」を広くPRしようと初めて開催されたのが今回の「総選挙」。6月14日から約1カ月間にわたって行われたウェブ予選東北ブロックでは、日本三大ラーメンの一つとされる喜多方ラーメン(福島県)を抑え、「酒田のラーメン」が1位で通過。東京・大久保公園で今月5日に開幕した本戦では、市は予選同様、考える会と連携し積極的な情報発信を展開。矢口明子市長、酒田舞娘(まいこ)、市公認キャラクター「あののん」が会場に出向きPR活動を行ったほか、武蔵野市など交流都市、首都圏在住の市出身者に広く周知を図った。

 実食した来場者による投票、会員制交流サイトの拡散数、日本ラーメン協会による抜き打ち現場チェックなど総合的に評価。結果、1万440ポイントを獲得し他を圧倒した「酒田のラーメン」が日本一に輝いた。玉川理事長からトロフィーを受け取った齋藤会長は「取ったぞー」と第一声、「10年ほど前から酒田のラーメンを全国に広めようと活動し、称号を得ることができた。たくさんの人から来てもらい、声を掛けてもらい感謝。胸を張って酒田に帰ります」と続けた。

 市交流観光課は「『ご当地ラーメン日本一』の称号を得たので、『100年フード』とともに生かした取り組みを行い、産業振興、観光誘客などにつなげたい」と話した。

玉川理事長(左)から日本一のトロフィーを受ける考える会の齋藤会長=酒田市提供
玉川理事長(左)から日本一のトロフィーを受ける考える会の齋藤会長=酒田市提供


2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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蚕室 ランウェイ 鶴中央高シルクガールズ 松ケ岡

 鶴岡中央高校総合学科被服系の生徒たちでつくるシルクガールズのファッションショーが8日、鶴岡シルク発祥の地・松ケ岡開墾場(鶴岡市羽黒町)5番蚕室で開かれた。被服系の2、3年生19人が自作した華やかなドレス姿で登場し、来場者を沸かせた。

 シルクガールズは鶴岡市の伝統産業・鶴岡シルクを題材に、課題研究に取り組んでいる。ファッションショーはシルクの魅力を多くの人に伝えようと毎年開いている。数年前に松ケ岡本陣でファッションショーを開いているが、蚕室を舞台にするのは今回が初という。

 今回は「シルクガールズin松ケ岡~鶴岡シルク発祥の地で魅せる~」と銘打ち、華やかなドレスを花に見立ててそれぞれの個性を表現する意味で「桜梅桃李(おうばいとうり)・歴史を紡ぐ鶴岡シルク」をテーマとした。

 ファッションショーは午後1時半と同3時の2回に分けて行われた。レッドカーペットが敷かれた蚕室に軽快な音楽が響き、照明が照らす中、純白のウエディングドレスやカラフルなカクテルドレスに身を包んだ生徒たちが次々と登場。ランウェイでポーズを決めると会場はカメラのフラッシュや拍手に包まれていた。

 プロジェクトリーダーの井上桜和(さわ)さん(17)=3年=は「歴史ある蚕室でのファッションショーは貴重な体験だった。ランウェイを歩く時は緊張したが、たくさんの人がドレスを見てくれてうれしかった。少しでも多くの人にシルクの良さが伝われば」と話していた。

 この日はファッションショーのほか、松ケ岡本陣で食物系を選択している生徒たちが郷土料理の振る舞いを、保育系の生徒たちが繭玉クラフト体験などを行った。

生徒たちの華やかなドレス姿に観客から大きな拍手が起こった
生徒たちの華やかなドレス姿に観客から大きな拍手が起こった


2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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「ひこばえ」伸びる 例年より早い成長 青々と秋風に揺れる

 田んぼは初夏の装い?―。庄内平野の田園で刈り取った稲の株から伸びた「ひこばえ」が秋風に揺らいでいる。稲作農家によると高温で刈り取りが早まり、9月に入っても気温が高かったことで「ひこばえ」の成長が早いという。中には背丈が30センチ以上になり穂が出たものも。田園は田植えをして約1カ月後の青々とした稲がたなびく「6月上旬」のたたずまいを見せている。

 「ひこばえ」は刈り取った後の株に再生した稲。一般的には「二番穂」とも呼ばれる。農研機構九州沖縄研究センターでは、九州地方の温暖な気候を生かし「ひこばえ」の再生二期作の研究を進めている。8月上旬に収穫した後に出てくる「ひこばえ」を栽培。11月上旬に2回目の再生稲を刈り取り農家の収量増につなげる。同センターのほ場(福岡県筑後市)で行った実証実験では平均収量(10アールで0・5トン)の約3倍に当たる1・47トンの収穫を得た。今後は再生二期作に適した品種の選定や施肥技術の開発を行い、低コストの加工用米生産(みそ作りや米菓用)の普及を目指す。当然のことだが東北では、冬に向かう気温と日照不足から「ひこばえ」が成長することはない。

 鶴岡市羽黒町赤川でつや姫と雪若丸を育てている佐藤与一さん(65)は「稲を刈って2、3日もすれば(ひこばえが)伸びてくる。10年、20年前と比べて近年は稲刈りした後の株が見えなくなるほど(ひこばえが)青々と成長する。昔と違って田んぼの様相は変わった。これも温暖化の影響の一つだと思う」と話す。

 10月に入り庄内平野の稲刈りは大詰めを迎えたが中には収穫前の稲穂と、芝生を敷き詰めたような緑の「ひこばえ」とのストライプがくっきりと現れた田んぼも。「初夏」と「実りの秋」が入り混じった光景が見られる。

 県農業技術普及課では稲作農家に対して田んぼを耕し「ひこばえ」を土で分解、来シーズンに向けて養分を蓄える「早めの秋耕(あきこう)」を呼び掛けている。

秋風にたなびく「ひこばえ」。例年より成長が早い
秋風にたなびく「ひこばえ」。例年より成長が早い

早く刈り取った田んぼでは背丈が30センチ以上に伸び出穂したものも=いずれも今月8日・鶴岡市羽黒地域
早く刈り取った田んぼでは背丈が30センチ以上に伸び出穂したものも=いずれも今月8日・鶴岡市羽黒地域


2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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洋上風力発電が大きく前進する

 経済産業省と国土交通省は、遊佐町沖で導入を検討していた洋上風力発電について優先的に整備する「促進区域」に、酒田市沖は促進区域の前段階の「有望な区域」に指定した。遊佐沖は再エネ海域利用法によって発電事業者の公募や選定が可能になり、事業化が前進する。一方、地元や漁業関係者らの不安が解消されたとは言えず、今後も理解を得る丁寧な説明が求められる。

 洋上風力発電事業は、既に営業運転している秋田県沖が先行している。今回遊佐沖と一緒に青森県沖も促進区域に指定した。日本海側は風況などから洋上風力発電導入の潜在力が大きい事になる。日本だけでなく、地球温暖化問題を考えれば、自然の恵みは大いに生かさなければならない。

◇      ◇

 遊佐町沖については昨年1月、国、県、町、漁業関係者らによる法定協議会を設置。選定された発電事業者が守るべき留意事項なども含め、促進区域指定のための合意形成がなされてきた。遊佐沖の風車は基礎を海底に固定する着床式を想定、漁業者の要望を受けて海岸線から1カイリ(1852メートル)離れた先の、沖合約5キロまでの南北約8・3キロ、4100ヘクタール余の範囲を想定。選定された事業者は30年間、優先的に事業が認められる。

 太陽光発電も含めた再生エネ導入は、脱炭素社会に向けて喫緊の課題。中でも陸上より発電効率が大きい洋上風力発電導入は、世界の流れになっている。県も2018年、「県地域協調型洋上風力発電研究・検討会議」と「遊佐沿岸域検討部会(遊佐部会)」を設立して議論を進めてきた。

 遊佐沖の促進区域指定で、洋上風力の事業化が加速する。しかし導入を不安視する声もある。これまでの住民説明会などで示された構想は、高さ260~300メートルの大型風車30基前後の建設が計画され、景観、漁業、低周波音などの影響がないか、周辺住民が不安を抱くのは当然であろう。時田博機遊佐町長も「事業にはさまざまな心配や不満の声が寄せられている」と語っている。行政や事業者がしっかり耳を傾け、不安を解消して理解を得るのは当然のこと。

◇      ◇

 有望な区域に指定された酒田沖は、今後法定協議会が設置され、導入への課題の詰めの作業が進められる。酒田沖の範囲は沖合約4キロ、南北約22キロの広範囲に及ぶ。酒田市や地元経済界は酒田港の「拠点港湾(基地港湾)」としての機能強化、地域活性化につながるなどとして導入に積極的だ。

 今年の夏、猛暑の報道を連日見聞きした。先頃の世界気象機関(WMO)の発表でも、9月の世界の平均気温は史上最高だった。加速する地球温暖化を止めなければ、今後も気温の上昇は続くとされる。温室効果ガスを出さずにエネルギーを確保するために、再生可能エネルギー導入は避けて通れないのではないか。

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2023年(令和5年) 10月11日(水)付紙面より

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安全確保に鹿の角切り 遊佐町少年議会メンバー体験

 遊佐町少年議会のメンバー4人が7日、鳥海山4合目の大平園地にある鹿公園で、雄鹿3頭の角切りを体験した。

 鹿の角切りは、繁殖期を前に気の荒くなった雄鹿が突き合いでけがなどをしないように、あらかじめ角を切り落とすもの。コロナ禍前までは鹿公園そばに舞台を特設。少年議員が雅楽の楽人の衣装をまとって登壇し、「神鹿角切祭」として観光客らに披露し好評を博していた。

 今年は「どうしても角切りをしたい」という少年議会の要望を受けて実施。町内の農家らが柵の片隅に追い込んで倒し、脚を縛って動けないようにした鹿の角を、少年町長の佐藤楓さん(15)=酒田南高1年、少年議員の永原たびとさん(15)=遊佐高1年、ともに少年監査の佐藤和香さん(16)=同、小玉ひかるさん(16)=同=が金のこを使い慎重に切り落とした。

 40センチほどに伸びた角を手にした4人は「一生に一度の貴重な体験。切るのは大変だったけど楽しかった」と話していた。

遊佐町少年議会のメンバーが雄鹿の角を切り落とした
遊佐町少年議会のメンバーが雄鹿の角を切り落とした



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