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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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「湯ったり号」本格運行スタート 乗合タクシー 鶴岡市温海地域の新たな足確保 戸沢、平沢、関川 定期、区域運行3路線

 鶴岡市温海地域で2020年に路線バスが廃止・縮小されたことを受け、地域住民の新たな足となるよう試験運行が進められていた温海地域乗合タクシーが2日、本格運行を開始した。愛称は「湯ったり号」に決まり、同日、同市小名部地区で記念セレモニーが行われた。

 温海地域の路線バスは、人口減に伴う利用者の減少などにより戸沢や平沢、関川の各路線が2020年に廃止された。これを受け、市温海庁舎や地元自治会、あつみ観光協会、福祉団体などでつくる温海地域公共交通運営協議会(五十嵐收一会長)が「地域住民の足の確保が最優先」と乗合タクシーの運用を計画。同年10月1日から試験運行を開始した。運営は市の補助を受けた同協議会が、温海温泉観光自動車(同市湯温海)に運行を委託する方式。

 タクシーの試験運行は定時定路が2、区域運行(利用者登録・予約による運行)2の計4路線でスタートし、3年間で利用者からの聞き取り、アンケート調査を実施。JRや路線バスとの接続に配慮しながら便数や発着時刻、乗降場所、運行ルートなどを見直した。

 最終的に利用実績の少ない菅野代線を廃止し、戸沢線(毎週月~金の定期運行)は1日当たり6便、平沢線(毎週月~土、定期運行)は7便、関川線(毎週月~金、区域運行)6便の計3路線で本格運行がスタートした。定期運行の2路線は観光客を含め誰でも利用でき、区域運行は温海地域の関川、越沢、木野俣など8地区の住民、または同地区に用事のある人が対象。

 本格運行を前に今年7月1日から1カ月間、市広報やホームページ、SNSなどで愛称を募集したところ鶴岡市内から88点の応募があり、利用者と運営協議会で審査した。この結果、西茅原町在住の佐藤博政さん(81)の愛称に決まった。

 この日の記念セレモニーには五十嵐会長や温海庁舎の粕谷一郎支所長、温海温泉観光自動車の柿崎裕社長のほか、湯ったり号命名者の佐藤さん、地元住民などが参加。五十嵐会長が「温海地域らしい愛称が付き、いよいよ本格運行に入る。乗合タクシーの地域導入は全国各地で動きがあり、湯ったり号が先駆けのモデルケースとなれば」とあいさつした。

 続いて命名者の佐藤さんが「15、6年前、温海地域に住んでいた際、毎日共同浴場でゆったりと体を癒やしていた。そうした思い出と温海地域を象徴する湯から『湯ったり』の名称を思い付いた」と説明し、「選んでくれた皆さんに感謝したい」と謝辞を述べた。

 タクシー運転手の安全運転宣言の後、地元住民の拍手に包まれタクシーが小名部地区を出発した。見送った地元の70代女性は「小名部の辺りは山の中だから浜(鼠ケ関方面)まで買い物に行かなければならない。交通手段があるのは便利で本当にありがたい」と話していた。湯ったり号は全長5・4メートル、幅1・88メートル、高さ2・28メートル。運転者を含めて10人乗りで運行する。

タクシー運転手(中央)の安全運転宣言が行われ、「湯ったり号」の本格運行がスタートした
タクシー運転手(中央)の安全運転宣言が行われ、「湯ったり号」の本格運行がスタートした


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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本年度農業賞に伊藤氏(酒田) 庄内文化賞に酒井氏(鶴岡) 酒田市 11月2日顕彰式

 酒田市は、本年度の農業賞をJA庄内みどり代表理事常務など歴任した伊藤千春氏(67)=同市保岡=に、庄内文化賞を公益財団法人致道博物館顧問の酒井天美氏(78)=鶴岡市家中新町=にそれぞれ贈ると発表した。顕彰式は11月2日(木)に同市のベルナール酒田で行われる。

 農業賞は、初代酒田農業協同組合長の故伊藤惣治郎氏の遺志と遺族の寄付に基づき、市が1979年に伊藤農業振興基金を造成し伊藤農業賞として創設。市の表彰規則に基づき農業振興に積極的に取り組み、他の模範となる個人・団体を表彰している。

 伊藤氏は1995年に本楯カントリーエレベーター利用組合長に就任、乾田V溝直播栽培の実践、農業生産法人の法人化など地域農業の生産振興に注力。2013年から昨年まで本楯地区農業振興協議会長を務め、地域農業のリーダーとして先導的な役割を果たした。07年6月―13年6月には同JA代表理事常務を歴任した。

 庄内文化賞は1979年創設。市の規則に基づき庄内地方に居住し学術、美術、音楽、演劇、舞踊などの活動で優れた成果を挙げた個人・団体を顕彰している。

 酒井氏は、鶴岡市の松ケ岡開墾場二番蚕室を利用して1986年に設立した「ギャラリーまつ」で、29年という長きにわたって500回を超える展覧会を開催し、庄内地域をはじめとした国内外のアーティストによる芸術作品を広く紹介してきた。自身も歌人として芸術活動に励み、昨年9月に発行した歌集「四季の恵」は好評を博している。

左から酒井天美氏、伊藤千春氏
左から酒井天美氏、伊藤千春氏


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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流行に備え早めに対応 インフルエンザワクチン接種始まる

 今月から始まった季節性インフルエンザのワクチン接種。例年になく早い時期から感染が広がっていることを受けて庄内地域の各医院でも老若男女らが早速訪れ、接種を受ける姿が見られる。

 例年になく早い時期からインフルエンザ感染が広がっている今季。日本感染症学会は2020年以降、大きな流行がなかったことから子どもや高齢者を中心に抗体量が減って感染しやすい状態の人が増えている可能性があると指摘し、「ワクチンの積極的な接種を推奨」とする文書を公開している。

 実質的に接種初日となった2日午前、酒田市広野の池田内科医院(池田眞人院長)には、老若男女が訪れ、池田院長による問診の後、看護師から受けていた。

 北海道への修学旅行を控え、初日に接種を受けた片桐愛夢さん(17)=酒田南高2年=は「校内でも流行(はや)っている。楽しみな修学旅行を前にかかってはいけないと思い、早めに接種した。これでひと安心」と話した。同医院チームリーダーで看護師の安食千祥さんは「新型コロナ・インフルエンザワクチンの同時接種、同時検査も可能。流行に備え、自分の体に対する意識を高く持って早めの接種を」と呼び掛けている。

ワクチン接種を受ける女子生徒=2日午前、酒田市広野の池田内科医院
ワクチン接種を受ける女子生徒=2日午前、酒田市広野の池田内科医院


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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人口減少を止める街の振興策は

 酒田市の9月定例議会が開会した。9月に就任した矢口明子市長は「市が抱えるさまざまな課題の根本原因である人口減少をできる限り抑制し、人が減っても豊かに安心して暮らせるような街づくりをする」と、市政を担う抱負を述べた。同市では市街地活性化につながる整備が動いている一方、足踏みが続く計画もある。街づくりに向けた市の役割は大きい。

 人口が減少期に入った。減り方が大きい地方では、商業施設や住宅を中心部に集約させる「コンパクトシティー」構想へ期待が高まった時期もあった。しかし中山間地など広大な市域を抱える地方の都市での実現には、なかなか難しい構想でもあった。矢口市長の、人口減少下で安心できる街づくりの手腕に期待がかかる。

◇      ◇

 矢口市長は具体的な施策として(1)市民所得の向上(2)働きたいと考える全ての市民が働くことができる環境の整備―などを柱に掲げた。併せて「人口減少時代こそ一人一人に求められる役割が大きい」と、豊かな街づくりに向けて市民の総力が集まることが欠かせないとも述べた。

 酒田市では1976年10月の酒田大火後、中心街の核、中町の清水屋デパートと、JR酒田駅前の大沼デパートと大手スーパー・ジャスコによる「商業二極回遊型」による市街地活性化に期待が集まった。酒田北港への企業進出もあって人口が10万人を超え、2005年の広域合併で11万8400人に増えた人口も21年3月に10万人を割った。一方、合併で市域面積は旧市域の3倍余の約600平方キロに増え、国の政策による広域合併がコンパクトシティー構想を難しくしたとも言える。

 街の元気の指針の一つが、中心街に集まる人の動向。市の調査によれば、ジャスコ跡地前、大通り商店街、中町モール3地点合計の人出は14年の2718人から20年には2167人に減り、21年の中心市街地活性化に関するアンケート調査(回答数1071件)では、5年ほど前と比べて中心市街地を訪れる機会が増えた・やや増えたは15%、変わらない39・5%、減った・やや減ったは39%。数字からは中心市街地離れの傾向が見えてくる。

◇      ◇

 長年の懸案のJR酒田駅前の再開発が完成し、観光の中核の山居倉庫周辺、県立酒田商業高校跡地の再開発事業も進む。中町の旧パイレーツビル跡地にホテルの進出も決まった。「人が集う」施設ができる事は、にぎわいの創出につながる期待が持てる。

 閉店から2年、破産手続きが進められている旧マリーン5清水屋跡の開発に焦点が集まる。土地の購入を希望する企業があるが、購入価格、再開発方法などで地権者の意見が分かれている。酒田の経済を支えてきた中町商店街の再開発は、矢口市長が進める街づくりにも大きく関わる。旧マリーン5清水屋跡再開発の、早期前進を願いたい。

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2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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就業体験で得たものは 遊佐高デュアル実践 自らの実習成果発表 町内事業所に“通勤”

 県立遊佐高校(佐藤りか校長、生徒63人)の2年生が遊佐町内の事業所で行った長期就業プログラム「デュアル実践」の成果発表会が29日、同校で行われ、実習生らが計12回の就業体験を通して学んだことなどを発表した。

 同プログラムは地元定着促進、将来を担う人材育成などを狙いに同校が2016年度に県教育委員会、町、町商工会などの協力で県内他校に先駆け導入。通常の就業体験は2―5日程度だが、同プログラムは夏季休業中を除く4月下旬から8月下旬まで、毎週水曜にフルタイムで体験する。本年度は地域共生系列を選択する2年生15人が町内15事業所で実施。実習先は接客業や運輸業、工場、農業など多岐にわたり、それぞれの業種への学びを深めた。

 発表会には生徒や教職員、受け入れ事業所の代表者、保護者ら約110人が出席。運営委員長を務める高橋冠治同窓会長が「実践を通して、各事業所の仕事への熱意を感じ取ったと思う。発表では受け入れ事業所への感謝の気持ちを忘れず、自信を持って伝えてほしいと思う」とあいさつした。

 成果発表はポスターセッション形式で行われ、生徒たちは1人7分間にわたり自らの実習の成果を発表。「保育園では子ども一人一人の対応の仕方や接し方が違い戸惑ったが、とても参考になった」「厨房業務は連携が大切。自分の担当が遅れると他の担当にも影響が出ることを学んだ」など直面した課題、「小さな部品を一つ一つ組み立てるのに魅力を感じた」「接客でお客さんに喜んでもらえることにやりがいを感じた」など、実習で得た経験を堂々と話していた。

 町立図書館で実習を行った根本莉寿(りず)さん(17)は「事務作業と接客両方が経験できる図書館を選んだ。本と触れ合いながら人とコミュニケーションできるところにやりがいを感じ、司書の仕事にも興味を持った。将来事務職かホテルで働くホテリエで悩んでいるが、どんな仕事でも生かせる経験ができたと思う」と話した。

就業体験で得た学びや経験を発表する遊佐高の生徒たち
就業体験で得た学びや経験を発表する遊佐高の生徒たち


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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おっきいの採れた 笑顔がはじける 「ひので」利用者と東部保育園児 サツマイモ収穫楽しむ

 鶴岡福祉村が運営する障害者支援オフィス「ひので」(佐藤光寿理事長、鶴岡市日出一丁目)の施設利用者と近くの東部保育園(白井育子園長)の園児が2日、鶴岡市羽黒町松尾地区の畑でサツマイモの収穫を楽しんだ。

 農業・福祉の「農福連携」を進めようと今年5月、施設利用の障害者と同園の園児が、赤川沿いにある畑で焼き芋にするとおいしい「紅あずま」の苗を植えて育ててきた。畑は4年前、「農業と福祉のために有効に使ってください」と所有する高齢農家から無償で貸してもらった。

 紅あずまは平均20センチ前後、大きいもので30センチに育ったものも。「ひので」の施設利用者25人と東部保育園の園児22人が土を掘り起こし「大きいの採れた」と笑顔を見せた。

 「ひので」の担当者は「100本の苗を植えて育てたが出来栄えは上々。収量にして300キロぐらいはあるのではないだろうか」と話していた。

 収穫した紅あずまは今月下旬から来月上旬に東部保育園の園庭で「焼き芋パーティー」を開いて味わう。今回、収穫に参加した園児と施設利用者が一緒になって交流を深める。

大きいサツマイモを収穫し満足そうな東部保育園の園児たち
大きいサツマイモを収穫し満足そうな東部保育園の園児たち



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