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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より

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「業を起こす人」発掘・育成 公益文科大 来春開所 起レ業研究所発足記念シンポ 庄内の若手起業家が意見交わす

 東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)で学ぶ学生から起業家精神を育んでもらう「起レ業(ギョウヲオコス)研究所」(所長・神田学長)が来春、開所するのを前に25日、発足記念シンポジウムが同市のガーデンパレスみずほで開かれた。今年6月まで県総務部長を務めた小林剛也内閣府参事官・財務省財務総合政策研究所客員研究員の進行で、庄内地域の若手起業家3人がパネル討議した。

 公益大は今年2月から地域の経済・産業界と連携し、将来の地域産業について議論する「地域連携シンポジウム」を計4回にわたって開催してきた。これを踏まえた上で、最大の役割である「社会に有為な人材を育成すること」を念頭に、2024年度から「起業家育成」に係る教育プログラムを展開することとし、実施母体となる同研究所を学内に設置した。

 プログラムでは「自らの意思で業を起こし、地域や社会を変えていく起業家マインドを持った人材を育成すること」を教育目標に掲げ、希望を持てる話と実践を兼ね備えた多くの人から外部講師として招聘、計26回の講義を通して学生から志と向上心を養い、主体的に取り組む姿勢を身に付けてもらう。所長は神田学長、小林氏は客員研究員に就任した。

 この日は趣旨に賛同した約100人が聴講。米俵などの販売を手掛ける田和楽(鶴岡市)の佐藤智信社長、テレビCMやプロモーションビデオの制作に携わるオリーブ(酒田市)の橋本道春社長、インバウンドプロモーション、旅行事業を展開するThe Hidden Japan(同)の山科沙織代表をパネリストに迎え、小林氏の進行で「業を起こす人とは」をテーマに意見を交わした。

 自己紹介に続き小林氏が研究所発足に至った経緯などを解説、「公益大の公立化、教育内容の強化に向け今年2月以降、再生可能エネルギー(2回)、モビリティについてシンポジウムを開催し、番外編として街歩きを体験した。『次に何をやろうか』と議論した時、『地域で活動する人がいないと駄目』となり、自ら業を起こす人、組織の中でも地域に価値を提供できる人の発掘につなげたいと思った」などと述べた。

 研究所に対する期待に関して、佐藤社長は「経営に主眼を置いた『ゲームマスター』として活動できるよう心掛けて」、橋本社長は「若い人をサポートすることこそがこれからの私の仕事。庄内全体のレベルアップを図りたい」、山科代表は「さまざまな人と交流して視野を広げてほしい。インバウンドに興味のある学生がいたら、ぜひインターンを」と。小林氏は「公益学、『起レ業』は希望のある学問。希望があれば道は開ける。皆さんの助言を頂きながら研究所を進めていきたい」と話した。

 討議に先立ち新田嘉一公益大理事長は「教育の根本は自立して生きていくことができる人材の育成。人口減少が進むこの地域において、大学の果たす役割は今後、さらに増していく。地域の未来を支えていく人材の育成に結び付くことを期待する」とあいさつした。

※「起レ業」のレは返り点

「業を起こす人とは」をテーマに意見を交わしたシンポジウム
「業を起こす人とは」をテーマに意見を交わしたシンポジウム


2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より

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就業体験の成果 鶴高専生が報告 CO―OP教育発表会

 鶴岡工業高等専門学校(太田道也校長)の学生が夏休みを利用して製造業で働いた成果を発表する会が24日、鶴岡市井岡の同校で行われた。

 キャリア能力の向上につなげようと同校では3、4年生の学生を対象に企業で働く機会を提供する「CO―OP(コーオプ)教育」を進めている。今回は3年生16人と4年生4人の合わせて20人が参加。夏休みを活用し10―14日間かけてモーターを製造している企業など県内外10社で就業体験した。

 この日は▽就業に参加した目的▽どんな仕事をしたか▽実際に働いて学んだこと▽今回の体験を今後どのように生かしたいか―をポスター大の用紙にまとめて報告した。会場には各企業の担当者が訪れ、学生にアドバイスを送った。

 男子学生は「報告、連絡、相談と社会でよく言われる『報連相(ほうれんそう)』が身に付いた。会社で働く責任の重さとコミュニケーションの大切さも学んだ」「実際に働いて学生と社会人との違いを認識することができた」と話した。

 受け入れ企業の担当者は「わずか10日ほどの就業期間だったが、よく会社のことや製品について勉強しているな、と感心した。次のステップにつなげてほしい」とエールを送った。

 「CO―OP教育」で学生の受け入れに協力した企業は次の通り。

 ▽アライドマテリアル酒田製作所▽ウチヤ・サーモスタット▽オリエンタルモーター▽片桐製作所▽シンクロン▽スズモト精密▽東北電機鉄工▽山形メタル▽山本製作所▽JVCケンウッド山形

就業成果を発表する学生
就業成果を発表する学生


2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より

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上質で軽やかなファッション 松ケ岡開墾場シルクミライ館 服飾ブランド「matohu」展示会

 日本の歴史や伝統技術に着目し服作りを行っている服飾ブランド「matohu」(まとう)の2024年春夏コレクション「命の糸」特別展示会が鶴岡市の松ケ岡開墾場「シルクミライ館」で開かれている。鶴岡シルクとコラボし手掛けた、上質で軽やかなファッションアイテムが並んでいる。25日には同館でmatohuのデザイナー2人がトークイベントを行い、鶴岡の絹産業への思いや今回の新作にまつわるエピソードを語った。

 matohuはファッションデザイナーの堀畑裕之さんと関口真希子さんが09年に設立。2人で現地を訪ね、実際に歴史や風土に触れて制作を行っている。

 布の原点である糸に立ち返ろうと、今年春から数回にわたって鶴岡を訪れ養蚕、製糸、染織など絹産業の一連の行程に触れた。蚕の命から生まれるシルクを「命の糸」と表現し、鶴岡シルクとのコラボ作品を発表。企画展を東京や大阪、名古屋などで開き、鶴岡を最終開催地に選んだ。

 25日のトークイベントには市内外から約30人が集まった。堀畑さんと関口さんは鶴岡のシルク産業の伝統などに触れ、心に刻まれたことをロードムービーを通して紹介。堀畑さんは「繭から糸ができるまでの行程を初めて見た時は衝撃を受けた。命を頂くありがたさを再認識しなければと感じた」、関口さんは「養蚕から染織まで全ての行程を一つの土地で行っている所は日本では鶴岡しか残っていない。デザイナーにできることでこの伝統をいつまでも守っていきたい」とそれぞれ語った。

 展示は30日(木)まで。時間は午前9時―午後4時。水曜定休。

鶴岡シルクとコラボした2024年春夏コレクション「命の糸」のアイテム
鶴岡シルクとコラボした2024年春夏コレクション「命の糸」のアイテム

関口さんと堀畑さんによるトークショー。命を頂くありがたさ、伝統をつないでいく志を共有した
関口さんと堀畑さんによるトークショー。命を頂くありがたさ、伝統をつないでいく志を共有した


2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より

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半世紀踏まえ未来へ志新た 余目中創立50周年祝い記念式典

 今年で創立50周年の節目を迎えた庄内町立余目中学校(佐藤義徳校長、生徒403人)で26日、節目を祝う式典が開かれ、半世紀にわたるこれまでの歩みを踏まえ、未来に向けて志を新たにした。

 同校は1973年4月に旧余目中、旧和合中が統合し、全23クラス計1018人が学ぶ「マンモス校」として創立。86年7月に現校舎が完成、当時は「東北地方随一の規模」として視察が相次いだという。これまでに1万1400人余が巣立ち国内外で活躍している。今月20日には節目を記念した教育講演会として同校OGでボイストレーナーの佐藤涼子さんが講演した。

 同校体育館で行われた式典は、同校と創立50周年事業実行委員会(佐藤恒実行委員長)の主催。同校OGで現在、テレビユー山形でアナウンサーを務めている渡部有さんが司会進行を務め、全校生徒と共に教職員、来賓が出席した。

 国歌斉唱に続き佐藤校長が「生徒たちが学習、部活動に思う存分、力を発揮できるよう支えていただいている多くの人に感謝。先が見えない大きな変革期を迎えている現在、これまでの歴史を大切にしながら時代にあった教育を推進している。教育目標の実現に向けてこれからも努力し、挑戦し続けていくことを誓う」と式辞。富樫透町長、石川保町議会議長、佐藤真哉教育長がそれぞれ祝辞を述べ、このうち富樫町長は「生徒たちが活躍するニュースは町民を明るく勇気づけてくれる。子どもたちは地域の宝であるとともに、地域の希望。歩みを止めず、さらに充実・発展していくことを祈念する」とした。生徒を代表し坂田絢香生徒会長(3年)が「将来に向け地域、後輩を大切にする伝統を受け継いでいきたい。50年という長い間、一年一年、一日一日の充実した積み重ねがあったと思う。うれしいこと、苦しいこと、悔しいこと、そして楽しいことが刻まれたこの校舎で学べることがうれしい。この経験を生かし未来に向けて一歩踏み出したい」と述べた。最後は全員で校歌を声高らかに歌い上げて節目に彩りを添えた。

体育館内に晴れやかな歌声を響かせる生徒たち=26日
体育館内に晴れやかな歌声を響かせる生徒たち=26日



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