2023年(令和5年) 12月2日(土)付紙面より
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少子化に伴い酒田市の第四中学校区(川南地区)にある小・中学校の統合を見据えた説明・意見交換会が30日夜、同市の東北公益文科大学公益ホールで開かれ、市教育委員会が「酒田四中と学区内6小学校を統合し、小中学校の区別なく義務教育を一施設で行う義務教育学校を新設する」「敷地は地域の中心的な施設である酒田四中に義務教育学校を建設するのが合理的」などの方針を初めて住民に示した。
四中学区は同校を中核に新堀、広野、浜中、黒森、十坂、宮野浦の6小学校を含む区域。少子化のため、市では川南地区の義務教育対象者人口が本年度の1089人から6年後の2029年度には812人に減少することや来年度には4小学校で複式学級が編成されることなどから、昨年12月以降、地区住民に対し「学校統合に関する説明・意見交換会」を実施。早期の学校統合を望む声が多数あったとして、小中学校の区別なく義務教育を一施設で一貫して取り組む「義務教育学校」の新設などを視野に入れた「酒田市立第四中学校区における義務教育環境に関する基本方針案」を今年5月に策定。その後、有識者らによる「酒田市小・中学校学区改編審議会」(加藤博之会長)に諮問、同審議会は「第四中学校と学区内6小学校を統合することが望ましい」などと答申した。
市教委側では酒田四中以外にも候補地を検討したものの、▽早期の開学を望む声がある▽土地の新規取得には時間を要する▽取得後も整地作業が発生する―などから、「義務教育学校は酒田四中の敷地を活用するのが合理的」とした。
この日の説明・意見交換会には地元住民らが出席。市教委側が▽酒田四中と学区内6小学校の統合▽義務教育学校の新設と酒田四中の敷地活用▽新校舎は学童機能などを含め4階建てを想定▽2028年度末までに新校舎を建設、29年4月の開校を目指す―ことなどを説明した。
意見交換では「義務教育学校の理念や統合については賛成するが、お金がかかる、時間がかかるだけで建設場所を酒田四中としていいのか」「遠方の児童生徒はスクールバス通学になるが費用負担は発生するのか」「酒田四中の周囲はスクールバスが入るにも狭く、児童生徒の安全面を心配している」などが出された。
市教委は今月中にも学区内でPTAや保護者を対象にした説明会を開く方針。