2023年(令和5年) 12月14日(木)付紙面より
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人口が減少しても消滅しない都市を戦略的に目指すべきだとして、鶴岡商工会議所(上野雅史会頭)は12日、鶴岡市に対し、市民生活を支える中心市街地の活性化に関する独自ビジョンをまとめた提言書を提出した。中心市街地のまちづくりプロジェクトを長期的視点で検討、実施し、総括的に担う官民連携組織の設置などを求めた。
市は本年度、今後おおむね15年間にわたる中心市街地の将来ビジョン策定を予定し、さらに来年度には第3期となる中心市街地活性化基本計画の策定を見込んでいる。提言書は、こうしたビジョンや基本計画の参考にしてもらおうと、会員企業や各種団体などのヒアリングを通じてまとめた。
官民連携による長期的視点でまちづくり事業を推進するエリアマネジメント組織の新設をはじめ、「中心商店街」「まちなか観光」「まちなか居住」の3つを中心課題として挙げ、▽旧鶴ケ岡城大手門から内川の三雪橋に続く「三日町口通り」の歩行区間整備など歩ける環境づくり▽図書館本館など公共施設の中心部への移転▽川端通り一方通行解除後の銀座通りの活用▽歴史的建造物の活用▽建築物の高さ制限など現行規制の検証―など具体的なプロジェクトを盛り込んだ。
この日、上野会頭らが市役所を訪れ、皆川治市長に提言書を手渡した。上野会頭は「想定を超える少子高齢化に強い危機感を持っている。消滅しない持続可能なまちづくりを戦略的に考えていくことが重要だ」と述べ、皆川市長は「エリアマネジメント組織を含め、ビジョン策定などでしっかりと検討していきたい」と応じた。
2023年(令和5年) 12月14日(木)付紙面より
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鶴岡市芸術文化協会(東山昭子会長)は12日、第18回鶴岡市芸術祭の受賞公演を発表した。最高賞の芸術祭大賞には吉続舞踊学園(吉続正義代表)の「創設95年記念吉続舞踊学園現代舞踊公演」が輝いた。授賞式は23日(土)午後3時から同市の東京第一ホテル鶴岡で開催される「芸術祭閉幕のつどい」の席上行われる。
市芸術祭は新市発足を機に、2006年度に旧6市町村の各芸術文化団体と市教委の主催で新たにスタートした。本年度は8月30日から今月3日まで45団体が参加し計38公演を繰り広げ、約3カ月間にわたって鶴岡の芸術の秋を彩った。
芸術祭優秀賞には▽錦心流琵琶全国一水会鶴岡支部(市川清治代表)第53回錦心流琵琶鶴岡支部演奏会▽庄内写真研究会(佐藤時彦代表)第28回庄内写真研究会写真展▽荘内金管合奏団(伊藤聡代表)荘内金管合奏団秋の公演2023ブラスオーケストラで世界旅行▽剣聖流剣詩舞鶴岡剣聖会(佐藤昌直代表)鶴岡剣聖会「剣と扇の舞」―の4公演が選ばれた。
大賞に決まった吉続舞踊学園の現代舞踊公演は、11月19日に荘銀タクト鶴岡で行われた。3歳以上の幼児のかれんなダンスから成人の優雅な舞踊まで、多種多様なテーマで構成した28曲が演じられ、「それぞれの技能に応じ表現力豊かに熱演し、心温まる舞台だった。学園の95年に及ぶモダンダンスの研さんと努力が創造性、表現力、構成力の高さとなり、将来の方向性をも示した秀逸な記念公演だった」と高く評価された。吉続舞踊学園の大賞受賞は、2008年度の第3回芸術祭以来2度目。
2023年(令和5年) 12月14日(木)付紙面より
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年末年始を前に国土交通省東北運輸局(石谷俊史局長)は12日、「安全総点検」として最上川舟下りの最上峡芭蕉ライン観光(鈴木富士雄社長)を視察した。
人や物の輸送需要が集中する年末年始の期間に合わせ、輸送事業者などの安全意識を高めることを目的に同運輸局が毎年この時期に行っている。昨年4月に発生した知床遊覧船沈没事故や今年3月の保津川下り船転覆事故などを受け、同運輸局でも事業者への指導を強化している。
この日は石谷局長ら同運輸局職員9人が戸沢村の同社古口港を訪れ、鈴木社長ら4人の案内で「第1芭蕉丸」(8・5トン、定員60人)と「第36芭蕉丸」(8・5トン、定員50人)の運航基準や運航状況、出航の可否のほか、救命胴衣、救命浮環、ロープ付きバケツなど救助、消火用設備などを約1時間にわたりチェックした。
視察を終え、石谷局長は「天候や風、職員の健康など日々状況は変わる。当たり前のことを積み重ねることで安全は確保される」、鈴木社長は「雪見船の時期は繁忙期だが、お客さまの安全を再確認し安全運航に努めたい」とそれぞれ話していた。
2023年(令和5年) 12月14日(木)付紙面より
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酒田市黒森地区の伝統芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)の正月公演(来年2月)を前に、関連行事「歌舞伎そばを楽しむ会」が12日昼、地区内の黒森日枝神社演舞場で開かれた。正月公演の成功を願い、一座「妻堂連中」(五十嵐良弥座長)の座員と保存会(菅井儀一会長)のメンバーがそばを食べながら懇談したほか、来賓として出席した鶴岡市出身の歌舞伎役者・中村橋吾さんが力強い演舞を披露した。
江戸・享保年間(1716―35年)から地区民によって連綿と受け継がれてきた黒森歌舞伎。同神社演舞場で来年2月15(木)、17(土)の両日行われる正月公演は、「白浪五人男」として知られる5人組の活躍を描いた「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」のうち、弁天小僧の「知らざぁ言って聞かせやしょう!」という名ぜりふが飛ぶ「雪ノ下浜松屋見世先の場」、五人がそろって名乗りを上げる「稲瀬川勢揃いの場」の2幕を上演する。黒森小児童による少年歌舞伎は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」のうち「吉田社頭車引の場」。
「―楽しむ会」は、妻堂連中が保存会関係者らを招いて地区特産のそばを振る舞うもので、半世紀余続く恒例行事。長く黒森コミセンで開催してきたが、歌舞伎の雰囲気をより味わってもらおうと一昨年から演舞場で実施。計約20人が参加した。
「歌舞伎そば」の歴史について菅井会長が紹介した後、矢口明子市長が「コロナ禍が明け、通常通りの正月公演ができると聞いている。成功を祈念する」、佐藤猛市議会議長が「酒田の文化度向上にこれからも尽力を」とそれぞれあいさつ。その後、座員が手打ちしたそばが振る舞われ、参加者は歌舞伎談義に花を咲かせながら味わっていた。
一方、橋吾さんは五十嵐座長のつけ打ちで創作歌舞伎を披露し、「酒田出身の若手歌舞伎役者も力を付けており、ぜひ一緒に酒田で公演したい」と述べた。五十嵐座長は「『浜松屋』は黒森歌舞伎として初演。本狂言、少年歌舞伎とも高いレベルのものを見せられるよう頑張っている。期待してほしい」と述べ、引き続きの支援をお願いした。
2023年(令和5年) 12月14日(木)付紙面より
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オリエンタルモーター鶴岡中央事業所と鶴岡西事業所(代表・西島隆一鶴岡カンパニー執行役員社長)の出前実験教室が12、13の両日、鶴岡市の鶴岡二中(和田恭司校長)で行われた。2年生150人が参加し、モーターの実験を通してものづくりの楽しさに触れた。
中学生に地元製造業について認識を深めてもらい、将来の視野を広げてもらおうと若手社員が講師となり毎年出前授業を開いている。
初日の12日は入社2年目の若手社員6人が訪問。生徒と一緒にコイルモーターを作ったり、寿命が長く効率の良いブラシレスモーターを分解させてブラシ付きモーターとの違いを教えた。
丸山桜さん(14)は「とても細かい部品からモーターが作られているのを知って驚いた。社員さんに分かりやすく解説してもらい、楽しく実験できた」と話した。