2023年(令和5年) 12月31日(日)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺(水口道雄住職)で29日、年末恒例の餅つきが行われた。読経の声が響く中、僧侶たちが「新年が良い年になるように」と願いを込め、きねを振るった。
正式には「餅つき諷経(ふぎょう)」と呼ばれ、同寺に祭られる龍神様へお供えする餅をつく行事。一般に29日の餅つきは「九(苦)持ちになる」と避けられるが、同寺では「二(ふ)と九(く)で福に通じる」として毎年この日に行っている。
この日は僧侶約20人が参列。午後1時の鐘の音を合図に、御守札授与所に設けられた祭壇に向かい般若心経を唱えた。その後、災いをなくす「消災妙吉祥陀羅尼」、歳神をたたえる「南無当年星本命元辰」と唱える声が響く中、水口住職をはじめ僧侶たちが交代で長さ約1メートルのきねを振るい、5升分の餅をついた。丸餅にした後、本堂に供えるという。
水口住職は「今年一年、無事に過ごせたことへ感謝し、辰歳(たつどし)御縁年の来年は多くの方にお参りいただけるよう心を込めて餅をついた。上り龍は景気が上がり、下り龍は天から龍神様が降りて人々に幸せをもたらす。来年は誰もが健康で幸せになるよう願う」と話していた。
同寺では31日に除夜の鐘を突く人を受け付ける。先着108人(1打300円)で午後4時に受け付け開始。同10時から鐘を突く。辰歳御縁年となる新年は、元日が午前0時から元朝大祈祷(きとう)。同7時から午後4時まで1時間おきに一般祈祷が行われる。2、3日は午前5時半から朝祈祷、一般祈祷は同8時から午後4時まで1時間おき。4日以降の一般祈祷は午前8時から午後4時まで2時間おき。
また、辰歳記念企画として4月15日~5月15日と10月20日から11月20日の期間、特別拝観が行われる。正午の祈祷に参列し、奥の院龍王殿で八大竜王像などを拝観する。御縁年抽選が行われ、当選者には記念品が贈られる。拝観料は1人2000円(記念お守り付き)。
このほか12日に1度の辰の日に特別御朱印を頒布する。龍の姿を刺しゅうした特別御朱印帳は2月から頒布の予定。自由拝観(4月15日~11月10日、午前9時~午後3時半)では王昭君図(レプリカ)の展示や、同寺に伝わる「蛇紋石」めぐりのスタンプラリー、五百羅漢堂内の一般公開などが予定されている。拝観料は1人500円。問い合わせは善寳寺=電0235(33)3303=へ。