2023年(令和5年) 2月10日(金)付紙面より
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鶴岡市は8日、同市高坂にある旧県立鶴岡病院の跡地利用について、県と連携して既存施設の解体を進め、屋外型の人工芝サッカー場を整備する方針を明らかにした。市はサッカーコート1面とフットサルコート2面の整備を見込み、2027年度中のオープンを予定している。サッカー場整備の事業費は市が負担する。
同日開いた市議会への主要事項説明会で方針を示した。市の整備案によると、広さ9360平方メートル(117メートル×80メートル)のメインコート、1840平方メートル(46メートル×40メートル)のサブコートをはじめ、管理人室や会議室、倉庫、トイレなどを備える平屋建て管理棟(面積300平方メートル)、夜間照明設備、約240台分の駐車場を設ける。地元の競技団体などへの説明を経て23年度に基本計画を策定し、25年度に実施設計を行い、26―27年度に工事を進める予定。
一方、旧施設の解体は23―26年度に予定し、8億円程度が見込まれている解体費用は市と県が負担する。解体の実施設計などは県が行い、解体事業は市が県から土地と建物の無償譲渡を受けた後、市が実施主体となって施設解体を進める。
旧鶴岡病院は、15年3月に県立こころの医療センターが同市北茅原町に開院したのに伴い、閉院した。その後、市は地元要望を踏まえ、既存施設の早期の解体とともに跡地利用としての県営サッカー場整備を県に対して求めていた。
市の説明によると、本年度に入って市が人工芝サッカー場を整備する案を県に提示したところ、県は土地・建物の無償譲渡を提案されたという。双方が協議を行い、市と県による費用負担について、それぞれが予算化していくことを確認したという。
2023年(令和5年) 2月10日(金)付紙面より
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出羽商工会(上野隆一会長)と鶴岡市議会産業建設常任委員の懇談会が6日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれた。同商工会が昨秋市議会へ提出した要望書を基に、地場中小企業の事業承継や人材確保・育成への支援など、諸課題について両者が意見を交わした。
懇談会は、人口減少や高齢化など諸課題を抱える地元商工会と、産業関連の委員会に所属する市議が意見交換する場として昨年初めて開催。出羽商工会は上野会長をはじめ役員など、市議会産業建設常任委員会から秋葉雄委員長や委員など合わせて35人が出席した。
意見交換の基となった出羽商工会の要望書は▽新型コロナおよび原油価格・物価の高騰により影響を受けた事業者への支援▽公共事業などにおける地場企業への優先発注の継続▽地域内の消費を喚起する事業の継続▽技術者養成と事業継続のための人材育成・確保の支援▽中小企業・小規模企業振興条例の早期制定▽出羽商工会への支援拡充―の6点が盛り込まれた。
このうち地場企業への優先発注について、商工会側からは建設業に関して「大手ハウスメーカーが資材や木材を他地域から持ってくる状況が続けば、地元の建設業者がつぶれる一方。もっと鶴岡の木材を利用してもらえるような仕組みづくりを」と強い要望が寄せられた。これに対し市議側は「ハウスメーカーでは伝統的な技術が継承できないことは承知している」「地場企業への優先発注は今後も市当局へ訴えていく」と応じた。
また、地域内消費の喚起について商工会側は「鶴岡市プレミアム付商品券(つるおかペイ)は、近隣自治体の同様の取り組みと比較して非常に面倒な手続きや内容となっており、使用する市民へ面倒くささを押し付けていないか」と厳しく指摘した。市議側は「地方ではスマートフォンなどを使う年齢などに大きな格差がある。デジタルと紙媒体のハイブリッドにしたが、つるおかペイが消費拡大につながっているのか、しっかりと検証する必要がある」と述べた。
2023年(令和5年) 2月10日(金)付紙面より
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出羽三山神社の第45回大江戸山伏勧進大祈願祭が6日、東京・明治記念館(港区元赤坂)で行われた。同神社の首都圏の信者ら150人が集まり、天下泰平、所願成就などを祈願した。
新型コロナ感染拡大があったため都内では3年ぶりの開催。宮野直生宮司はあいさつで「神事に立ち返って、原点に戻ることにした」と話した。
昭和54(1979)年、浅草のホテルで十数人の参加で始まった祈願祭。会場内で護摩をたいたところ、スプリンクラーが作動、会場が水浸しになるハプニングから始まったが年々規模が拡大、多い時は500人以上が集まった。しかしコロナ禍をきっかけに在り方を同社内で検討。「世の中の動きを把握しなければならない。社会環境と組織の変化を考えるべきということ。盛況だけを狙うのではなく、神社の素晴らしい歴史の伝承こそ大事なこと」と同宮司は強調した。こうした流れの中で、本紙に連載された同神社の明治以降の「歴代宮司の事績」が冊子として発行する予定も明かされた。
祝宴に先立つ神事(祈願之部)では大先達・山伏・神子がほら貝の音ともに入場。三語拝辞、三山祝辞、祈願詞、三山拝詞の順で祈願が行われた。引き続き巫女舞「君が代」、玉串拝礼などが厳かに行われた。
奉祝之部では奉納祝舞として長唄「鶴亀」で花柳寿々美緒さんが舞った。乾杯の音頭は太田正士・JA庄内たがわ組合長が取り、祝宴に入り、参会者は3年ぶりの再会を和やかに語り合った。最後に河野世昌・大江戸勧進世話人による萬歳三唱が行われた。
2023年(令和5年) 2月10日(金)付紙面より
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弁当や折り詰めを販売する山形優味(鶴岡市錦町、丸山環社長)の「洋風行楽弁当」が東京都内で行われた中食産業展覧会「デリカテッセン・トレードショー」の「お弁当・お惣菜大賞2023」の弁当部門で優秀賞に輝いた。山形優味の弁当が入賞したのは昨年に続いて2回目。受賞した弁当は15日から鶴岡料理すず音(鶴岡市錦町)など同社が運営する4店舗で販売する。
洋風行楽弁当の内容は山形牛を使ったハンバーグやオムライス、クリームコロッケ、エビフライなど約20品目で構成した。オムライスのオムレツは半熟状態を保つようにし、エビフライは冷めてもサクサク感が出るようパン粉の代わりにギョーザの皮を使って工夫した。食材の9割が庄内産のものを使用。時間がたってもおいしく食べられる弁当をテーマにした。
今回の応募総数は1万4286件。このうち弁当部門には2358件がエントリーし、洋風行楽弁当は全国第2位の優秀賞に選ばれた。昨年の大賞では、おいしさや彩り、調理の仕方などすべての点で高い評価を受け、全国1位の最優秀賞を獲得した。
丸山社長は「2年連続の受賞となりとてもうれしい。今年のコンセプトは『家族で楽しめる洋風弁当』。親子水入らずで楽しんでもらえれば」と話していた。
受賞した弁当は「すず音」のほか「銀のすず」酒田店(こがね町)・鶴岡店(末広町)、「鶴岡デリカ鈴なり」(同)で販売する。値段は2500円(税込み)。3日前までの予約が必要。問い合わせはすず音=電0235(22)3231=へ。
2023年(令和5年) 2月10日(金)付紙面より
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酒田市の酒田東高校(大山慎一校長、生徒487人)で8日、課題研究発表会が開かれ、2年生が探究型学習の一環で昨春から調査研究してきた成果をポスターやステージで発表した。
同校は2018年度、自分で見つけた課題を主体的・協働的に解決する「探究型学習」に重点を置く「探究科」を開設。課題研究はこれを見据えて14年度に導入し、2年生が数人ずつのグループに分かれ、人文や自然、社会などさまざまな分野の調査・研究に取り組んでいる。
この日は同校とともに鶴岡南高、酒田西高、酒田光陵高、酒田一中の生徒たちも研究成果を持ち寄って参加、午前中はその成果をポスターにまとめてグループごとに発表した。
「人工オーロラを作ろう」のテーマで発表した酒田東高2年の男子生徒3人は、オーロラの基本原理を紹介した上で、地球に見立てたネオジウム磁石と剣山をコイルでつないで真空ポットに入れ、電源装置を働かせたところ、オーロラ状の紫の発色を確認。今後の展望として「磁石と剣山の距離を近くし実験したい」と述べた。
また、「江戸っ子から学ぼう」と題して女性の社会進出に必要なことを江戸時代の生活から考えた同校2年の女子生徒3人は「江戸時代の農村で発達した青年自治組織による保育兼教育システム、当時の人たちに根付いていた地域で子どもを養育する考えが現代にも不可欠」と報告した。
引き続き同校2年の代表7グループがステージで、▽「葉っぱから電気を」=SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成に向けて植物の葉から電気を生み出す実験の展開▽「AIで花粉予測」=より正確な花粉飛散量を予測するため気象データと花粉データを用いて時系列解析と呼ばれる回帰予測AIの作成―など調査研究の成果を堂々と披露した。
一方、この日午後には同校1年による研究発表も行われた。