2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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NPO法人エコ・リンクやまがた(遠藤靖彦理事長)が鶴岡市加茂に整備した「渚の交番鶴岡・カモンマーレ」の開館記念式典が24日、現地で行われ、同日午後2時にオープンした。渚の交番は豊かな海を次世代に引き継ぐための地域づくり総合拠点。カモンマーレでは地域の海を深く知るための海洋教育、多彩な海の遊び体験、地域の魚食文化継承の各プログラムを提供するほか、庄内浜の幸をふんだんに使った創作イタリアンのレストランもあり、関係者が連携し、交流人口拡大を図り、地域活性化につなげていく。
日本財団(本部・東京、笹川陽平会長)「渚の交番プロジェクト」の一環で整備され、全国13カ所目、東北の日本海側では初の施設。加茂水産高校と県水産研究所の間の海岸そばに建設され、施設は大型船の船首をイメージした鉄骨造り3階建て、延べ床面積約570平方メートル。屋上に風力発電、壁面などに太陽光パネルを備え、施設内の電力に活用する。建設費約2億円。
1階が加茂の海岸に以前あった島に由来するショップ「なべじま」で、庄内浜の魚介類を活用したフードや加工品などを販売。2階がレストラン「ピッコロ・パッソ」(イタリア語で小さな一歩の意味)。イタリアンシェフで料理プロデューサーの有馬邦明さん(51)=東京=監修による庄内の海や里の食材を使った料理を提供する。3階は「コミュニティルーム夕陽てらす」と名付け、「海育(うみいく)」の研修など多くの人が交流し、海に学ぶ拠点となる。
記念式典には県内外から関係者約80人が出席。遠藤理事長が「皆さんの協力で加茂地域の魅力の向上につなげたい」とあいさつ。来賓の海野光行日本財団常務理事が「子どもから高齢者まで全世代が集う拠点として、今後のモデルとなることを期待する」と述べた。
カモンマーレの愛称命名者の鶴岡市大宝寺の伊藤四季さん(52)に感謝状を贈呈。国土交通省酒田港湾事務所の藤原弘道所長が、施設を「みなとオアシス加茂」へ追加登録する認定証を贈った。地元の子どもを代表して小中高校生合わせて4人が参列者とともに「海への誓い」を宣言。“カモンマーレ号の進水”を記念し、加茂地区の住民たちが屋上から色とりどりの紙テープを投げ、交流拠点のオープンを祝った。
加茂地区自治振興会の斎藤正哉会長(68)は「カモンマーレで加茂の良さを全国、世界に発信して地域ににぎわいを創出していきたい」と話した。カモンマーレの電話番号は0235(35)1217。
2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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少子化に伴い酒田市の第四中学校区(川南地区)にある小・中学校の統合について検討する「酒田市小・中学校学区改編審議会」(加藤博之会長)の初会合が23日、同市庁舎で開かれた。
同市の第四中学区は市立酒田第四中学校を中核に新堀、広野、浜中、黒森、十坂、宮野浦の6小学校を含む区域。
少子化のため、市では川南地区の義務教育対象者人口が本年度の1089人から6年後の2029年度には812人に減少することや来年度4小学校で複式学級が編成されることなどから、昨年12月以降、地区住民に対し「学校統合に関する説明・意見交換会」を実施。早期の学校統合を望む声が多数あったとして、小中学校の区別なく義務教育を一施設で一貫して取り組む「義務教育学校」の新設などを視野に入れた「酒田市立第四中学校区における義務教育環境に関する基本方針案」を先月策定した。
同審議会はPTA代表者や有識者ら12人で構成。この日は委員7人や市教委ら関係者計約20人が出席。鈴木和仁教育長が「他の市町と同じように本市でも子どもが減っている。分かっていたことだが、対応を進めているところ。さまざまな角度で意見を頂きたい」とあいさつ。委員で互選を行い、元酒田四中学校長などを務めた加藤会長を選出。鈴木教育長が加藤会長に諮問書を手渡した。
第四中学区の現状や推計、義務教育学校のメリット・デメリットなどの資料が市教委から説明された後、委員からは「新設する義務教育学校の場所などをどう考えているか」「学校の伝統文化は守られるか」「地区住民には不安もあるが、それ以上に危機意識が高い。早く進めてほしい」「今後他地区のモデルケースになる」などの意見が出されていた。今回出された意見を踏まえ、来月20日に開催予定の次回審議会で引き続き議論する。
2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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鶴岡市の加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月は、新メニューとして考案した夏限定の「冷やしカップラーメン」の名前を募集している。
カップラーメンは、本格的な夏に向けて「手軽に食べられて清涼感が感じられるものを」と作った。キャノンボールクラゲとエチゼンクラゲにワカメ、シャキシャキのネギが入ったしょうゆ味。カップに入れて冷やしたもので、加茂水族館正面出入り口から入ってすぐ左側にある軽食コーナー「波の華」で7月15日(土)から販売する。価格は500円(税込み)。ネーミングは限定販売の前に「多くの人から親しまれるメニューにしたい」と広く公募することにした。
沖海月の須田剛史料理長(47)は「小腹がすいた時に手軽に食べられるメニューがなく、一つの懸案事項だった。夏限定となるが、皆さんのアイデアをお待ちしたい」と話している。
応募期間は7月2日まで。住所、氏名、年齢、ネーミング、付けた理由を加茂水族館ホームページの応募フォームで送る。採用となった人には「売店商品詰め合わせ&レストラン定食お食事ペア券」をプレゼントする。発表は7月上旬。詳しい問い合わせは沖海月の担当・中村さん=電0235(64)8356=へ。
2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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稲を害虫から守る願いを込めた農業祭事・虫送りが23日、酒田市広野地区で行われた。竹やヨシで作った舟神輿(みこし)、稲をかたどった花梵天(はなぼんてん)が地区内を練り歩き、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
害虫から稲を守るために古くから庄内地方で行われていた虫送りは、農薬の普及、農業の近代化に伴って廃れたとされる。広野でも1950年ごろに途絶えたが、83年に地元有志が「広野虫送り保存会」(佐藤修会長)を結成し復活させた。その後、田植えや一番除草が終わる毎年この時期に行っている。
コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となったこの日は午前中、保存会メンバーと地元・広野小学校の6年生10人らが広野コミュニティセンターで竹やヨシを組み上げ長さ約2メートルの舟神輿、季節の花々を飾った高さ約5メートルの花梵天を仕上げた。午後からは地区内の皇大神社で神事の後、鐘と太鼓を先頭に地区内を練り歩いた。「花梵天を家に飾ると願いごとがかなう」という言い伝えもあり、沿道に集まった地区民たちには竹に差した花が配られた。
花梵天制作を担当した佐藤柑菜さん(11)は「地域の人たちと協力していい花梵天ができたと思う。舟は重かったが広野の伝統行事に参加できて良かった」と話した。
2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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鶴岡市山田の「JA鶴岡だだちゃアリーナ」で24日、親子を対象にした無料開放が行われた。幼児から小学6年生まで200人以上の子どもたちが訪れ、軽スポーツを楽しんだ。
一昨年にJR羽前大山駅南側にオープンした「JA鶴岡だだちゃアリーナ」に親しんでもらおうとNPO法人鶴岡市スポーツ協会が定期的に開放している。今回で5回目となるが、これまで最高の入場者数を記録した。
人工芝が敷き詰められた1階アリーナでは遊びながら体幹を鍛える「バランスストーン」やフィンランドが発祥の新しい軽スポーツ「モルック」などのコーナーが設けられ、子どもたちの歓声と笑顔があふれた。
市スポーツ協会の担当者は「幼い子どもを連れた親子を中心に、たくさん来てくれてうれしい。アリーナを身近に感じもらえれば」と話していた。
次回の無料開放は11月を予定している。