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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 7月29日(土)付紙面より

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「中止申し入れ撤回しない」強調 加茂地区 風力発電 住民との意見交換会で皆川市長

 鶴岡市加茂地区でジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、本社・東京)が計画している風力発電事業に関し、市が計画の中止を事業者に申し入れたことを巡り、市は27日、同市の加茂コミュニティ防災センターで地域住民との意見交換会を開いた。事業の可否を検討する調査の継続を求める意見が出されたが、皆川治市長は中止申し入れを撤回しない考えを強調した。

 意見交換会は、先の6月定例市議会で加茂地区住民から出されていた申し入れ撤回と調査継続を求める請願が採択されたのを受け、市の考えを説明する場として、請願者でもあった住民側の要望を踏まえて開催。住民約70人が参加した。

 市側は事業計画地がラムサール条約登録湿地「大山上池・下池」から1・5キロ―3・5キロと近いことを指摘。皆川市長は「登録湿地から5キロ未満の範囲内で大規模な風力発電施設の建設は国内で前例がない。国際条約に基づく登録湿地の近くに大規模施設が建設されれば、国際的な大問題になる。そうした場所への事業計画に対する中止申し入れの考えは変わらない」と述べた。

 参加した住民からは、「地域住民との対話が足りていない」とする意見が相次ぎ、「(今年2月1日の)中止申し入れの前に、なぜ地元の意見を聞く場を設けられなかったのか。事業者による調査を継続し、風力発電施設を建設すべきだ」「まずは環境への影響を調査した上で、事業の可否を判断するべきだ。何もわからない中での突然の中止申し入れは、理解できない」などの声が上がった。

 皆川市長は「登録湿地から5キロ圏内への計画は国際的にも大きな問題になるとして、中止すべきだとの専門家の意見がある。それでも建設を進めようとする考え方になることは、理解できない。国際的な非難の対象になってまで進めることには承服でない。大変残念なことだ」と述べた。「住民の声を聞く会」と題した意見交換会は8月8日に上郷地区、同10日に大山地区でも開催される。

 請願者の地元住民グループが先月に加茂地区で開催した「勉強会」で、出席したJREの担当者は「調査の実測値を基に鶴岡市と話し合い、説得していきたい」との考えを示した。意見交換会終了後、皆川市長は報道陣の取材に「(JRE側が)面会を求めていると聞いている。どういう趣旨か分からないが、会いたいと思う」と語った。住民グループは加茂地区以外でもJRE担当者出席のもとでの「勉強会」を開催する意向で、中止申し入れ撤回と調査継続を求める署名簿を市に提出する考えを改めて示した。

加茂地区住民を対象に開かれた風力発電事業に関する意見交換会
加茂地区住民を対象に開かれた風力発電事業に関する意見交換会


2023年(令和5年) 7月29日(土)付紙面より

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好天に「おばこ梅」輝く 鶴岡「本長」で天日干し作業

 鶴岡市大山一丁目の漬物の老舗「本長」(本間光太郎社長)で、地元産の「おばこ梅」を使った梅の実の天日干しが始まった。真夏の強い日差しを受けた実はうまみが凝縮され、おいしい梅干しとなって店頭に並ぶ。

 1908(明治41)年創業の本長では、毎年7月上旬に酒田市松山地域で育てられたおばこ梅を仕入れ、無添加製法による梅干し作りを行っている。中粒種のおばこ梅は香りが高く、梅干しにする際は果肉が壊れにくく作りやすいのが特長。庄内では松山地域が主産地として知られる。

 今年は1・3トンを仕入れ選別や水洗いを経て塩漬けし、今月26日に約600キロ分の天日干しを開始した。3日ほど干した後、シソが入った梅酢の容器に戻す。この工程を3回ほど繰り返すと、次第に梅の実は赤く色づき甘酸っぱい独特の香りが高まるという。干している間、重さを量って水分の抜け具合を見ながら干す時間を調整する。

 品質管理室長の大瀧久美子さんは「天日干しで作るとうまみや酸味が凝縮され、昔ながらのしょっぱくておいしい梅干しになる。例年なら8月下旬から9月にかけて熟成に入るが、今年は梅雨明けが早かったので8月中旬ごろになるかも。好天で暑い日が続いており、今年も良い出来になりそうだ」と話していた。

 熟成期間を経て天日干しの梅干しが完成し、11月に「新もの」として店頭に並ぶという。

今年もおばこ梅の天日干しが始まった=27日
今年もおばこ梅の天日干しが始まった=27日


2023年(令和5年) 7月29日(土)付紙面より

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酒田市長選は無投票になるのか

 任期満了による酒田市長選は、8月20日告示(同27日投開票)まで3週間。立候補を表明したのは、現時点で前副市長・矢口明子氏(56)だけ。無投票は避けたいとの動きも流動的で、無投票になる公算が大きい。仮に無投票になれば同市長選では初めて。結果として市民は選挙戦を通じて酒田の将来像への取り組みを聞くこともなく、新市長に4年間を託さなければならないことになる。

 「経済界や女性から立候補を推す声があった。一緒に酒田の街づくりをしていきたい」とは矢口氏の言葉。前回の市長選で割れた市議会の会派が、今回は矢口氏支援で歩み寄った。政策論争に市民が耳を傾け、選択肢を得る事は政治の在りようとして望ましいことなのだが。

     ◇       ◇

 現職の丸山至市長(69)は、年齢や体調面から新たな4年間の職責を果たすことは難しいとして今期で退任する。矢口氏は後援会設立総会に続いて23日に事務所開きと決起大会を開いた。掲げる政策は(1)若者の仕事創出(2)誰もが主役の市政(3)市民目線の行政―を強調し、特に喫緊の課題として人口が減り続けるスピードを抑える対策に取り組みたいと述べている。

 酒田市では戦後の旧市時代から市を二分する激しい市長選が何度も繰り広げられた。保守対革新共闘、保守分裂選挙もあり、わずか9票差で当選が決まった選挙もある。過去の市長選で無投票当選が一度もなかったのは、「市民に選択肢を与えられない市長選はありえない」として、劣勢を承知で立候補した人もいたからだ。

 人口減少は全国的問題だが、行政の効率化を求めた広域合併は“拡大縮小”を顕在化させた。2005年の平成の合併直後約11万8200人いた酒田市の人口は、今年5月時点で9万6579人へと、約2万1600人も減った。人口減少は酒田市に限ったことではない。しかし、異常とも思えるスピードで人が減る原因がどこにあるのか、その打開策にはどのような手だてがあるのかを探る。今後の酒田市政に課せられた大きなテーマだ。

     ◇       ◇

 酒田市では街の商業核だった旧清水屋デパートが閉じられて中心商店街の活力が低下した。一方、JR酒田駅前の複合施設がオープンしてにぎわいを取り戻し、山居倉庫一帯でも整備が進む。双方の相乗効果で市の活力を生み出し、魅力ある酒田市づくりによって、若者が定着し、Uターン(移住も)につなげていかなければならない。

 決まったわけではないが、酒田市長選は無投票の公算が大きいようだ。その背景には何があるのか。市民の間に「誰がなっても同じ」的な消極姿勢、あるいは選挙や市政への無関心があるのではないだろうか。低迷する酒田の活力を、なんとしても底上げしなければならない。そのために、市民の力こそ大事だと思うのだが。

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2023年(令和5年) 7月29日(土)付紙面より

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全日本バレーボール小学生大会・男女混合の部 若浜スポ少 健闘誓う 自分の役割果たし一致団結 8月7―10日 東京都開催

 第43回全日本バレーボール小学生大会(8月7―10日、東京都)男女混合の部に本県代表として出場する酒田市の若浜バレーボールスポーツ少年団の選手たちが27日、市役所を表敬訪問し、安川智之副市長に健闘を誓った。

 同スポ少は1976年創設。現在は若浜、浜田、亀ケ崎小学校の3―6年生12人(男子4人、女子8人)が週4日ほど、若浜小体育館で練習している。

 全国大会にはこれまで女子チームが3回、混合チームが1回出場。今月1、2日に山形市総合スポーツセンター第一体育館で開かれた県大会(混合の部、出場8チーム)の決勝で「とかみJVC」(山形市)に勝利し優勝。全国大会出場を決めた。

 表敬では、選手11人が武田正祐監督らスタッフと共に市役所を訪問。武田監督がこれまでの経過を報告し、「全国大会では個々のプレーを十分に発揮し、その経験が子どもたちにとって将来の糧となれば」とあいさつ。安川副市長が山下ひかり主将(若浜小6年)と鈴木亜花璃副主将(同)に激励金と市スポーツエンブレムを手渡し、「チームワークを大切に、思い切り楽しんできてください」と激励した。選手たちは「ボールが落ちるまで諦めずに頑張りたい」「自分の役割を果たして、一致団結できるように頑張りたい」など、それぞれ決意。山下主将は「全国大会は初めて出場する。みんなを引っ張り、選手でラリーをつなげられるよう頑張りたい」と話した。

 全国大会混合の部には49チームが出場。リーグ戦上位の8チームが決勝トーナメントに進む。

安川副市長(後列中央)に健闘を誓う若浜バレーボールスポ少の選手たち
安川副市長(後列中央)に健闘を誓う若浜バレーボールスポ少の選手たち


2023年(令和5年) 7月29日(土)付紙面より

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旬迎えたハモに鶴岡産ハスの実 新メニュー「ハモの天ぷらそば御膳」

 鶴岡市立加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月は夏限定の新メニュー「ハモの天ぷらそば御膳」の提供を始めた。

 在来そばをそうめんタイプにした新たな味わいを表現。新食感のそばと一緒に、旬を迎えたハモの天ぷらや珍しい鶴岡産の「ハスの実」が楽しめる。

 鶴岡の食材を使いながら「夏らしいさっぱりとしたメニューを」と須田剛史料理長(47)が考えた。酒田名物「むきそば」の由来を調べているうちに福井県と滋賀県の在来品種のそばにたどり着いた。「ごく普通のそばで出すのではなく、そば粉を使ってそうめんに仕上げたらヘルシーで面白いかも」と両県の在来品種のそばを原料にしたそうめんタイプを鶴岡市の製麺会社と共同開発した。

 御膳は「そばそうめん」にハモやタイのお造り、在来野菜の外内島きゅうりといった地元産夏野菜の天ぷらを添えた。それに鶴岡市大山の上池・下池で収穫が始まったハスの実を塩ゆでしたものをアクセントに付け加えた。

 須田料理長は「そうめんタイプのそばは早くもお客さんに好評をいただいている。ハスの実もあまり食べられていない食材なので味わってもらえれば。今後はハスの実を入れた炊き込みご飯を作ろうと思う」と話した。

 ハモの天ぷら御膳は税込み2600円。8月いっぱい提供している。

新食感の「そばそうめん」と珍しいハスの実が楽しめる「ハモの天ぷらそば御膳」
新食感の「そばそうめん」と珍しいハスの実が楽しめる「ハモの天ぷらそば御膳」



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