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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 8月12日(土)付紙面より

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幻想的な夜涼みスポット 名瀑「玉簾の滝」ライトアップ 酒田市升田 20日まで

 酒田市升田の名瀑「玉簾(たますだれ)の滝」で10日、恒例のライトアップが始まり、闇夜に浮かぶ幻想的な世界が行楽客たちを楽しませている。

 玉簾の滝は約1200年前、弘法大師が神のお告げで見つけ、命名したといわれる。落差約63メートル、幅約5メートルで落ち口から滝つぼまで垂直に落ちる「直瀑」としては県内随一の規模を誇っている。ライトアップは升田区自治会(村上雅晴会長)が2000年夏から地域の魅力を発信しようと実施している。

 初日は午後6時半ごろから夜涼みスポットへ家族連れらが次々訪れた。LEDライトが周囲の木々とともに滝を照らし、緑色の深海に潜り込んだような幻想的な雰囲気の中、行楽客は近くまで足を運び水しぶきを全身に浴び涼んでいた。

 神奈川県藤沢市から帰省中の女性は「久しぶりに来て、こんなに迫力ある滝だったことを思い出した。子どもたちも楽しめたようで、自然の空気を満喫できて良かった」と話した。

 ライトアップは今月20日(日)までで連日、午後6時半―同9時。照明機器の維持・管理、駐車場から滝まで続く遊歩道(延長約300メートル)の整備のため、来訪者1人につき100円の協力金を任意でお願いしている。

幻想的な世界が広がる玉簾の滝のライトアップ=10日午後7時半ごろ
幻想的な世界が広がる玉簾の滝のライトアップ=10日午後7時半ごろ


2023年(令和5年) 8月12日(土)付紙面より

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ヒマワリ畑満開  遊佐町・藤井集落の斜面

 遊佐町白井新田地区藤井集落の斜面に植えられた約2万本のヒマワリが満開になった。風が吹くと、青空をバックに黄色の花が波のように揺れ、夏真っ盛りを演出している。

 同地区の藤井公民館そばに広がるヒマワリ畑は、町地域おこし協力隊員の発案で2012年に育成がスタート。地元住民らが20アールほどの畑に種をまき、丹念に育てている。例年、月遅れ盆ごろに見頃を迎え、真夏の風物詩として定着した。

 今季は例年より1週間ほど早く成長。このところの猛暑日続きでほぼ満開となった。10日は早朝から快晴に恵まれ、気温が午前7時ごろには30度を超える中、通勤途中の女性が車を降り、一面に広がる黄色の海ときれいな青空の共演を、スマホのカメラに収めていた。

真夏を実感させるヒマワリの花が満開になり黄色の海が一面に広がった=10日
真夏を実感させるヒマワリの花が満開になり黄色の海が一面に広がった=10日


2023年(令和5年) 8月12日(土)付紙面より

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大山 夏の風物詩 下池ハス刈り取り

 月遅れのお盆を前に鶴岡市大山の下池で11日早朝、仏壇に供えるハスの刈り取りが行われた。

 上池とともに江戸時代後期から続く伝統の作業。現在は地元の「浮草組合」(田中富雄組合長、組合員35人)が採取する権利を有し、小舟に乗った組合員が水面のハスの葉をかき分けながら刈り取る風景は、大山地区の夏の風物詩となっている。

 この日は午前4時半ごろから田中組合長(72)、加藤一雄さん(71)、石井有久さん(57)の3人がそれぞれ小舟に乗り、櫂(かい)を操りながら池を進み、咲き掛けの花や巻き葉、地元で「タンポ」と呼ぶ花托(かたく)など計200本ほどを刈り取った。昇った朝日が水面を照らし、咲き誇る大型のハスの花が光を浴びて輝きを増す光景に、池の堤を散策する人たちも見とれていた。

 9日は餅を載せて供える葉のみ約900枚、10日は花など約200本を刈り取り。池のほとりで直売したほか、地元や庄内町の生花店や卸に出荷した。

朝日を浴びながら水面を覆うハスを刈り取る組合員=11日午前 5 時半ごろ、鶴岡市大山・下池
朝日を浴びながら水面を覆うハスを刈り取る組合員=11日午前 5 時半ごろ、鶴岡市大山・下池


2023年(令和5年) 8月12日(土)付紙面より

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一日一題 78回目の終戦の日がやって来る

 「もう戦後ではない」と語られたのは、終戦から10年を過ぎた頃。朝鮮戦争の特需が敗戦からの復興を加速させた。戦争が終わって78年。今、「〇〇有事」という言葉を日常的に耳にする。再び戦争が起きるのではないかとの不安が漂う中、麻生太郎副総裁は訪問中の台湾で「台湾による抑止力機能のため『戦う覚悟』が必要」などと、中国を意識したととれる発言をし、緊張感を高めた。

 戦後生まれが後期高齢者になる一方、戦争があったことも知らない世代も増えている。だが、世界では各地で紛争が絶えない。今は、ロシアのウクライナ侵攻が連日報道され、戦争は人と人との殺し合いであることを目の当たりにしている。どんな理由であれ戦争は「悪」を心に刻みたい。

 太平洋戦争は軍部を中心とした政治の間違った選択で始まり、国民は理不尽な犠牲を強いられた。大政翼賛政治は町内会の助け合い組織のような「隣組」を設けた。実は隣組は不平不満を“監視”する一面も担った。戦意高揚のための勇ましい歌が作られた一方、父や兄を戦地に取られながらひたすら帰りを待つ母娘の姿は、「お国のため」と美化されて童謡になった。戦時下では「異」を唱える事などできなかった。

 『反戦川柳人 鶴彬の獄死』(佐高信著)に<出征のあとに食へない老夫婦>という川柳がある。軍国主義に突き進む政府を真正面から批判、官憲に捕らえられて反戦を貫いて29歳で獄中死した川柳人・鶴彬(つるあきら)(本名・喜多一二(かつじ)の川柳だ。戦争は一家の大黒柱を問答無用で戦場に駆り出し、残された老親(母娘)を苦しめた。そして<万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た>という川柳は、軍部は人の苦しみや命を何とも思わないことを言い表している。

 政府はウクライナに防弾チョッキを届けるなどさまざまな支援をし、新たな武器提供も考え始めた。国民の多くが正当性のない侵略を続けるロシアを非難している。この機に「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力のある武器を提供しようとする案が政府にあるとされる。これにも日米同盟重視が背景にあるからだろうか。

 佐高氏は「現代のサラリーマン川柳は、風刺や批判をユーモラスに表現している。しかし戦時下では戦争の『非』を鋭く突く川柳を官憲は警戒した。反抗思想を表現できるのは川柳だった」と、反戦を訴え続けて捕らえられた鶴彬のことを語っている。

 日本の人口のほぼ3人に1人が平成以降生まれが占める。太平洋戦争では日本人約310万人、東南アジア諸国などを含めれば2000万人以上の尊い命が奪われた。日本では戦争被害が多く語られるが、しかし、より多くの戦争加害をしたことを忘れてはならない。そのことを知れば、戦争をしてはならないことが分かる。忌わしい事実は消えず、目を背けてはならない。

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2023年(令和5年) 8月12日(土)付紙面より

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学芸員の業務体験 致道博物館で地元高校生

 高校生から博物館学芸員の業務や地域の歴史・文化を知ってもらう学芸員体験講座「ChiDoアカデミー」が6日から10日までの3日間の日程で、鶴岡市の致道博物館(酒井忠順館長)で行われた。高校生たちが歴史、美術、民俗の各テーマについて、資料の取り扱い方や保存、整理などについて学んだ。

 昨年度、同館の酒井家庄内入部400年記念事業の一環として地元高校生による学芸員体験が企画され、関連展示会の解説パネル作成と展示作業体験などが行われた。本年度は庄内の歴史と文化を次の100年につなぐ「NEXT100事業」として、体験企画を引き継ぐ形でChiDoアカデミーを開催。学芸員の通常業務について高校生から理解を深めてもらおうと、資料の保存や整理、研究、公開の考え方などを伝えた。

 アカデミーには鶴岡南、鶴岡東、羽黒、鶴岡中央から8人が参加。6日に歴史、9日に美術について学び、最終日の10日は民俗がテーマで6人が出席した。同館の本間豊学芸部長が講師となり、「日本民俗学の開拓者・柳田國男は『人は死んだらどうなるか』について、古くからの考え方を調査、研究し続けた。魂は高い山に飛び、供養されて浄化される。お盆の時に家族の元へ戻ってくる」など、民俗学の基礎について解説した。

 また、美術品と民俗資料の違いについて「大名が茶会で使った茶わんは名のある職人が作ったものなら美術品に当てはまる。一般家庭で使われた茶わんは産地や制作者が分からない場合が多く、民俗資料となる」と述べ、「資料を収集し、素性を調査、研究するのも学芸員の大切な業務。誰がいつごろまで使っていたのか、いつごろ、いくらぐらいで購入したのか細かく調べ、大きさや形状を図面で描くこともある」と話した。

 参加者の一人は「民俗学は学ぶ機会がなく、非常に難しいが興味を引かれる部分も多く勉強になる」と話し、講話にしっかりと耳を傾けていた。

高校生たちが民俗資料と美術品の違いや学芸員業務について学んだ
高校生たちが民俗資料と美術品の違いや学芸員業務について学んだ



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